巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

Dellを買っちゃったよ…

2008-07-15 20:38:29 | ガジェット/モノ
5月に「そろそろデスクトップPCを買い換えないと」と書いたが、結論から言おう。


先月、DellのInspiron 530を買ってしまった。

「なんでわざわざそんな選択を?」と思う人も多いいはず。わたし自身、通販パソコン購入のトラブルは、いったん日本を撤退する前のゲートウェイのノートPC (厚さ5cmのGateway Solo)と、hpの通販モデル (Pavilion 2345)でしっかりと体験済みだ。
Gateway Soloは購入時からなんとなく、DVD/CDドライブが不調。保証期間内に修理してもらったのだけれど、戻ってきた修理報告書を見て唖然。「新しいドライブの動作を確認するために、初期状態に戻しました」って。ほぼ「Windowsのみが入っている」状態で購入したので、購入後入れた数々のソフトも、そしてもちろんデータもみんな消えていた。メーカー側とユーザー側の「なおった」の定義が、全く異なるのだということを実感した一件だった。

Pavilionのほうはキーボードが初期不良。しかも最初から電源ユニット不良だったんだよね。でも気がついたのが1年以上たった後だったので、泣く泣く修理代を支払うはめに。

そんな数々のトラブルを経験しつつも、わたしがまたも通販PCを買ってしまった理由は、以下のとおり:

  1. 安いほうが良い、

  2. 購入を急いでいるわけではない、

  3. 自作する時間と金と気力は皆無、

  4. 余計なソフトなんか入っていてほしくない、

  5. Office Professionalはプリインストールされていてほしい、

  6. Dellの通販の現状を体験してみたい、and

  7. 中国のサポセンとのコミュニケーションを、ひそかに楽しみにしている。


4と5については、シャープのノートを買ったときに、いろいろ余計なソフトが入っているのに辟易した経験があり、その反動で次にはGateway (当時はGateway 2000っていうメーカー名だったけれど)に走り、そして前述のトラブルが。

余計なソフトは入っていてほしくないけれど、Office Professionalは必須だ。仕事柄AccessとPowerPointはよく使用するし、時にはなぜかPublisherを使ってほしいという依頼まで来ることがあるから。以前買ったpavilionにはWordとExcel (とOutlook)が入っていたので、あとからAccessとPowerPointとPublisherを入れた。アプリケーションの修復のたびにプリインストールされていたOfficeのディスクと、あとから入れたOfficeのディスクの両方を要求されて、非常に面倒臭かった。

6の理由については、昔Dellで働いていたことがあるがゆえの選択だ。日本の従業員総数は30名に満たず、日本で正式販売をする前のことで、ちょうど日本での正式な発売に立ち会った。

まだネットが発達していなかったころだから、注文のほとんどは電話・ファックスで受けていた。あらゆるパーツが欠品になり納期のコミットメントは破りまくるは、1日あたりの製造台数を増やそうとあらゆる人員を組み立てに回した結果出荷担当がいなくなり、生産台数は増えたのに集荷台数は数日続けて0台になるはという、信じられないことが本当にあった。果たして、当時のカルチャーは今も脈々と受け継がれているのだろうか?(何となく、受け継がれていそうなところが怖い。)

また当時、購入後にテックサポートと、カスタマーサポートにお客様からかかってくる電話の内容は、かなりバラエティに富んでいた。やたら詳しく重箱の隅をつつくようにいろいろと質問してきては、担当者が言いよどむのを楽しんでいらっしゃる方から、「Dellを買いにいった店で買ってきたのだから、これはDELLのコンピュータだ」と言い張る物デジ(今は亡き、三井物産デジタル)製パソコン購入者まで(「申し訳ないのですが、お客さま。それは当社のブランドではございません」「でも、俺はデルのパソコンを買いに行って買ってきたんだよぉ!」)。

あるセールスレップは「『パソコンには専用のディスプレイが必要』という至極まっとうな事実を、どうやってもある購入希望者に納得させることができず、キャンセル前提で本体のみの出荷指示を出した。はたしてこの購入者は受け取ったその日にキャンセルをしてきた。(「これ、本当はいろいろなことができるらしくて、まことに申し訳ないんだけれど。でも、なんにも見れないんだよ」「そんなことはございません、お客様。たとえモニタがあったとしても、パソコンはソフトがなければただの箱でございますから」)

日本人同士でさえ、サポートでのやり取りには苦労する。ましてや、いかに相当な訓練を受けたとしても、日本語がネイティブではない中国人が対応したらどんなことが起こるのか。これは中国のサポセン会社の日本人社長の通訳をつとめたときにその苦労話を聞いて以来、興味津津。

で、そのInspironだけれど、今のところ心配されていたUSB地雷も起こらず、業務で使っている限りにおいてはいたって順調。というわけで、楽しみにしていたサポセンとのコミュニケーションもなし。

しかし、Dellのキーボードとマウスについては、コスダウンしすぎだ。とりあえずマウスはこれまで使っていたMicrosoft社製の古いIntelliMouse Optical (すでに廃番、しかも限定発売されていたシルバーモデルだぜ)を使っている。キーボードは東プレのRealForce がほしいのだけれど、PCリサイクルに万単位のお金を使ってしまい、当面はDellのキーボードでガマン。どこかでお金つくらないと… (涙)


しょーもない買い物

2008-07-12 22:23:13 | ガジェット/モノ
ストレスがたまるとしょーもないものを買ってしまうことがある。以下は最近買ったしょーもないもの。


ゴキブリレストラン

Gokiburi_restaurantアース製薬の新しいゴキブリ用殺虫剤。「みんなデザートが好き。」「成虫は野菜が好き。」「幼虫は肉が好き。」(以上、パッケージに貼られているシールより引用)というわけで、ピーナッツペースト、オニオンエキス、チキンエキスという3種類の味で、ゴキブリを釣ろうというもの。

強烈なネーミングのせいで、ゴキブリではなく人間がつられてしまった。うちはゴキブリはめったに出ないんだけれど。

コンブエキスも入っていて、至れりつくせり。詳しい説明はこちらで。


■ ゴールドキウイ3点セット

Gold_kiwis上より、ゼスプリのゴールドキウイ。(果物)


デンタークリアMAX(マックス)ライオン ゴールデンキウイ(歯磨き粉)

森永はハイチュウのゴールドキウイ (お菓子)

別にゴールドキウイが好きなわけでもないのだが、たまたま近所のスーパーで同じ日に見つけたので。(わたしはゴールドキウイよりはグリーンキウイのほうが好き。)下の2つは期間限定もの。

ハイチュウの前身が「食べられるガム」チューレットだということを知っているわたしの年齢は、ホホホ…




カルチャー・ショック

2008-07-09 20:29:59 | 日記・エッセイ・コラム
おそらく、こういう環境でずっと仕事をしてきた人には、こういう職場がデフォルトなのだろう。数々の組織にかかわったわたしだが、軽いカルチャーショックを受けている。


  1. 仕事は(女子は)9時~5時だ。(殿方は延々と仕事をしているらしい。)

  2. 12時と1時に社内放送で、昼休みの始まりと終わりを告げるチャイムが鳴る。しかもそのメロディーはウェストミンスター・チャイム。

  3. 3時に社内体操でラジオ体操が流れ、従業員の多くが体操をしている。

  4. Officeのバージョンが98だ。


ある意味、古き良き(?)日本企業の伝統を残していると言えるのかも。

うん、こういう仕事には短期間かかわるだけにしておこう。さもないとわたしは楽なほうへ、楽なほうへと流れて行ってしまう。



ノラネコ・キリリの物語

2008-07-07 20:30:00 | ノラネコ
キリリのことを書いておこう。彼女は、白っぽい色の、年老いたメスのノラネコだ。何歳かは知らない。

Kiriri_1

ネコは名前をいくつも持っているものだ。このブログの中では、彼女は「キリリ」と呼んでいる。公園に来る大人と子供たちは、別の名前で彼女を呼んでいる。わたしの家族はかつて彼女を「シロちゃん」と呼んでいたのだが、最近ではもっぱら「アカムケ(赤剥け)」と呼んでいる。その名のとおり、あちらこちらの毛が抜けて、うっすらとピンクの地肌が見えるところさえある。

◆◆◆


そんなキリリは、昔は鳴らしたものだった。体が大きくて、この周辺の中で最も力が強いノラネコの1匹で、弱そうなネコたちをけ散らしていた。彼女の取り巻きもいずれも力の強いネコばかり。体が小さいネコや臆病なネコたちは、彼女やその取り巻きを見ると一目散に逃げ出したものだ。

cat_36.jpg
(↑2004年7月)

しかし、ネコの老化は早く、そしてノラネコの老化は特に早い。2年ほど前からキリリに老いが目立ち始めた。徐々に毛並みが荒くなり、動きが緩慢になった。それでも体の大きなキリリは、強いノラネコの座を依然として保ち続けた。

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(↑2005年10月)

そのキリリが去年の春に、ついにタイマンで負けた。しかも秒殺で。あいてはそのころから出没し始めたやはり体の大きなメスネコのボスグロだった。庭で起こったこの戦いの様子の一部始終をみていたわたしは呆然とした。

去年の秋、もっとショックだったことがあった。近所のアパートの庭で、キリリがカラスにいじめられていたのだ。カラスは賢いから、弱いネコや子ネコだけにちょっかいをだす。また、よっぽど弱いネコ相手でない限り、1羽ではネコに向かっていかない。

しかしたった1羽のカラスがキリリをいじめていた。おそらくだれかがキリリに与えたキャットフードを狙っていたのだろう。彼女のしっぽを大きなくちばしではさんで振り回し、キリリをその場から追い払おうとしていた。
「ギャッ」と短い声で叫び、それでもキリリはその場を動こうとはしなかった。

その後キリリは、カラスが暇つぶしのためだけにネコをいじめる際の、ターゲットにもなった。わたしは2度ほど自分の家の庭で、キリリがカラスにいじめられているのを見た。キリリはネコの意地にかけてその場を動こうとはしない。わたしは庭に飛び出してカラスを追い払ったが、それでもキリリは動こうとしない。よく見ると彼女の周りには、白い抜け毛が大量に散らばっていた。

そして秋も深まったころ、キリリは姿を消を消した。

◆◆◆


わたしはキリリがすでに死んでしまったのだと思っていた。しかしそれから2ヶ月後、彼女は再び姿を現した。すっかり痩せて体の大きさが以前の半分ぐらいになっており、あちらこちらの毛が抜けてところどころ赤剥けで、呼吸もぜいぜいとしていた。そして歯が1本残らず抜けてしまったらしく、公園にくる子供たちが、「かみつかれたけれど、歯がないので全然痛くなかった」と教えてくれた。

「もうまもなく死ぬのだろう」わたしはそう考えたが、それから半年余りたった。キリリはまだ生きている。あいかわらず赤剥けで足の毛はとうに無くなってしまい、背中も地肌のピンクが見える。体は痩せたままで、しかも相変わらずゼイゼイと呼吸をする。トシも考えずに他のネコとケンカをしたらしく、今日はノド元にけがまでしている。

Kiriri_2

それでも、だれかがネコに餌をやると、いつのまにやらキリリがやってきて、他のネコたちを押しのけて食べはじめる。彼女が餌の前に陣取ったら、ほかのネコたちは黙って引き下がるしかない。そうさせてしまう迫力が彼女にはある。歯がないので彼女はドライフードを丸呑みする。決して消化にはよくないはずだが、それでも彼女は黙々と丸呑みし続ける。


先日かなりの雨が降っていた夜、仕事から帰ってくると、家のブロック塀の上にキリリがずぶぬれになりながら座っていた。ただでさえネコはぬれるのを嫌うもものだ。老体にはつらいだろうに、餌をくれるだれかがやって来るのをいち早く見つけられるようにと、キリリは雨に打たれる場所にいたのだ。

ずぶぬれのキリリは、いつにもましてみすぼらしく見えた

「あんたを待っててやったんだよ」と、キリリが目で訴えていた。「このアタシに餌をくれないなんてことはないよね」。

仕方がないので買い置きのドライフード(これは、いつの日かゴキリョウが帰ってきたときのものだ)を物置から取り出し、庭の一角にある屋根つきの自転車置き場の下で袋を開けた。

うれしそうな顔もせず、尻尾も立てず、さも当然と言わんばかりに、キリリは餌を食べだした。