雨が降る前に

　草刈りから1ヶ月が経ち、再びあちこちで雑草が目につき始めた。今日は天気予報では午前10時から雨になっていたので、その前にやってしまおうと朝食後に草刈りをすることにした。

　まずは我が家が畑を借してもらっているお年寄りの畑の土手の草刈りだ。もともとは空き地になっているところを、そのままでは雑草がはびこるから使ってくれないかと頼まれ、ただで貸してもらっているのだが、そのお返しにあちこちの場所の草刈りを自主的に行なっている。お金を払おうとするので、そこはお互い様だからと受け取らないでいる。今やっておけばお盆の頃までは大丈夫だろう。

　次は近くに借りている車2台分の駐車場の草むしりだ。カフェをやっている時には3台分借りていたが、カフェをやめて2台分にした。都会と違って地方では、ひとり1台は車を使うので、子供が成人すると家族4人で車4台なんて家はザラにある。我が家も僕とタミちゃんの分でいっぱいなので、余分に2台分くらいは確保していたいのだ。

　駐車場の草むしりが済んだら、次は庭木の剪定だ。切っても切っても一週間でピョンピョンと枝が伸びてくるモッコウバラの枝を整理し、ひと夏でお化けみたいに成長するフリーシアの枝を落とす。山桜もあちこちから枝が長く伸びているので今のうちに切り落としておく。大きくなってからでは、素人の手に負えなくなってしまうのである。

　と、ここで雨がポツポツと落ちてきた。今時の天気予報は5分単位で正確なので、ほぼ時間ピッタリに雨が降り出した。慌てて地面に落ちた枝葉を片づけ終わると、強く降り始めた。ギリギリセーフ。なんとか予定のところまで仕事を終えることができた。

　昔の天気予報はあくまで予報だったが、近頃は一般の人が天気予報会社に自分のところの現在の天気を伝えるので、雨がどこまで降り進んでいるかがはっきりしているのである。簡単に言えば、「今マラソンランナーが目の前を通過したました」という連絡を大勢の人が本部に報告するので、ランナーがどこを走っているか、いつどこを通過するかがかなりの精度でわかるということなのである。

　ともかくも、朝から汗びっしょり仕事をしたので、あとはビールを飲んでひと眠りだ。雨の音を聞きながら、このところの暑さがひと段落し、トロトロと眠りに落ちていくのであった。