AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

海を飛ぶ夢

2006年02月05日 | しねしねシネマ
昨日、ケーブルの映画チャンネルつけたらちょうど始まったスペイン映画『海を飛ぶ夢』を鑑賞。
普段はこんなシンキクサそうな映画は見る気にはならんのだが、メチャクチャ暇だったので腰を据えて見ることにした。

内容は海岸での事故により、若くして四肢麻痺の障害を負った中年男ラモン・サンペドロが、尊厳死(安楽死、自殺)の合法性を求め裁判で争うというもの。
その時彼の弁護人となった人妻との恋や、彼の生活を支える家族や友達のそれぞれの愛情や複雑な心境が実によく描かれていてなかなか味わい深いヒューマンドラマだった。

こういう“安楽死”のテーマは、手塚治虫の漫画『ブラックジャック』でもドクター・キリコが登場した時によく取り上げられるが、私自身もこのテーマに関しては中々難しい問題だと思う。死という観念はその人の立場によりけりだろう。
テーマは確かに重いのだが、それでもこの理屈っぽくて頑固者の主人公の人物像はかなりユーモラスなものがあった。
説得にきた同じ四肢麻痺の神父との1階と2階の間で繰り広げられる論争は実に見応えがあった。伝達係としてふりまわされてる神父の弟子は大変そうだったが。
「家族に愛情が足りない」と言い放った神父に対して、普段は自分の意見を言わなかった無口な儀姉が「あなたはうるさすぎる」といって食ってかかるシーンなども実に印象的だった。

後で調べたら、この映画は『アザーズ』でその名を轟かしたアレハンドロ・アメナーバル監督が本国スペインで、実在の人物ラモン・サンペドロの手記『LETTERS FROM HELL』をもとに映画化したものらしい。
あと主人公の19歳の時の回想シーンがあるのだが、それがハゲ頭の45歳時の主人公とクリソツだったので彼の子供か弟を使っているのか?と思ってたら、なんと同一人物であることが判明。
彼は実際35歳くらいで、特殊メイクであの45歳時の顔を作り出したんだとか。
役者は化けよるなぁ~

オススメ度:★★★★

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