ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

石の上にも半日

2016-05-31 16:45:15 | 日記

                 石の上にも半日




              発熱の午後に
              あたりは
              ふわふわと
              雲の上


              うつらうつらの極致は
              起きているつもりが
              白昼夢の中


              目が
              閉じたままで
              おーいおーいと
              呼んでいる向こう側で
              半日の
              1日が
              過ぎて
              あーあー
              

              耳の奥の
              石は
              ただ
              くるくると
              くるくると
              

              わたしには
              ハイスピードの
              ジェットコースターは
              むかねえ



              歩く速さで
              生きていくしかない


              しかし
              何かをみつけらた
              走り出して
              突進する


              石のくるくる
              静まった
         

              軽いもんさ
              軽石

バランス

2016-05-30 22:08:10 | 日記

                    バランスの維持のために



                 朝の
                 ひかりは
                 1日の始まり



                 生きている証の
                 ひかり
                 回ってくるひかりでも
                 回っている奇跡
                 奇跡の中にいる
                 毎日



                 ためいきをついたり
                 不平不満の
                 小さな波風は
                 振り返れば
                 喜びと
                 美しさと
                 ぼろぼろと
                 ぽろぽろと
                 落ちる涙に
                 洗い流されている



                 懐かしい時間よ
                 こんなふうに
                 通り過ぎる
                 風景が
                 記憶の中で生きていることも
                 また奇跡で
                 

                
                 握りしめた手のひらに
                 閉じ込めて
                 胸の奥に
                 しまい込むよ


                
                 今を生きる
                 わたしたち
                 
                 
                  
                

2016-05-29 00:27:08 | 日記


                    道



            谷茶にでかけたら
            陽が傾きかけてきたから
            急いで
            戻ろうと思った
            あっと
            もうひとつ
            用を思い出し
            右折して
            近道



            胸が
            つぶれて
            苦しくなった
            見ないつもりの
            花束に
            勝手に
            涙がこぼれてきたのだ




            そうだった
            現場に来てしまったんだ
            



            乗るかい
            大田の道にでるよ
            近くなったら
            降りるといい
            それとも
            もう
            お父さんとお母さんのところに
            帰ったか
            心残りが
            たくさん
            言葉に尽くせないくらいに

            

       
            一昨日の蝶といい
            今日昼間に
            行こうと決めた
            谷茶のイベントは
            大遅刻で
            来た道戻らずに
            知らない間に
            悲しい道に出てしまったよ




            言葉はいらない
            ただ
            ただ
            祈りを捧げるだけさ



            この道は
            フェンスで囲われた
            沖縄の
            悲しみの
            道さ
            いまでも
            たくさんの
            人たちが
            歩きつづけている

小さな青空

2016-05-25 20:44:23 | 日記

                  小さな青空




            灰色の雲の切れ間から
            青い空が
            覗いている




            湿った風に
            乗り
            蝶が
            突然現れて
            顔をかすめて去っていった





              こころ
              ほどけて
              とけて
              そのほほえみに
              しみていく
              ほほ
              ゆびさきも
              すべてが
              




           蝶の行方は知らないけれど
           その行先に
           青く
           広い空が広がり
           夏の花に
           とまり
           羽を休めておくれ



              
              世界の現実を
              見ている眼は
              現実を超え
              限りなく
              やさしく
              希望を見つめている
              ように思えた



           灰色の雲間の
           ひかる青空




風は薫らない

2016-05-24 21:39:10 | 日記


               風は薫らない



                     
           風は薫らない
           5月
           沖縄だけ
           梅雨
           湿った風が
           重く
           地を這う


           能天気に
           バラエティーで
           飯食っているだけの奴らには
           5月の
           梅雨の重さは
           わかるはずはない
           なかったことにした数々の凌辱


           1945年
           食糧の配給の列の若い子を
           引きずり
           拉致したという
           その日から
           

           植民地の
           虐げられたものの
           子孫は
           まだ
           踏みつけられたままで


           じゃらじゃらと
           着飾ったやつらには
           わかりはしない


           夕餉に
           白い歯だけのけだものが闊歩する
           恐怖を
           知りはしない


           知らず知らずに
           忍び寄る
           その足音を
           耳の奥底で聞いているのは



           5月の
           梅雨に
           毎年
           毎年
           さらされた
           ものだけさ


           やつらは知らない