ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

錆びたかま

2023-04-01 21:36:04 | 日記
                      錆びたかま


                  かまきり
                  老いさらぼう
                  身を
                  その尖ったあしでは
                  支えられず
                  
                  曲がった背中
                  1本の木に
                  もたれかかり

                  三角の顔は
                  ゆらゆら
                  揺れ
                  その目は
                  定まらず
                  どこも見ていない

                  揺れ続けているから
                  まっすぐに歩けず
                  よろよろと
                  雑草の根元で
                  遠い
                  日々に捕らえた
                  獲物の
                  味に浸っている

                  帰り道を失い
                  失ったことを
                  忘れてしまい

                  うつろに
                  空を
                  ぼんやりと眺め

                  足の
                  かまは
                  錆付いている

                  
                  

                  
                  

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