巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

うなぎ嫌いは結構多い

2005-07-28 22:12:33 | 
土用の丑のである。土用の丑のといえばうなぎである。うなぎ好きな母がさっさと蒲焼を買ってきたので、本日の夕食はうなぎである。

このうなぎを嫌いな人は結構多いと思う。会社員だったころ、接待の手配などで先方の食べ物の好みを聞くと「うなぎ以外なら、何でも食べられます」と、答える方が結構いたものだ。うなぎが嫌いな人はまずアナゴも嫌いなので、「うなぎはだめ」との回答をもらったら、手配したお店にアナゴは出さないようにお願いしていた。黙っていると寿司や天ぷらにあなごが使われるかもしれないからだった。

うなぎ嫌いな日本人は確かに存在するものの、世間では「日本人はみんなうなぎが好き」で「うなぎはちょっとばかりご馳走の部類に入る」というイメージがあるらしい。このイメージが曲者だ。

昔々、日本人の社長の秘書をやっていたことがあるが、この社長はケチだった。しかし重要な取引先が昼近くに来ると、社長は大奮発して「ふくしま君、うな重を頼んでくれ。きも吸付でね。」とわたしに頼むのだった。社長へは一応「うなぎを嫌いな方もいらっしゃるので、お客様に確認をしてからのほうがよいのでは。」とアドバイスをしたが、社長自身がうなぎ好きだったらしく、このアドバイスはいつも無視された。

その結果、全くお昼を食べられないお客様も出た。うな重なんて、うなぎの蒲焼と白飯ときも吸と香の物ぐらいで成り立っているから、ウナギが嫌いだと香の物以外はなにも食べられなくなってしまうのである。こうなるとお客様は必死の形相で形ばかりうな重に箸をつけて箸を置き??それだけでもうなぎ嫌いは大変なことだ??、そんなお客様を社長は「せっかく出したおいしいご馳走に口をつけないとは無礼千万」という目で見るのだった。そのせいで一度、簡単にまとまる商談が流れかかったことすらあった。

さて、わたしの家族にもウナギ大好き人間と、ウナギ大嫌い人間がいる。わが家のウナギ大嫌い人間は、泊りがけの社員研修でウナギを出され、無理やり一口だけ口をつけたところ、胃液が逆流しそうになったとか。そこで、研修での成績が悪くなることも覚悟で、さっさと箸をおいてコンビニへ走っておにぎりを買い込んだらしい。

かくいうわたしは、ウナギが好きでも嫌いでもない。うなぎ本体がなくてもタレさえあればよく、タレでご飯を何倍でも食べられる。非常に安上がりな味覚である。