巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

恐怖の噛み猫…じゃなくて、指フェチ猫

2011-06-26 20:05:00 | ノラネコ
Acchan

Kさんのところで昨年の夏に生まれた「あっちゃん」は、小柄ながら元気いっぱいの男子だ。優秀なハンターである彼は、いつぞやは小さな野ネズミをつかまえ、まだ生きているネズミを両前脚で押さえ横向きに寝て、両後脚をそろえて連続ネコキックをくらわせていた。

さて、あっちゃんはヒトの指が好きだ。おおよそヒトに慣れているネコであれば、指を顔の前に出されたら、指先に鼻をつけてくる。が、彼は指をがぶりと噛む。
母ネコと同腹の姉妹2匹のなかで育ったあっちゃんは、噛み方を知っている。つまりは、完全な甘噛みだ。大きく口を開けて鋭い牙をたてながら、絶対に、絶対に、ぶすりとはくいこませない。さすがだ。

あっちゃんのヒトの指の執着は相当なものだ。指でなければだめで、手の甲や手首を出すと、「指を出せ」と片手(片方の前足)を出して指を自分の口へ引き寄せようとする。片手で引き寄せられないなら両手だ。いつぞやは後脚だけで立ち上って、両前脚でわたしの指をつかもうとしていた。

指を探して中途半端に立てたあっちゃんの爪の出し具合は、もちろんヒトを傷つけることを目的とはしていない。しかし、毛深い同胞用にチューニングされているため、毛深くないヒトの皮膚にはちょっと痛い。(だからわたしは、乳がんの手術で免疫力の落ちた側の手は、あっちゃんの前には絶対に出さない)。

だが、あっちゃんが、どうやってもヒトの手の指に到達できないがときある。そんなときには、代替プランだ。先だってはいつの間にか、サンダルから出た足の親指を噛んでいた。びっくりして「こら!」と大声をあげたら、いったんは飛びのき、そしてわたしを振り返った。その眼は「わーい、噛んじゃったぞ、噛んじゃったぞ!」と言っていた。うれしそうだった。あくまでも指にこだわる、あっちゃんだった。

指をかんだ後のあっちゃんは、指をかむことができたことに対してうれしくなってしまうらしく、いつもはしゃぎまわったり、転げまわったりしている。

その後わたしは、サンダルを履いていたときに、2回ほど足の指を噛まれた。1回は素足のときに。そしてもう1回は靴下の上から。わたしの母も、彼に足の指をかまれたらしい。