なんと、人間椅子のOzzfest参加が決定した!
しかも5月12日、BLACK SABBATHが出演するのと同日だ。
まさか海外企画のフェス(?)の大ステージに、しかもサバスと同じ舞台に人間椅子が立つ日がこようとは・・・・
いや、考えれば、日本のバンドで人間椅子ほどこのフェスの舞台にふさわしいバンドもいないのではないか!
正直この度のOzzfest Japanのラインナップは、悲劇的にトンチンカンであると言わざるをえない。無論、V系目当ての女子や、ホルモンとか、マン・ウィズ・ナントカ目当ての若いキッズには、サバスが大トリを務めるメタルフェスのなんたるかを説明したところで鬱陶しがられるのがオチだろう。
そこへ、今回人間椅子の参加が決まったことは、このフェスにとって大いに救いとなったのではないだろうか?
思えば、人間椅子は実に幸薄きバンドであった。唯一無二の実力を誇っているバンドでありながら、日本のメタル専門雑誌B!誌をはじめ、各音楽雑誌に長年シカトされ続け、ラウドパークにも呼ばれたことがない。
従来のジャパメタバンドとは明らかに性質の違うスタイルで、ブラック・サバスをはじめ、レッド・ツェッペリン、キング・クリムゾンなど、70年代ブリティッシュハードロックの精神を受け継ぎながらも、それをあえて土着民的な日本語歌詞で表現してしまう前人未踏のこの奇想天外なオリジナルセンス!
まぁ当時の偏狭なメタル論者は、その外見、そしていか天出身というだけで“色モノ”のレッテルを貼り、理解しようとも思わなかったのだろう。この長年に渡るマスコミの罪は大きい。いや、彼らはハイトーンやグロウルを使わない人間椅子の独特のヴォーカリゼーションの奥ゆかしさが理解できなかったのかもしれない。
確かに、人間椅子の音楽性は知的で難解な要素が多い。保守的で型にハマったスタイルが好きな彼らには、センス・オブ・ユーモアというものを解す感性に欠けていたのだと。
しかし、人間椅子のライブ会場での客層を見ていると、他の古株のバンドと比べて老若男女、実にファン層が幅広いのだ。なので、ハードコアもアイドルもクラブミュージックも受け入れてしまう最近の若い子の寛容な耳にこそ、人間椅子の音楽は受け入れられるのではないかと。
そして、どう見ても異質の存在感を放つ人間椅子のヴィジュアルにもV系好きの女の子には、十二分に刺激的かもしれない。
そこで、デビュー当時からファンを務めるこのオッサンの私が、5月のOzzfestに参加される予定の、まだ人間椅子を知らないっていうヤングな紳士淑女のために(あと4月のARABAKI ROCK FEST参加の方にも)、軽くその人間椅子の歩み及び魅力を紹介しようかと。
まぁ当ブログで散々人間椅子のことは書いてきているので、重複する部分はご了承願いたい。
まず、人間椅子が青森県出身の同級生だった和嶋慎治(G,Vo)と鈴木研一(B,Vo)のふたりが長年支え続けてきたバンドであるということ。
そして、バンドブーム真っ盛りだった90年代初頭に「いかすバンド天国(いか天)」というバンド勝ち抜きバトル番組(関西ではやってなかった)に出演したのがキッカケで世に降臨したバンドであったということである。(他には、Blanky Jet City、BEGINなどもいか天出身)
テレビ初登場の貴重映像。ほとんど色モノ扱いされているフシもあるが、審査員の中にはその演奏力や、コンセプトの凄さを正当に評価している者もいて、いろんな意味でお茶の間に衝撃を与えていたと予想される。
人間椅子イカ天初登場シーン『陰獣』
1990年メルダックよりアルバム『人間失格』で正式デビューを果たす。この頃の笑っていいとものテレフォンショッキングでCharがゲストで出演していた時、タモリが「最近いいバンドとかいる?」という質問に、Charが「人間椅子はいいね」と発言して、タモリがリアクションに困っているところを、私はテレビで偶然目撃している。
翌年には2nd『桜の森の満開の下』が発売。その中から『夜叉ヶ池』というシングルCDが発売される。
この曲のPVを見た当時はほんと衝撃だった!
和の耽美性とメタルとが見事に掛け合わさった楽曲のクオリティの高さもさることながら、さらにこれほど妖艶で官能的なアート性溢れる映像を制作しちまうとは!まぁバブル期だったこともあったのだろうが、このPVの作り込みようを見るにつけ、いかに周りのスタッフが人間椅子に惚れ込み本気だったってことが窺い知れるというものである(今の徳間の扱いとはえらい違いだ)。
もうこの時点で人間椅子は、日本ハードロックバンドとしては、前人未到のオリジナリティ溢れる世界観を確立していたといえる。
「夜叉ヶ池」 R-15指定。よい子はみちゃいけません!
(人間椅子初映像作品『遺言状放送』より)
バンドブームが過ぎ去り、初代ドラマー上館徳芳氏も脱退。レコード会社からもドロップアウトされてしまい、一旦インディーズに身を落としてからも、人間椅子は勢力的にライブをこなし、コンスタントに秀逸作を作り続ける。インディーズレーベルから発売された5th『踊る一寸法師』などは秀逸曲ぞろいで、ライブでもいまだここから演奏される曲は多い。
地道な活動を続けていた成果もあってか、各分野にも支持者が多く、人間椅子の熱烈なファンであった漫画家の沙村広明氏に、講談社『アフタヌーン』で連載されていた人気マンガ『無限の住人』のイメージアルバムの制作を依頼されたりもしている。
そして人間椅子には、ひそかに海外からの支持者も少なくない。
まず元OPETHのキーボーディスト、ペル・ヴィベリは熱烈な人間椅子ファンらしく、全作品所持しているそうだ。
あと、元CARCASS、ARCH ENEMYのマイケル・アモットがB!誌に投稿しているコラムのコーナーで、人間椅子の12thアルバム『三悪道中膝栗毛』を大絶賛していたとかいないとか。
この時点で、現在の3人のラインナップが固まる。
そして、デビューから23年経った今でも、驚異的なパワーとクオリティを保持し続けているのが人間椅子の凄いところだ。和嶋慎冶氏などは、そのギタープレイにますます磨きがかかっている。
2011年に発売された人間椅子初のライブアルバム『疾風怒濤~人間椅子ライブ!ライブ!』でも、その衰えを知らぬ強靭なプレイが確認できる。
「深淵」( DVD『疾風怒濤~人間椅子ライブ!ライブ!』より)
人間椅子に関しては、後藤マスヒロ(ex頭脳警察、GERALD)という凄腕ドラマーが在籍していた頃のプログレ中期など、語りたいことは山ほどあるが、イオンにタダ水汲みにもいかんとあかんので、今回はここで筆を置くことにする。あとは各自YOU TUBE視聴してみたり、アルバム買ったりして下さい。
まぁ、ツィッターでもけっこう話題騒然となっとるから、こんな誇大宣伝しなくてもいいのかもな。
今日の1曲:『黄金の夜明け』/ 人間椅子
しかも5月12日、BLACK SABBATHが出演するのと同日だ。
まさか海外企画のフェス(?)の大ステージに、しかもサバスと同じ舞台に人間椅子が立つ日がこようとは・・・・
いや、考えれば、日本のバンドで人間椅子ほどこのフェスの舞台にふさわしいバンドもいないのではないか!
正直この度のOzzfest Japanのラインナップは、悲劇的にトンチンカンであると言わざるをえない。無論、V系目当ての女子や、ホルモンとか、マン・ウィズ・ナントカ目当ての若いキッズには、サバスが大トリを務めるメタルフェスのなんたるかを説明したところで鬱陶しがられるのがオチだろう。
そこへ、今回人間椅子の参加が決まったことは、このフェスにとって大いに救いとなったのではないだろうか?
思えば、人間椅子は実に幸薄きバンドであった。唯一無二の実力を誇っているバンドでありながら、日本のメタル専門雑誌B!誌をはじめ、各音楽雑誌に長年シカトされ続け、ラウドパークにも呼ばれたことがない。
従来のジャパメタバンドとは明らかに性質の違うスタイルで、ブラック・サバスをはじめ、レッド・ツェッペリン、キング・クリムゾンなど、70年代ブリティッシュハードロックの精神を受け継ぎながらも、それをあえて土着民的な日本語歌詞で表現してしまう前人未踏のこの奇想天外なオリジナルセンス!
まぁ当時の偏狭なメタル論者は、その外見、そしていか天出身というだけで“色モノ”のレッテルを貼り、理解しようとも思わなかったのだろう。この長年に渡るマスコミの罪は大きい。いや、彼らはハイトーンやグロウルを使わない人間椅子の独特のヴォーカリゼーションの奥ゆかしさが理解できなかったのかもしれない。
確かに、人間椅子の音楽性は知的で難解な要素が多い。保守的で型にハマったスタイルが好きな彼らには、センス・オブ・ユーモアというものを解す感性に欠けていたのだと。
しかし、人間椅子のライブ会場での客層を見ていると、他の古株のバンドと比べて老若男女、実にファン層が幅広いのだ。なので、ハードコアもアイドルもクラブミュージックも受け入れてしまう最近の若い子の寛容な耳にこそ、人間椅子の音楽は受け入れられるのではないかと。
そして、どう見ても異質の存在感を放つ人間椅子のヴィジュアルにもV系好きの女の子には、十二分に刺激的かもしれない。
そこで、デビュー当時からファンを務めるこのオッサンの私が、5月のOzzfestに参加される予定の、まだ人間椅子を知らないっていうヤングな紳士淑女のために(あと4月のARABAKI ROCK FEST参加の方にも)、軽くその人間椅子の歩み及び魅力を紹介しようかと。
まぁ当ブログで散々人間椅子のことは書いてきているので、重複する部分はご了承願いたい。
まず、人間椅子が青森県出身の同級生だった和嶋慎治(G,Vo)と鈴木研一(B,Vo)のふたりが長年支え続けてきたバンドであるということ。
そして、バンドブーム真っ盛りだった90年代初頭に「いかすバンド天国(いか天)」というバンド勝ち抜きバトル番組(関西ではやってなかった)に出演したのがキッカケで世に降臨したバンドであったということである。(他には、Blanky Jet City、BEGINなどもいか天出身)
テレビ初登場の貴重映像。ほとんど色モノ扱いされているフシもあるが、審査員の中にはその演奏力や、コンセプトの凄さを正当に評価している者もいて、いろんな意味でお茶の間に衝撃を与えていたと予想される。
人間椅子イカ天初登場シーン『陰獣』
1990年メルダックよりアルバム『人間失格』で正式デビューを果たす。この頃の笑っていいとものテレフォンショッキングでCharがゲストで出演していた時、タモリが「最近いいバンドとかいる?」という質問に、Charが「人間椅子はいいね」と発言して、タモリがリアクションに困っているところを、私はテレビで偶然目撃している。
翌年には2nd『桜の森の満開の下』が発売。その中から『夜叉ヶ池』というシングルCDが発売される。
この曲のPVを見た当時はほんと衝撃だった!
和の耽美性とメタルとが見事に掛け合わさった楽曲のクオリティの高さもさることながら、さらにこれほど妖艶で官能的なアート性溢れる映像を制作しちまうとは!まぁバブル期だったこともあったのだろうが、このPVの作り込みようを見るにつけ、いかに周りのスタッフが人間椅子に惚れ込み本気だったってことが窺い知れるというものである(今の徳間の扱いとはえらい違いだ)。
もうこの時点で人間椅子は、日本ハードロックバンドとしては、前人未到のオリジナリティ溢れる世界観を確立していたといえる。
「夜叉ヶ池」 R-15指定。よい子はみちゃいけません!
(人間椅子初映像作品『遺言状放送』より)
バンドブームが過ぎ去り、初代ドラマー上館徳芳氏も脱退。レコード会社からもドロップアウトされてしまい、一旦インディーズに身を落としてからも、人間椅子は勢力的にライブをこなし、コンスタントに秀逸作を作り続ける。インディーズレーベルから発売された5th『踊る一寸法師』などは秀逸曲ぞろいで、ライブでもいまだここから演奏される曲は多い。
地道な活動を続けていた成果もあってか、各分野にも支持者が多く、人間椅子の熱烈なファンであった漫画家の沙村広明氏に、講談社『アフタヌーン』で連載されていた人気マンガ『無限の住人』のイメージアルバムの制作を依頼されたりもしている。
そして人間椅子には、ひそかに海外からの支持者も少なくない。
まず元OPETHのキーボーディスト、ペル・ヴィベリは熱烈な人間椅子ファンらしく、全作品所持しているそうだ。
あと、元CARCASS、ARCH ENEMYのマイケル・アモットがB!誌に投稿しているコラムのコーナーで、人間椅子の12thアルバム『三悪道中膝栗毛』を大絶賛していたとかいないとか。
この時点で、現在の3人のラインナップが固まる。
そして、デビューから23年経った今でも、驚異的なパワーとクオリティを保持し続けているのが人間椅子の凄いところだ。和嶋慎冶氏などは、そのギタープレイにますます磨きがかかっている。
2011年に発売された人間椅子初のライブアルバム『疾風怒濤~人間椅子ライブ!ライブ!』でも、その衰えを知らぬ強靭なプレイが確認できる。
「深淵」( DVD『疾風怒濤~人間椅子ライブ!ライブ!』より)
人間椅子に関しては、後藤マスヒロ(ex頭脳警察、GERALD)という凄腕ドラマーが在籍していた頃のプログレ中期など、語りたいことは山ほどあるが、イオンにタダ水汲みにもいかんとあかんので、今回はここで筆を置くことにする。あとは各自YOU TUBE視聴してみたり、アルバム買ったりして下さい。
まぁ、ツィッターでもけっこう話題騒然となっとるから、こんな誇大宣伝しなくてもいいのかもな。
今日の1曲:『黄金の夜明け』/ 人間椅子