巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

シャチを見たくて鴨川シーワールドへ

2013-04-10 23:28:26 | 日記・エッセイ・コラム
Ocean_stadium
(↑ 鴨川シーワールドでシャチのパフォーマンスを行うオーシャン・スタジアム)

鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)を訪れるのは、42年ぶりだ。前回は、小学校(天津養護学校=現・天津わかしお学校、同じ鴨川市内にある東京都板橋区立の虚弱児のための全寮制の小学校)の遠足で、たしか1971年2月ごろのことだったかな。1970年10月に開館ということだから、かなりの初期にいったわけだ。

当時の鴨川シーワールドのCMソングは、わたしの記憶が正しければ「10人のインディアン」のメロディーで歌われるもので

鴨川 鴨川 シーワールド (1人 2人 3人いるよ)
鴨川 鴨川 シーワールド(4人 5人 6人いるよ)
鴨川 鴨川 シーワールド(7人 8人 9人いるよ)


と来て、最後のところが(うろ覚えなんだけれど)、たしか

毎週 毎週 3000人(10人のインディアン・ボーイズ!)


だと思った。(そのように、同じ小学校の男の子たちはそのように歌っていた。)人数のところが少ないような気がするが、開館したてなら1週間の入館者数はそんなものだったのかな。

なにしろ当時、車で行くにしろ電車に行くにしろ、東京側からこの外房の鴨川あたりにいくのは、結構時間がかかることだった。東京駅から鴨川駅までは、今では電車や高速バスアクシー号(東京と鴨川間をつなぐ高速バス)で、2時間で行ける。しかし、鴨川シーワールドができた当時は、電車にしろ車にしろ、5時間ぐらいかかったものだった。

さて、ここは開園当初からシャチのショーが売りだった。とうわけで、わたしの昔のアルバムから1971年当時のシャチのパフォーマンスの写真を載せておく。

Orca_1970

最初の写真との比較で気づいた人もいると思うが、当時の舞台は陸側を背にしていた。今は、海を背にしているので、観客はパフォーマンスの向こうに海を見ることができて、非常に開放感がある。

あの当時のシャチのショーは、かなり単純な芸で構成されていたのだと思う。が、当時は海の殺し屋としての獰猛なイメージしかなかったシャチが芸をするということだけで、それは大したものだった。それにシャチは大きいし、模様がやたらかっこいいから、それだけで子供であるわたしたちは大喜びだった。

さて一昨日、突然シャチが見たくなった。思い立ったが吉日で昨日は朝四時に起き、アクシー号にのって一路鴨川シーワールドへ。

おお、久々のシャチよ!

Orcas_1


ところが、この日のシャチたちの御機嫌は、あまり麗しいものではなかったらしく、3頭のシャチ(雌3頭で、そのうち1頭は昨年の7月に生まれたルーナ)の誰もトレーナーたちに指示にほとんど従わない。海獣たちのパフォーマンスは種ごとに毎日3回行われるのだけれど、本日のシャチのパフォーマンスに関しては、3回とも芸が成立しなかった。

「ただいまシャチとトレーナーとのコミュニケートが不良となっており…」とのアナウンスを繰り返しはさみつつ、シャチに対する一般知識などの説明を行って時間を稼ぎ、その間に良好なコミュニケーションを成立させようと努力するトレーナーたち。

Orcas_2


「オルカの機嫌は時間内になオルカ?」などと、心の中で親父ギャグをかましつつも、トレーナーたちの焦りが手に取るようにわかり、こちらの方が申し訳なくなってくる。しかし、どうやっても駄目でついに時間切れ。これが3回続いた。ついに3回目の中止のアナウンスを聞いたときはちょっと残念だったが、生き物相手ゆえの難しさを改めて感じた。

現在のシャチのパフォーマンスは、大昔にわたしが見たようなのどかなものではなく、トレーナーも水の中に入りともにパフォーマンスを行うアクティブなものになっている。良好なコミュニケーションのもとで行わないと、事故につながりかねない。

この日、シャチたちの機嫌は本当に悪かったらしく、その後の有料のシャチとの記念撮影も中止するとのアナウンスがあった。

実はこの日、芸達者のはずのアシカのパフォーマンスでも、わたしが見た回では4頭のうち1頭がトレーナーの指示にまったく従わないという状況になってしまっていた。

Sea_lions

このアシカのパフォーマンスは物語仕立てになっているため、トレーナーは何とかして1頭を従わせようとするが、このアシカは最後まで水槽をぐるぐると泳ぎ回るだけ。トレーナーはシナリオの一部を即興で修正する羽目に。いじわるな見方かもしれないが、こういう時に瞬時にどのような代替案を取れるのかというのも、大人の観客の眼には見どころの一つとなる。

これに対して、ベルーガ(シロイルカ)の、頭の良さと素晴らしい能力を活かしたパフォーマンスはそつがない。

Beluga_whales


観客たちはベルーガを見て、口々に「かわいい!」と言っていたが、わたしは体つきの妙な生々しさが気になって、それほどかわいいとは思えない。しかしまぁ、本当に賢い。(ところで、この名前を冠した乳腺外科専門のクリニックで、わたしは乳がんの確定診断をうけた。)

そして、やはりバンドウイルカとカマイルカのパフォーマンスは定番かつ安定していた。

Dolphins

鴨川シーワールドにはペリカンもいる。どこぞの動物園のペンギンよろしく、お散歩が売り。下の写真は出番を待つペリカンたち。

Pelicans

海獣たちのパフォーマンスばかりに目が行きがちだが、水性生物の見せ方はかなり上手い。

Fish_1

Starfish

Spotted_garden_eels

Fish_2

クラゲに刺された経験がないわたしは、「クラゲってきれいだなぁ~」などとのどかに楽しむことができる。

Jellyfish_1

Jellyfish_2

Jellyfish_3

Jellyfish_4

Jellyfish_5

Jellyfish_6


お土産はこれ。シャチの形をしたチョコレート「チョコルカ」。(ちなみに形状は「半身」です。)

Orca_shaped_chocolate

(箱と中央のチョコに書かれている英語は、ネイティブチェックを受けたほうが…)


ところで、3回とも成立しなかったシャチのパフォーマンスだが、3回ともパフォーマンスが始まるとともにカモメが、シャチの傍に飛んで来た。1回目には、「おやおや、勇気のあるカモメさんだ」と思っただけだったが、2回目も3回目も同じようにカモメが飛んでくるとなれば、何かそうする訳があるに違いない。その訳とは?

そう考えているうちに、ちょっと前の朝日新聞の記事を思い出した→ 「シャチ一家、みんなカモメにエサやり 家族間で伝承」