孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

パレスチナ自治政府  9月の国連総会でパレスチナ国家承認決議案の採択を求める動き

2011-07-27 21:35:12 | パレスチナ

(6月15日 イスラエル側の入植地拡張を阻止しようとするパレスチナ人活動家 By palestinalibre.org http://www.flickr.com/photos/palestinalibre/5864344573/in/photostream/ )

イスラエル:「一方的な行動は和平をもたらさない」】
北アフリカ・中東のアラブ民主化の動きの影に隠れ、あまり目立った動きがないパレスチナですが、パレスチナ自治政府はイスラエルとの和平交渉に進展が図れないと見切りをつける形で、9月の国連総会でパレスチナ国家を承認する決議案の採択を求める方向で動いています。
一方、イスラエルはこうしたパレスチナ自治政府の方針に、“一方的な行動”と反発を強めています。

両者の国連大使を安保理に招いての協議も平行線をたどっています。
****パレスチナとイスラエル、安保理で応酬 国家承認めぐり****
国連安全保障理事会は26日、和平交渉が暗礁に乗り上げているイスラエルとパレスチナ自治政府の国連大使を招き、中東和平問題について協議した。今年9月の国連総会で国家承認の決議案採択を目指すパレスチナに対し、イスラエルが反発。主張は平行線をたどった。

パレスチナのマンスール大使は「国連による国家承認は、和平への道のりを傷つけるものではない」と主張。イスラエルによるパレスチナ占領が始まった1967年の第3次中東戦争までの境界線を基本に国境線を定め、パレスチナが国家承認後に国連に加盟できれば「両国の共存はより不可避となる」と訴えた。
これに対し、イスラエルのプロソル大使は「(パレスチナの)一方的な行動は和平をもたらさない」と批判した。【7月27日 朝日】
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パレスチナ:「国際社会の総意」という既成事実を積み上げを狙う
国連総会での国家承認には3分の2以上の賛成票が必要ですが、パレスチナ自治政府側は強い自信を示しています。ただ、国連加盟には安保理の承認が必要で、これについてはアメリカが拒否権を発動すると見られています。

****パレスチナ:国連総会決議採択に自信 国家承認で高官****
パレスチナ自治政府のマンスール国連代表(大使に相当)は、9月の国連総会でパレスチナ国家を承認する決議案の採択を求める方針について、賛意を示す国は現在約120で「近く130を超える」のは確実だと述べ、採択に必要な3分の2(128)以上の賛成票獲得に強い自信を示した。共同通信のインタビューに答えた。

国連への正式加盟を申請した場合、加盟承認には事前に国連安全保障理事会の勧告が必要だが、常任理事国の米国が拒否権行使を強く示唆している。
この点について、マンスール氏は「他にも多くの選択肢がある」と強調、パレスチナが「組織」として得ている国連オブザーバー資格を、「国家」に格上げする決議案を提出することも「選択肢の一つだ」と述べた。オブザーバー資格枠の変更には、安保理の勧告は必要ないとされる。

国連総会決議は、安保理の決定が関与しない限り法的拘束力がない「政治メッセージ」となるが、パレスチナは「国際社会の総意」という既成事実を積み上げ、悲願の国家樹立につなげたい考え。【7月9日 毎日】
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アラブ連盟は14日、カタールの首都ドーハで中東和平問題に関する会合を開き、パレスチナ自治政府が目指している9月の国連総会での国連加盟承認に向けて国連安全保障理事会などへの働きかけを強めていくことを決めています。

見通しがたたない和平交渉再開
こうしたパレスチナ自治政府側の“一方的な行動”を望まないアメリカが、自治政府をイスラレルとの和平交渉に引き戻すためには、これまで以上にイスラエルに圧力を行使する必要がありますが、アメリカは来年11月のアメリカ大統領選が近付くにつれ、よりイスラエル寄りになるとの観測もあります。

現実問題としては、イスラエルの強硬姿勢は変化なく、和平交渉への糸口は見つかっていません。

****イスラエルが入植住宅入札へ、和平交渉遠のく*****
イスラエル政府は18日、占領地ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地2か所で、入植者用住宅計336戸の建設に向け入札を行うと発表した。
住宅・建設省報道官によると、1年以内に着工し、3年以内に完成する見通しだという。

昨秋から中断している和平交渉の再開条件として、パレスチナ側は入植凍結を求めており、入札決定に反発するのは必至。イスラエルが入植を続ける方針を鮮明にしたことで、欧米が求める交渉再開は一層、見通せなくなった。【7月18日 読売】
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