大雨のふるさと
またひとり逝き
なつかしいひとになりました
私たち兄弟の一番上の
兄のような
母のいとこ
まだ
そこにいて
笑い声が聞こえてくる
長い施設の生活は苦しかっただろうか
いつでも
したって来る人たちに囲まれて
先頭にたっているひとだったから
世話になってはいられなかっただろうに
痩せた頬が
自宅に戻ってきたら
ふっくらしてきたよ
と
おばさんがつぶやいた
ふれていいかな
と
おでこと頬に触れたら
なぜか
照れているようにみえたのだよ
ひとり逝き
ふたり逝き
のこったものは
後ろを振り向き
のこされたものを
抱きしめることが
供養なのか
写真の笑顔に
涙を
ぬぐい
大雨のふるさとを
あとにして
いま
かえってきました
またひとり逝き
なつかしいひとになりました
私たち兄弟の一番上の
兄のような
母のいとこ
まだ
そこにいて
笑い声が聞こえてくる
長い施設の生活は苦しかっただろうか
いつでも
したって来る人たちに囲まれて
先頭にたっているひとだったから
世話になってはいられなかっただろうに
痩せた頬が
自宅に戻ってきたら
ふっくらしてきたよ
と
おばさんがつぶやいた
ふれていいかな
と
おでこと頬に触れたら
なぜか
照れているようにみえたのだよ
ひとり逝き
ふたり逝き
のこったものは
後ろを振り向き
のこされたものを
抱きしめることが
供養なのか
写真の笑顔に
涙を
ぬぐい
大雨のふるさとを
あとにして
いま
かえってきました