ひとり言 ひとつふたつ詩集

沖縄から詩をつぶやきます。

2016-01-25 15:59:39 | 日記

                 鶏


             ささくれだった
             指先に
             しみこむ
             冷たい水は
             山の上から




             見開いた目の
             鶏の嘴は
             うつむいた地面を
             ついばむ



             つっつく
             つっつく
             小さな餌
             嘴に入るくらいの餌




             あられの冷たさは
             不意打ちではなく
             予想された天候のはず
             それに備えて
             セーターは着たか
             毛糸のマフラーは準備したか
             しかし
             何十年かぶりの
             あられにうかれて
             目の前の餌を
             あられに間違えて
             ついばんでしまった愚かさよ



             見開いた目のはずが
             開きめくら
             だったのか
             事の重大さは
             餌ではなく
             あられの降る
             この
             土
             海
             ではなかったのか


            
             冷たさは
             時の声が
             自分の声だ
             と自覚しないこと
             にある
             のでは
             と
 


          
             あられを
             みずにながした
             残念
             無念
             を
             悔やむ
             闇の嵐をきいている
            
             
            

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