『ジーサンズ はじめての強盗』を新宿ピカデリーで見ました。
(1)予告編を見て面白そうだなと思い、映画館に出かけました。
本作(注1)の冒頭では、ジョー(マイケル・ケイン)が、ニューヨークにある銀行・WSB(注2)に入っていきます。
受付が「ようこそWSBへ」と言うので、ジョーが「何処で待ったら?」と尋ねると、ラウンジの椅子を示します。そこで、ジョーがその椅子に座って待っていると、振動型ポケベルの合図があり、面談室で銀行の担当者のチャック(ジョッシュ・ペイズ)と話すことになります。
ジョーが、「家の差し押さえ通知が来た」と、黄色い封筒を見せます。そして、「返済額が3倍に膨らんでいる」と文句を言うと、チャックは「優遇期間が終わったからです」「新しい金利は高いのです」「そうなることは説明したはずです」と答えます。
これに対しジョーは「そんなことはまず起こらないと言ったはずだ」と反論するのですが、チャックは「ありうると言いました」と応じます。ジョーが「家は手放せない」と言うと、チャックは「黄色の警告だからまだ大丈夫です」と付け加えます。
その時、仮面を被った3人の強盗団が銀行に押し入ってきて、銃をブッ放ちます。
強盗団は、「みんな、床に寝て、猫ちゃん座りをするんだ!」と叫びます。
ジョーが、面談室に入ってきた一人の強盗に向かって「通帳をあげる」と言うと、強盗の方は、「要らない。俺たちは年寄りを敬うのだ」と答えます。
そのやり取りの際に、ジョーは、強盗の首にチンギス・カンをあしらったタトゥーがあることを見つけます。
強盗団は、銀行窓口にある現金をカバンに入れて、「90秒は連絡するな」と言って立ち去ります。
ここでタイトルが流れます。
次いで、ジョーが警察で、強盗の一人が首の周りに彫っていたタトゥーについて説明をしています。
FBI捜査官のアーレン(マット・ディロン)は、「そういった図柄を彫る刺青師を探す」「ただ、TVドラマよりも時間がかかる」などと言います。
警察から戻る車の中で、ジョーが「首にぐるっと入れ墨をしていた」と話すと、同居している孫娘のブルックリン(ジョーイ・キング)は「超クールね」と応じます。
これが本作の初めの方ですが、さあこれからどんな物語が展開するのでしょう、………?
本作は、80歳を過ぎた仲良しの老人3人が銀行強盗を企てるというコメディです。演ずるのは、実際にも80歳を超えているモーガン・フリーマン、マイケル・ケインとアラン・アーキンの老優たちで、本当に銀行強盗をしてしまうのですから、ものすごい話です。その理由も、3人が永年勤務した会社で積み立てた年金基金が精算されてしまうなど理不尽な仕打ちを受けたからというもので、社会的な意味合いも少々ながら忘れていません。その結果がどうなるかは、まあ見てのお楽しみです!
(2)本作は、『お達者コメディ シルバー・ギャング(Going in Style)』(1979年)のリメイクとされています。
ですが、同作は日本では未公開であり、またDVDにもなっていないように見受けられます。
そこで、IMDbの『Going in Style(1979)』の「Synopsis」を読んでみると(注3)、同作と本作の違いがおぼろげながら分かる感じがします(同作がsynopsis通りに制作されているのかわかりませんので)。
本作では、3人が強盗に走る社会的な背景が一通り描き出されているのに対し(注4)、同作では動機の点について酷く漠然としているようです。
また、本作では、3人はそれぞれハッピーな結末を迎えるところ(注5)、同作では、ウィリーとアルはすぐに死んでしまい、ジョーも刑務所入りとなってしまいます(注6)。
さらに言えば、同作の3人の俳優は皆白人のようながら(注7)、本作では黒人のモーガン・フリーマンが加わっています。
そんなことはともかく、本作の3人の老人を演じる俳優は、実際に皆、80歳を超えているにもかかわらず、実に元気なので驚きます(注8)。
日本人の俳優で当てはめるとしたら、例えば、仲代達矢(84歳)、加山雄三(80歳)、里見浩太朗(80歳)、といったところでしょうか?
でも、この3人が銀行強盗をする姿などは、映画の中にしても、余り想像できない感じがしてしまいます。
とはいえ、日本でも、老人パワーを見せつける映画が作られていないわけではありません。
例えば、最近では、北野武監督の『龍三と七人の子分たち』(2015年)は、「藤竜也扮する龍三以下70歳超えの元ヤクザ8人が集って再度一家を結成し、悪事を働く現役ヤクザに目に物見せる」といった内容の作品。
本作と比べて10歳ほど若い者が8人も集まるのですから(注9)、本作の銀行強盗など霞んでしまうような派手な事を仕出かします。
まあ、こうした映画が色々制作されて(注10)、見る方が元気づけられるのも悪くはないように思われます。
(3)渡まち子氏は、「主演全員がアカデミー賞受賞の名優なのだから、細かいツッコミどころは、ゆったりとかわして、余裕のお芝居で笑わせてくれる。もっとも内容は、弱者に冷たい高齢化社会を照射したもので、笑いごとではないのだが」として60点を付けています。
渡辺祥子氏は、「コーヒーにアップルパイを添える程度の余裕があればそれで十分、という姿勢の下、揃ってアカデミー賞受賞の老名優が見せる芝居は軽妙洒脱。3人が年下の監督の掌の上で踊っているように見えるのも愉しく、悪くない」として、★3つ(「見応えあり」)を付けています。
稲垣都々世氏は、「茶目っ気たっぷりなオスカー俳優3人の素敵なアンサンブルが、温もりに満ちたユーモアを醸し出している」と述べています。
毎日新聞の細谷美香氏は、「何気ない会話からエンディングまで、粋な魅力にあふれたクライムコメディー」と述べています。
(注1)監督はザック・ブラフ。
脚本は『ヴィンセントが教えてくれたこと』のセオドア・メルフィ。
出演者の内、最近では、モーガン・フリーマンは『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』、マイケル・ケインは『グランドフィナーレ』、アラン・アーキンは『サンシャイン・クリーニング』で、それぞれ見ました。
(注2)Williamsburgh Savings Bank(この記事)。
(注3)Synopsisのさらなる概要は以下のようです。
ジョーとアルとウィリーが、NYのブルックリンにある狭いアパートに一緒に暮らしています。
3人共年金生活者。怠惰な生活を打破しようと、ジョーが銀行強盗を思いつきます。
アルは、開店資金の捻出に困っている甥のピートから銃を3庁盗み出します。
銀行強盗は上手くいって、3人の手元には36,000ドルもの大金が。
ですが、ウィリーは、成功のお祝いに一緒に公園に行った日に、心臓発作で死にます。
ジョーとアルは、25,000ドルをピ―トとその家族に分け与え残る10,000ドルは生活費にしよう、と決めます。ただ、自分たちに残された日数が少ないことに気付いた2人は、残りはすべて使ってしまおうとラスベガスに向かいます。
ところが、ビギナーズラックで、逆に71,000ドルに増えてしまいます。2人を取り巻く雰囲気が悪くなってきたので、2人は早々にベガスを引き上げNYのアパートに戻ります。
それまで一睡もしていなかったので、2人は深い眠りに落ちます。目が覚めたジョーは、アルが睡眠中に死んでしまったのに気が付きます。
警察の捜査が自分たちに近づいてきたのを懸念したジョーは、これまでの経緯、そして金額が全部で107,000ドルに上ることをピートに打ち明けます。さらに、すべての金は銀行の貸金庫にあると言い、ピートに、これらのことを誰にも言わないように求めます。
ジョーは自分のアパートに戻りますが、翌朝警官に逮捕されます。
ジョーは、銀行強盗のことは白状しますが、金の在り処については口をつぐんだまま。
数週間後、ピートがジョーの説得に州刑務所にやって来ます。ジョーはピートに、残りの生涯を刑務所で過ごしても大したことはないから心配するな、遺産で楽しんでくれ、と言います。
別れ際に、ジョーはピートに、「Besides, no tinhorn joint like this could ever hold me!」と言います(その意味は、「こんな牢屋などすぐに出てみせる!」でしょうか)。
(注4)3人がともに働いていた製鉄会社・セムティック社が他の会社に吸収合併されて、工場がベトナムに移転するだけでなく、年金基金は凍結され、年金の支払いがストップされることになります。
加えて、ウィリーについては、腎臓病のため人工透析を受けているものの、医者から「透析の効果が薄い」「腎臓移植しかない」「ドナーを探すべき」「状況は一刻を争う」と言われています。
また、ジョーは、離婚した娘と孫娘と同居しているところ、その家にかかる住宅ローンの支払額が大きく膨らんだために、返済できなくなり、差し押さえ寸前という状況です。
ちなみに、ジョーの家は、ウィリーとアルが共同で住む家の真向かいにあるようです(3人は独身)。
(注5)特に、アルは、熟女のアニー(アン=マーグレット)から猛烈なアタックを受けて、遂に結婚までしてしまうのですから!
(注6)このWikipediaの記事によれば、本作の脚本を書いたセオドア・メルフィは、「エンディングを原作よりも明るいものにすることを条件にその依頼を引き受けた」とのこと。具体的には、メルフィが、「この現代において、私は自分の心血を注いで書き上げた主人公たちが、最後に死ぬか投獄されてしまう映画なんて見たくないのです。私は彼らが成功する姿を見たいのです。今や誰もが銀行を憎んでいるのですから、銀行強盗をした主人公が幸せになった方が完璧な出来になると思います。だからこそ、3人には立派に強盗をやり遂げさせる必要があるのです。夕日の下で成功を喜んでもらう必要があります」とプロデューサーに言ったところ、了承されたとのこと。
(注7)ジョージ・バーンズ、アート・カーニー、そしてリー・ストラスバーグ。
1979年には、それぞれ83歳、61歳、78歳と年齢はバラバラでした。
(注8)モーガン・フリーマンは1937年生まれ、マイケル・ケインは、1933年生まれ、そしてアラン・アーキンは1934年生まれ。
(注9)大体ですが、2015年当時、藤竜也73歳、近藤正臣73歳、中尾彬72歳、小野寺昭71歳、品川徹79歳、樋浦勉72歳、伊藤幸純73歳、吉澤健69歳。
(注10)例えば、『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』(2016年)、『グランドフィナーレ』(2016年)、『ミス・シェパードをお手本に』(2017年)。
★★★☆☆☆
象のロケット:ジーサンズ はじめての強盗
(1)予告編を見て面白そうだなと思い、映画館に出かけました。
本作(注1)の冒頭では、ジョー(マイケル・ケイン)が、ニューヨークにある銀行・WSB(注2)に入っていきます。
受付が「ようこそWSBへ」と言うので、ジョーが「何処で待ったら?」と尋ねると、ラウンジの椅子を示します。そこで、ジョーがその椅子に座って待っていると、振動型ポケベルの合図があり、面談室で銀行の担当者のチャック(ジョッシュ・ペイズ)と話すことになります。
ジョーが、「家の差し押さえ通知が来た」と、黄色い封筒を見せます。そして、「返済額が3倍に膨らんでいる」と文句を言うと、チャックは「優遇期間が終わったからです」「新しい金利は高いのです」「そうなることは説明したはずです」と答えます。
これに対しジョーは「そんなことはまず起こらないと言ったはずだ」と反論するのですが、チャックは「ありうると言いました」と応じます。ジョーが「家は手放せない」と言うと、チャックは「黄色の警告だからまだ大丈夫です」と付け加えます。
その時、仮面を被った3人の強盗団が銀行に押し入ってきて、銃をブッ放ちます。
強盗団は、「みんな、床に寝て、猫ちゃん座りをするんだ!」と叫びます。
ジョーが、面談室に入ってきた一人の強盗に向かって「通帳をあげる」と言うと、強盗の方は、「要らない。俺たちは年寄りを敬うのだ」と答えます。
そのやり取りの際に、ジョーは、強盗の首にチンギス・カンをあしらったタトゥーがあることを見つけます。
強盗団は、銀行窓口にある現金をカバンに入れて、「90秒は連絡するな」と言って立ち去ります。
ここでタイトルが流れます。
次いで、ジョーが警察で、強盗の一人が首の周りに彫っていたタトゥーについて説明をしています。
FBI捜査官のアーレン(マット・ディロン)は、「そういった図柄を彫る刺青師を探す」「ただ、TVドラマよりも時間がかかる」などと言います。
警察から戻る車の中で、ジョーが「首にぐるっと入れ墨をしていた」と話すと、同居している孫娘のブルックリン(ジョーイ・キング)は「超クールね」と応じます。
これが本作の初めの方ですが、さあこれからどんな物語が展開するのでしょう、………?
本作は、80歳を過ぎた仲良しの老人3人が銀行強盗を企てるというコメディです。演ずるのは、実際にも80歳を超えているモーガン・フリーマン、マイケル・ケインとアラン・アーキンの老優たちで、本当に銀行強盗をしてしまうのですから、ものすごい話です。その理由も、3人が永年勤務した会社で積み立てた年金基金が精算されてしまうなど理不尽な仕打ちを受けたからというもので、社会的な意味合いも少々ながら忘れていません。その結果がどうなるかは、まあ見てのお楽しみです!
(2)本作は、『お達者コメディ シルバー・ギャング(Going in Style)』(1979年)のリメイクとされています。
ですが、同作は日本では未公開であり、またDVDにもなっていないように見受けられます。
そこで、IMDbの『Going in Style(1979)』の「Synopsis」を読んでみると(注3)、同作と本作の違いがおぼろげながら分かる感じがします(同作がsynopsis通りに制作されているのかわかりませんので)。
本作では、3人が強盗に走る社会的な背景が一通り描き出されているのに対し(注4)、同作では動機の点について酷く漠然としているようです。
また、本作では、3人はそれぞれハッピーな結末を迎えるところ(注5)、同作では、ウィリーとアルはすぐに死んでしまい、ジョーも刑務所入りとなってしまいます(注6)。
さらに言えば、同作の3人の俳優は皆白人のようながら(注7)、本作では黒人のモーガン・フリーマンが加わっています。
そんなことはともかく、本作の3人の老人を演じる俳優は、実際に皆、80歳を超えているにもかかわらず、実に元気なので驚きます(注8)。
日本人の俳優で当てはめるとしたら、例えば、仲代達矢(84歳)、加山雄三(80歳)、里見浩太朗(80歳)、といったところでしょうか?
でも、この3人が銀行強盗をする姿などは、映画の中にしても、余り想像できない感じがしてしまいます。
とはいえ、日本でも、老人パワーを見せつける映画が作られていないわけではありません。
例えば、最近では、北野武監督の『龍三と七人の子分たち』(2015年)は、「藤竜也扮する龍三以下70歳超えの元ヤクザ8人が集って再度一家を結成し、悪事を働く現役ヤクザに目に物見せる」といった内容の作品。
本作と比べて10歳ほど若い者が8人も集まるのですから(注9)、本作の銀行強盗など霞んでしまうような派手な事を仕出かします。
まあ、こうした映画が色々制作されて(注10)、見る方が元気づけられるのも悪くはないように思われます。
(3)渡まち子氏は、「主演全員がアカデミー賞受賞の名優なのだから、細かいツッコミどころは、ゆったりとかわして、余裕のお芝居で笑わせてくれる。もっとも内容は、弱者に冷たい高齢化社会を照射したもので、笑いごとではないのだが」として60点を付けています。
渡辺祥子氏は、「コーヒーにアップルパイを添える程度の余裕があればそれで十分、という姿勢の下、揃ってアカデミー賞受賞の老名優が見せる芝居は軽妙洒脱。3人が年下の監督の掌の上で踊っているように見えるのも愉しく、悪くない」として、★3つ(「見応えあり」)を付けています。
稲垣都々世氏は、「茶目っ気たっぷりなオスカー俳優3人の素敵なアンサンブルが、温もりに満ちたユーモアを醸し出している」と述べています。
毎日新聞の細谷美香氏は、「何気ない会話からエンディングまで、粋な魅力にあふれたクライムコメディー」と述べています。
(注1)監督はザック・ブラフ。
脚本は『ヴィンセントが教えてくれたこと』のセオドア・メルフィ。
出演者の内、最近では、モーガン・フリーマンは『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』、マイケル・ケインは『グランドフィナーレ』、アラン・アーキンは『サンシャイン・クリーニング』で、それぞれ見ました。
(注2)Williamsburgh Savings Bank(この記事)。
(注3)Synopsisのさらなる概要は以下のようです。
ジョーとアルとウィリーが、NYのブルックリンにある狭いアパートに一緒に暮らしています。
3人共年金生活者。怠惰な生活を打破しようと、ジョーが銀行強盗を思いつきます。
アルは、開店資金の捻出に困っている甥のピートから銃を3庁盗み出します。
銀行強盗は上手くいって、3人の手元には36,000ドルもの大金が。
ですが、ウィリーは、成功のお祝いに一緒に公園に行った日に、心臓発作で死にます。
ジョーとアルは、25,000ドルをピ―トとその家族に分け与え残る10,000ドルは生活費にしよう、と決めます。ただ、自分たちに残された日数が少ないことに気付いた2人は、残りはすべて使ってしまおうとラスベガスに向かいます。
ところが、ビギナーズラックで、逆に71,000ドルに増えてしまいます。2人を取り巻く雰囲気が悪くなってきたので、2人は早々にベガスを引き上げNYのアパートに戻ります。
それまで一睡もしていなかったので、2人は深い眠りに落ちます。目が覚めたジョーは、アルが睡眠中に死んでしまったのに気が付きます。
警察の捜査が自分たちに近づいてきたのを懸念したジョーは、これまでの経緯、そして金額が全部で107,000ドルに上ることをピートに打ち明けます。さらに、すべての金は銀行の貸金庫にあると言い、ピートに、これらのことを誰にも言わないように求めます。
ジョーは自分のアパートに戻りますが、翌朝警官に逮捕されます。
ジョーは、銀行強盗のことは白状しますが、金の在り処については口をつぐんだまま。
数週間後、ピートがジョーの説得に州刑務所にやって来ます。ジョーはピートに、残りの生涯を刑務所で過ごしても大したことはないから心配するな、遺産で楽しんでくれ、と言います。
別れ際に、ジョーはピートに、「Besides, no tinhorn joint like this could ever hold me!」と言います(その意味は、「こんな牢屋などすぐに出てみせる!」でしょうか)。
(注4)3人がともに働いていた製鉄会社・セムティック社が他の会社に吸収合併されて、工場がベトナムに移転するだけでなく、年金基金は凍結され、年金の支払いがストップされることになります。
加えて、ウィリーについては、腎臓病のため人工透析を受けているものの、医者から「透析の効果が薄い」「腎臓移植しかない」「ドナーを探すべき」「状況は一刻を争う」と言われています。
また、ジョーは、離婚した娘と孫娘と同居しているところ、その家にかかる住宅ローンの支払額が大きく膨らんだために、返済できなくなり、差し押さえ寸前という状況です。
ちなみに、ジョーの家は、ウィリーとアルが共同で住む家の真向かいにあるようです(3人は独身)。
(注5)特に、アルは、熟女のアニー(アン=マーグレット)から猛烈なアタックを受けて、遂に結婚までしてしまうのですから!
(注6)このWikipediaの記事によれば、本作の脚本を書いたセオドア・メルフィは、「エンディングを原作よりも明るいものにすることを条件にその依頼を引き受けた」とのこと。具体的には、メルフィが、「この現代において、私は自分の心血を注いで書き上げた主人公たちが、最後に死ぬか投獄されてしまう映画なんて見たくないのです。私は彼らが成功する姿を見たいのです。今や誰もが銀行を憎んでいるのですから、銀行強盗をした主人公が幸せになった方が完璧な出来になると思います。だからこそ、3人には立派に強盗をやり遂げさせる必要があるのです。夕日の下で成功を喜んでもらう必要があります」とプロデューサーに言ったところ、了承されたとのこと。
(注7)ジョージ・バーンズ、アート・カーニー、そしてリー・ストラスバーグ。
1979年には、それぞれ83歳、61歳、78歳と年齢はバラバラでした。
(注8)モーガン・フリーマンは1937年生まれ、マイケル・ケインは、1933年生まれ、そしてアラン・アーキンは1934年生まれ。
(注9)大体ですが、2015年当時、藤竜也73歳、近藤正臣73歳、中尾彬72歳、小野寺昭71歳、品川徹79歳、樋浦勉72歳、伊藤幸純73歳、吉澤健69歳。
(注10)例えば、『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』(2016年)、『グランドフィナーレ』(2016年)、『ミス・シェパードをお手本に』(2017年)。
★★★☆☆☆
象のロケット:ジーサンズ はじめての強盗