済みませんでした。前報、墨田区の、スミ部分が隅と、誤変換をされておりました。
副題1、『観客がこれ程、喜んでいた演奏会も、今まで、見たことが無い』
今、【すみだトリフォニーホール】から、他にどこにもよらずに、鎌倉の自宅へ帰って来て、23時30分です。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲、三曲と言うボリュームたっぷりな、演奏もさることながら、終演後、拍手が、20分は続いたのです。電気がついた時に時計を見ると、9時25分でした。音楽会って、普通は7時に始まるので、休憩をはさんでも、9時過ぎになる事は少ないので、ある意味で、驚きました。
これは、すみだトリフォニーホールのお客さんが、新日本フィルとか、ピリスについて、事前に、大きな知識と・・・愛情・・・を持っていたということを示します。
その拍手がやまない20分間の、間に、アンコール曲が演奏されました。それは、三人の連弾による、六手のピアノ曲と言うもので、ラフマニノフ作曲の、【ロマンス】と言うものだったそうです。どうして、三人で、連弾をしたかと言うと、
3つのベートーヴェンのピアノ協奏曲は、一つをピリスが演奏し、あとの二つは、ピリスが推薦する若手ピアニストが、ソリストとして、演奏しました。だから、そのソリストたちが、三人で連弾をしたのです。
その連弾の際に、新日本フィルのメンバーも、非常に静かにしていましたが、そっと、椅子を持参して、後ろで、指揮者、デュメイ(オーギュスタン)が、楽団員と一緒に、静かに聞いていました。
新日本フィルのメンバーも、本日の演奏には、大きく熱が入っていたので、疲れたのではないかなあ? 明日は、一日休んで、明後日に、別の若手とピリスと一緒に、ベートーヴェンのピアノソナタ全曲演奏会の、続きがあります。
~~~~~~~~~~~~~
副題2、『マリア・ジョアン・ピリスの哲学』
マリア・ジョアン・ピリスと言う女性ピアニストは、教師として、とても有名な人らしいのです。ベルギーのエリザベート音楽院で、教授をしているそうですが、テクニック上で、優れた教え方をするというよりも、音楽に向かう哲学の面で、立派な考えを持っている人です。
彼女の提唱する考察を、パルティトゥーラ・プロジェクトと言うのです。それは、本日のプログラムの中で、短くも説明をされていたのですが、そのプログラムを無くしたので、覚えている限りで、説明をさせていただくと、
音楽には、GRACEと言うことが大切で、それは、神との融合と言う様なものである。それを、招き入れ、自分のものとするためには、コンクールなど、は、一種の邪道であり、それに応募することは、GRACEを失う可能性がある・・・・という様な事です。
ここまで、はっきりと『本当に、いいものは何か』について、結論を、いいうることは、芸術家にとっては、とても難しい事です。芸術家って、生きていくためには、音楽畑でも、美術畑でもファンと言うものが無いと、生きて行かれません。ファンと言うものからお金をいただかないと生きて行かれません。
そして、ファンと言うものは、実は、移り気で、結構スノビズムに満ちていて、独自の耳とか、目を持っていないケースが多いのです。だから、有名なコンクールで、一等賞を取ることが、大切だと、なりますね。だけど、それは、どの分野でも、一代目には、当てはまって、強くて、がむしゃらで、 派手な人が出るのですが、二代目とか、三代目になると、家族が既に、構築した名声で、生きていくことができるのです。で、コンクールを目指さないでも生きていかれることと成ります。グレン・グールドなど、そうですよね。彼は、カナダで生まれましたが、北欧の有名な作曲家・音楽家の、親戚であるはずです。今、はっきりとは覚えていないが、グリーグだったかな?
ピリス自身の言葉によれば、『邪道である』と言うところまでは言っていないのですよ。そこまで断言したら、それもまた、カリスマ性を持つので、今度はピリス教と言うものめいたものが生まれてしまうので、よくないですね。だけど、音楽畑の人間ではないものの、結構いい耳を持っているみたいな、私は、コンクールで、大賞を取ったとかいう人間の演奏を好きではないケースが多いのです。ただし、NHK(昔は、毎日新聞と共催だった)の音楽コンクール等は、毎年あるものだし、5人ぐらいは選ばれるものだから、挑戦するのも仕方ないかなあとは、思うのですが、声楽など、どうして、この人が一番なのだろうか? と、思うケースも多いのです。
しかし、ファンを獲得して、有名になり、音楽会のチケットが売れることは大切なのです。それで、画家も同じですが、マスメディアに載って、大衆の前に、自分を打ち出して、自分の情報を、たくさん露出して行く方が得なのですよね。しかし、メディアに乗ってしまうと、ある種のアクが出ることも確かなのです。だから、本当に美しい演奏が、できなくなるケースも、まま、あるのです。
~~~~~~~~~~~~~
副題3、『ホールを運営する姿勢について。箱もの行政では、もう、ない、すみだトリフォニーホール』
今回、この切符を、6か月前に買ったと、記憶をしているのですが、その時にトリフォニーホールに電話をしたところ、トリフォニーホールが、私の質問に答えて、こういう風に言ったのです。
私の質問ですが、「ピリスは、サントリーホールではやらないのですか?」と言う形です。するとトリフォニーホールは、「私達は、企画をする際に、サントリーホールとか、NHKホールには、出ない様な、人を選んでいます」と、言ったのです。
それを、本日の、主役、ピリスの哲学と照らし合わせると、本日のトリフォニーホールで、見た大盛況が、重要な意味を持ってくるのでした。つまり、メディアの情報に左右されない、真の音楽好きが、訪れていたホールであり、音楽会だったと、いう事。
たまたま、ピリスは、今回の来日で、【彩の国芸術ホール】でも、演奏をするし、【みなとみらいホール】でも演奏をします。
彩の国芸術ホールは、意外と小さいのですよね。それと、蜷川さんが、いろいろ噛んでいて、演劇の自主公演もするので、単なる貸しホールではないところがあるのでしょう。ただ、私にとっては遠いホールなので、行ったことが無いし、それ以上の情報を持っていないので、良くは、知りません。
でも、10年以上前に、野島稔が、その彩の国芸術ホールで、何かを演奏したのです。それが、素晴らしかったと、どこかの新聞で、音楽評論家が書いていて、「これだけの素晴らしい演奏を、このホールで行うのは、本当にもったいない」と書いていました。
で、それを見て、慌てて、私はアクセスとか、ホールの座席数を調べたのです。すると、彩の国芸術ホールは客席数が、500前後で、とても少ないのですね。だけど、それは、いいことなのです。これは、青葉区にあるふぃりあホールも同じぐらいの規模ですね。ふぃりあホールでの演奏会が、よく取りざたされているのも聞いています。
鎌倉でも、大船芸術館が、できる前は、鎌倉駅前の旧中央公民館(現座の名前、きらら)のホールで、いい催し物をやっていました。そこも500席ぐらいです。それこそ、20年以上前の事でしたが、野島稔が、来て演奏をしていました。で、満員ではなかったので、急きょ、プログラムを、良く知られた大衆的演奏曲目へお変えになったのです。私には、その方がずっと楽しめました。300人前後のお客が、野島稔の、美しい音をとても静かに、かつ親密な雰囲気の中で、楽しんだのです。野島稔さんは、三歳ごろから、鎌倉で、ピアノを勉強しているらしいので、鎌倉のお客を大切にしてくれた可能性があります。
野島稔さんって、1970年代は、N響アワーに、よく出ておられたのですが、今はマスコミに取り上げられることが少ない人です。特に普段はアメリカで、暮らしておられるみたいなので。それでもね。いつの間にか、選挙で、東京音大の学長に選任をされておられます。前任者が、脂ぎった人で、金銭的な、不祥事があったので、反動で、清潔極まりない野島さんが、選ばれたらしいです。
::::::::::これは、スピンオフですが、今、ネットの質問箱で、「日本の交響楽団で、レベルが高いのはどこでしょう?」と言うのを見つけました。すると、答えとして、「N響が一番技術的に高いでしょうが、いい演奏をするかと言うと、あながち、・・・・・・云々」と、言う答えを見つけて、笑っちゃいました。私も、1970年代までです。テレビで、N響アワーを熱心に見たのは。今は、見ません。なんか、つまらない。・・・・・直観ですが、『感動があたえられない』と思っています。優等生=芸術家ではない。
それから、【題名のない音楽会】は、ちゃか、ちゃかし過ぎていて好みません。一度、美空ひばりが、トスカの中のアリアを歌うという企画があって、新聞に宣伝が載っていたので、見ました。が、美空ひばりが、四度ぐらい キーを、下げて いると、感じました。それで、美空ひばりは、こういう勉強までして、それは、確かに、偉いけれど、キーを下げると、歌が全然違って聞こえるので、それ以来、制作者サイドの姿勢(つまり、有名人に媚びている)に疑問を持ってしまって、見るのをやめてしまったのです。
今では、早朝のBSプレミアムで、放映される【クラシック倶楽部】ばかりを、毎日の分を、録画で見ています。再放送が多いので、それには、文句があるが、室内楽で、いい演奏者を見つけるのは楽しみです。庄司さやかが、老練なピアニスト・メヘナム・プレスラーと、デュオを組んだのは、素晴らしかったです。
ピリスも、NHKクラシック倶楽部で、見つけた演奏家です。:::::::::::
あと、ホールの問題でいえば、みなとみらいホールが、すみだトリフォニーホールと客席数で、似通っております。そして、今では、名だたる観光地となった、みなとみらいの中にあるし、アクセスも便利だし、また、横浜市民というヒンターランドが、大きいので、いつも、満員です。
でも、すみだトリフォニーホールの方が、音楽ホールとしては主体性があるみたいに見えます。独自性を貫いていますね。それと、新日本フィルハーモニーが根城にしていることも大きいのでしょう。
昔、妹にこういわれたことがあります。「お姉さん、今は、川の手って、言って、山の手よりも、レベル高いのよ。昔の江東区のイメージはないのです」って。つまり、高額なマンションが多くて、そこに住んでいる人は、収入が高くて、レベルが高いのだそうです。『ふーむ』と、唸るしかないけれど、芸術って、基本は、お金がないと、修練もできないし、なるほどと、は、思います。で、墨田区とか江東区って、レベルが高いのだそうです。
そういう中の、特にスカイツリーへの、JR側の玄関口になっている錦糸町にあるということは、すみだトリフォニーホールにとっては追い風でしょう。
錦糸町の夜って、人がいっぱいいて、『あら、鎌倉より、全然町の規模が大きくなっていますね』と思ったことでした。
~~~~~~~~~~~~
副題4、『本日の演奏会、周辺情報』
パルティトゥーラ・プロジェクト
《ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全曲演奏会》27日
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第1番(ジュリアン・リベール)
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第2番(ナタナエル・グーアン)
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第3番(マリア・ジョアン・ピリス)
オーギュスタン・デュメイ[指揮]
新日本フィルハーモニー交響楽団[管弦楽]
主催・企画・招聘制作:(株)ヒラサ・オフィス
共催:すみだトリフォニーホール
第2回
日 付 2015年10月29日(木)
時 間 19:00開演(18:30開場)
会 場 すみだトリフォニーホール
曲 目 ベートーヴェン/ロマンス 第1番、第2番(オーギュスタン・デュメイ)
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第4番(マリア・ジョアン・ピリス)
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第5番(小林海都)
オーギュスタン・デュメイ[指揮・ヴァイオリン]
新日本フィルハーモニー交響楽団[管弦楽]
.主催・企画:すみだトリフォニーホール
招聘制作:(株)ヒラサ・オフィス
関連公演
日付 2015年11月7日(土)
時間 19:00開演
会場 すみだトリフォニーホール
マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)&アントニオ・メネセス(チェロ)
デュオ・リサイタル
11月7日には、チェリストの、メネシス(アントニオ)と、二重奏を行います。こちらは、同じ組み合わせで横浜みなとみらいホールでも行われるらしいです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます