おっさんひとり犬いっぴき

家族がふえてノンキな暮らし

種を超える

2019-02-26 11:27:15 | 日記

 この前、NHKで介助犬のことをやっていた。盲導犬や聴導犬、介護犬などいろいろな働く犬を紹介していたが、セラピー犬というのもいた。解説がとても興味深く、「なるほどなあ」と納得したのが、人間は犬や猫などのペットに愛情を注ぐと「オキシトシン」という脳内物質が出るという。これは人間に優しさや愛情を感じさせるもので、脳内に放出されると人間は幸福感を感じる。ここまでは、ある程度の予測がつく話だったのだが、ここからが実に不思議な話だったのだ。というのは、人間の脳内にオキシトシンが放出されると、それを感知した犬の脳にもオキシトシンが放出されるというのである。そして、そうした相互作用が、種を超えて起こるのは、人間と犬の場合だけだということだった。

 おそらく原始の昔から人間と生活をともにするうちに、犬は人間の脳と自分の脳を同調させることができるようになったに違いない。そんなバカなことがあるかと思う人もいるだろうが、生物は自分の意思の力で、自分の体を変化させて来た進化の歴史は、いたるところで見つけることができる。

 リュック・ベッソンが監督した映画「グラン・ブルー」は、素潜りで世界新記録を狙う人たちの物語だったが、モデルになったフリーダイバーのジャック・マイヨールは、訓練の中であり得ないような肉体を手に入れた。素潜りで100メートルも深く潜る競技では、いかに血中の酸素を消費しないかが勝負の決め手となる。そこで選手は、体を激しく動かすことなく海底へと向かうのだが、ジャック・マイヨールはその際、血流のほとんどを脳だけに限り、全身の血流を止めていることが科学者たちによって証明されている。そして、この能力を持つ哺乳類は、クジラとイルカだけだという。

 あまりに人間に近い場所で生活するペットたちは、時々自分を人間だと思っている節が感じられるが、案外、種の垣根なんてのは、軽々と飛び越えられるものなのかもしれない。

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