時々、YouTubeで古い日本のフォークソングを聞いている。
どんな分野でもそうだが、ジャンルとして定着するまでは試行錯誤が行われ、ある時にはとんでもないようなものまで飛び出す。そうこうしているうちに次第に洗練され、商業化されて行く。テクニックは向上し、洗練され、一流と呼ばれる人たちが出現し、人間国宝とまで呼ばれるようになる。能でも生け花でも陶芸でも、おそらく最初は生活の必要から生まれ、普段の生活に密着したものだったに違いない。
音楽もフォークソングにしろロックにしろ、最初は素人の音楽でしかなかった。それが商売になるとわかると、ジャンルが確立し、プロになるための道が敷かれる。昔は不良のやるものと言われたロックだって、今では音楽大学にロック科というものがちゃんと存在しているのである。
ただ、一流のものはハズレがないだけに面白味に欠けるところもある。素人がなんとか自分を表現しようとしてひねくり出すものの中に、微笑ましいものや笑ってしまうようなもの、なんとも言えないエネルギーを感じることができる。昔のフォークソングを聞いていると、まだマーケットが成熟していない世界で、なんとかしようともがいている姿が垣間見れて面白い。歌は自分を表現しようとするために、ほとんど日記と化して行く。
そういうものを聞くうちに、自分でも作りたくなったので、お正月に2曲作ってみた。ひとつは「テオの歌」、もうひとつは「折りたたみの自転車」。歌詞は「今度我が家にやって来た臆病な子犬 春まだ早い寒い日にもらわれた子犬」とか、「折りたたみ自転車を買って来た 店頭に並んだセール品」といった我が家の人間でなければわからない歌だ。それにコードを足して、毎日練習している。首にハーモニカをぶら下げて、前奏や間奏も練習している。
歌が上手ならYouTubeにアップもできるのだろうが、どこまでいってもちっともうまく歌えないので、いつか歌の上手な人が歌ってくれたらアップするかもしれない。
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