スーパーのコーナーで、「おやき」を売っていた。
ご存知のかたも多いであろう「おやき」とは、長野県の伝統食で、野菜を使った惣菜系の(切干大根、野沢菜、ナス、カボチャ等)餡の焼き饅頭である。久々に買ってみようかとちらと一瞥したところ、表面を油で焼いたものなので、購入意欲が失せてしまった。わたしの判断基準は、油で焼いてあるおやきは邪道なのである。
信州から集団就職で上京したわたしの父は、おやきには常に一言あった。おやきが東京で売られるようになったときに、その味の「大衆受けをねらったお菓子化」を嘆いていた。
それぞれの地域や家庭、そしてその時代の食糧事情などにより、おやきにはもとより数多のバリエーションがあったに違いないが、父の主張する「正しいおやき」とは、以下のようなものであった。
こうしてできあがったおやきは、皮が堅く、どっしりと重い。あくまで重い。「1個食べれば結構お腹いっぱい」「2個食べたら、もうこれ以上は食べられない」というものだったらしい。
それから、もうひとつ。
だそうだ。
ご存知のかたも多いであろう「おやき」とは、長野県の伝統食で、野菜を使った惣菜系の(切干大根、野沢菜、ナス、カボチャ等)餡の焼き饅頭である。久々に買ってみようかとちらと一瞥したところ、表面を油で焼いたものなので、購入意欲が失せてしまった。わたしの判断基準は、油で焼いてあるおやきは邪道なのである。
信州から集団就職で上京したわたしの父は、おやきには常に一言あった。おやきが東京で売られるようになったときに、その味の「大衆受けをねらったお菓子化」を嘆いていた。
それぞれの地域や家庭、そしてその時代の食糧事情などにより、おやきにはもとより数多のバリエーションがあったに違いないが、父の主張する「正しいおやき」とは、以下のようなものであった。
- 皮 ?? 小麦粉のほかにそば粉も加える。重曹などで膨らまさず、また皮に砂糖も加えない。
- 餡 ?? 鉄火ナス、野沢菜、切干大根の煮物が良い。アズキ餡など邪道だ。特に鉄火ナスを推奨する。
鉄火ナスとは、これもまたかなりバラエティがあるのだが、ナスを油で炒めて、トウガラシと甘み(ミリン、または砂糖+酒)と赤ミソと青ジソで味付けたものだ。ナスは信州特産の丸ナス、そしてトウガラシは辛い青唐辛子を使うと良い。辛い青唐辛子がない場合はピーマンを使って鷹の爪をくわえる場合もある。 - 焼き方?囲炉裏の灰の中に入れて焼く。そのため、食べるときには、まずおやきから灰を手ではたき落とす。灰も多少は一緒に体内に摂取しているはずであるが、まぁ、囲炉裏の灰ならまず害にはならないだろう。
こうしてできあがったおやきは、皮が堅く、どっしりと重い。あくまで重い。「1個食べれば結構お腹いっぱい」「2個食べたら、もうこれ以上は食べられない」というものだったらしい。
それから、もうひとつ。
- 「おやき」ではなく、「ちゃのこ」(おそらく「茶の子」)と呼ぶ。
だそうだ。