F1 シンガポールGP 決勝

　　　　　　　　テール・トゥ・ノーズ　

　もしかしたらベッテルのチャンピオンが決定するかもしれないこのレース。
ですが、バトンが２位以上、アロンソが３位以上に入れば、このレースでのチャンピオン決定を阻止することができます。


　スタートで順位の入れ替わりがありました。オープニングラップの上位陣は、

１　ベッテル　←２　バトン　←３　アロンソ　←４　ウェバー　←５　マッサ　←６　ロズベルグ

ハミルトンは予選４番手から８位に後退。可夢偉選手はポジションを１つあげて１６番手です。
予選２番手だったウェバーは、やはりスタートで順位を落としてしまっています。
バトンが２番手、アロンソが３番手に上がっているので、トップ３がこのままの順位でフィニッシュすると、このレースでのベッテルのチャンピオン決定はなくなります。

このレースの１つのポイントはタイヤ。
上位陣はスーパーソフトでスタートしましたが、可夢偉選手はソフトでスタートしています。
これは、タイヤをもたせてピットインの回数を少なくする作戦のようです。
どうも、スーパーソフトの保ちがいまひとつのようなので、上位陣は予想よりも早期に１回目のピットインに入っています。
可夢偉選手の作戦が功を奏しそうな状況ですが…

１２／６１　ハミルトンとマッサが接触し、ハミルトンのウィングでマッサのタイヤがパンク。
　　　　　　このところ、またチャンピオンになる前のアグレッシブすぎる走りが目につくハミルトン。
　　　　　　チームメイトのバトンの方がポイントを稼いでいるので、焦りがあるのでしょうか。

１４／６１　可夢偉選手がシューマッハーをかわして、９番手に上がります。

１５／６１　ベッテル、バトンが同時にピットイン。
　　　　　　ベッテルはソフトタイヤに交換。
　　　　　　可夢偉もピットイン。ソフト→ソフトとつなぎます。
　　　　　　ソフトでできる限りピットイン回数を減らし、最後にスーパーソフトで勝負をかけるようです。

３０／６１　シューマッハーが大クラッシュ
　　　　　　セーフティーカーが入ります。各車、いっせいにピットイン。

ベッテルが２０秒ほど築いていた２位との差が、SCで５秒ほどになってしまいましたが、タイヤを交換できたというメリットもあるので、それを生かしてとばします。
可夢偉選手は、ブルーフラッグを無視したというので、ドライブスルーペナルティー。
戦略が上手くいきそうだっただけに、これは痛いです

４９／６１　上位陣が最後のピットイン。

５７／６１　バトンがファステスト連発でとばしています。何がなんでも２位以上に入って、ベッテルのチャンピオン決定を阻止しようという気迫が伝わってきます



　リザルト

　１　べッテル（レッドブル）
　２　バトン（マクラーレン）
　３　ウェバー（レッドブル）
　４　アロンソ（フェラーリ）
　５　ハミルトン（マクラーレン）
　６　ディ・レスタ（フォース・インディア）
　７　ロズベルグ（メルセデスGP）
　８　スーティル（フォース・インディア）
　９　マッサ（フェラーリ）
１０　ペレス（ザウバー）
１１　マルドナド（ウィリアムズ）
１２　ブエミ（トロ・ロッソ）
１３　バリチェロ（ウィリアムズ）
１４　小林可夢偉（ザウバー）
１５　ブルーノ・セナ（ロータス・ルノーGP）
１６　コバライネン（チーム・ロータス）
１７　ペトロフ（ロータス・ルノーGP）
１８　ダンブロシオ（ヴァージン・レーシング）
１９　リチャルド（HRT）
２０　リウッツィ（HRT）
２１　アルグエルスアリ（トロ・ロッソ）

リタイア…トゥルーリ（チーム・ロータス）、シューマッハ（メルセデスGP）、グロック（ヴァージン・レーシング）

ファステストラップ：1分48秒454 /バトン（マクラーレン）


バトンが２位に入ったので、チャンピオン決定は鈴鹿に持ち越されました。
日本のファンにとっては、嬉しいかもしれませんね。
F1関係者の中にも、風評被害のようなものがあって、「日本GPに行っても大丈夫だろうか」と心配している人もいるようです。
でも、ベッテルは、「日本に行くのは当然」「鈴鹿でチャンピオンになりたい」と言ってくれているようです。
今年は、彼の鉄板勝利が多く、「またベッテルかよ～」と思われている人も多いかもしれませんが、わたしは彼のこういう人柄の部分がわりと好きなので、やっぱり応援してしまいます

可夢偉選手も、鈴鹿では必ず「魅せてくれる」と思うので、日本GPが楽しみです