九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

新聞の片隅に載ったニュースから(119)      大西五郎

2013年10月16日 19時14分51秒 | Weblog
共産 9年ぶり法案単独提出 参院選の躍進で可能に (2013.10.16 朝日新聞)

 共産党は15日、労働者に過酷な働き方をさせ、使い捨てにする「ブラック企業」を根絶するため、ブラック企業規制法案を参院に提出した。同党が単独で法案を出すのは9年ぶり。
 参院では、10人以上の賛成で予算を伴わない法案が発議できる。共産党は7月の参院選で11議員に躍進し、発議できるようになった。
 法案は、規制強化と情報公開が柱。残業時間を年360時間を上限とするよう労働基準法に明記する。サービス残業(ただ働き残業)が発覚した場合、企業が労働者に支払う残業代を2倍にする。企業の新規採用者数と退職者数の公表を制度化し、学生や求職者が判断できるようにする。
 志位和夫委員長は15日の議員団総会で「安倍政権の暴走と対決すると同時に、国民の立場から建設的な対案を示す。この法案がその第一歩だ」と話した。

□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□□

 いろんな意味で時代が変わってきているのかなと思わせる記事ですね。
 №111で「ブラック企業」電話相談に1000件 「残業代不払い」過半数という朝日新聞の記事を紹介しましたが、企業が当然のように「奴隷部屋」のような働かせ方をすることが横行していることが明らかになっています。多くの場合、非正規労働者が雇用の安定を脅かされて過酷な労働や残業代なしの仕事に従事させられていることがわかっています。
 昨日(10月15日)は臨時国会が召集され、安倍首相の所信表明演説が行われ、きょう(16日)の各紙朝刊が所信表明の全文を紹介するとともに、演説の内容を評価していました。
 その中で中日新聞は安倍首相の成長戦略の実現について、「厳しいデータ示さず 目立つ現実との食い違い」という厳しい評価をしていました。「首相は経済政策に関し『昨年末、〇・八三倍だった有効求人倍率は、八カ月で〇・九五倍になった』と雇用状況が改善していると強調。『若者、女性をはじめ、頑張る人たちの雇用を拡大し、収入を増やす』と明言した。だが、総務省の労働力調査によると、政権が発足した昨年12月以降、非正規雇用の労働者は増加している。昨年十二月は約千八百四十三万人だったが、今年八月には約六十三万人増の約千九百六万人、過去最多の水準になった。逆に、正規雇用の労働者は微減しており、安倍政権の政策が雇用の安定につながっているとは言えない」と指摘しています。
 雇用形態で非正規労働者ばかりが増えていることは前から指摘されていました。しかしこれまで政冶の問題になってこなかったばかりか、安倍政権の競争力強化方針で「解雇特区」というものまでが作られようとしました。これはあらかじめ解雇の条件を契約の中に盛り込み、企業が労働者を解雇しやすくする「規制緩和」を設けようとするものです。これまでですと、共産党が何かを提案しても他の党がこれに賛同するケースは殆どなかったと思いますが、ブラック企業を規制するのは党派を超えた問題です。各党の協力で成立させたいですね。

                                      大西 五郎
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ザックジャパン(119) 遠征2戦の謎?  文科系

2013年10月16日 13時01分08秒 | スポーツ
 この遠征2戦で、僕としてどうしても解せないことがあった。
・高位コンパクト布陣でないから、常に攻撃が薄かった。
・なのに、クロスも少ないし、飛び出しへのスルーも少なく、中央突破に拘っているように見えた。
・少人数で中央突破に拘っていれば、当然カウンターも浴びる理屈だ。

 さて、そんなところへ、ベラルーシ戦後に本田がこんなことを語っていた。ちょっと不思議な言葉なのだが、チームが以下のように本田が語る意思一致をしていたとすれば、上に書いた僕の疑問は解ける。スポーツナビから取った。

『 (無得点に終わった原因について)選手たちで話して、今までやってきたことが出せていない部分もあるんですが、ワールドカップ(W杯)用にさらに大きなものを披露しようとして、今はそれを組み立てている段階であるんで。その新たなトライをしていることで、前と同じようにすれば得点もできたかもしれないけど、新しくやろうとしていることがうまくいかず、新しいことをトライしようとして、以前の良さが出ていない。そのへんのちぐはぐさは若干あると思う。選手も監督もそこは悲観していない。アジアカップで優勝した時のようなサッカーをW杯でやろうとは思わないし、一歩も二歩も先に行くためにシミュレーションしながら戦っている感じ。そこは非常にポジティブな感じだと思っている。』
 
「選手たちで話して」? 「今までやってきたことが出せていない部分も」? 「ワールドカップ(W杯)用にさらに大きなものを披露しようとして、今はそれを組み立てている段階」? 「前と同じようにすれば得点もできたかもしれないけど」? 「新しいことをトライしようとして、以前の良さが出ていない。そのへんのちぐはぐさは若干ある」?

 さて、本田のこの言葉を監督は了承しているのか? もしそうだとすれば、監督と選手とが一体となって、本番のために当面のゲームを犠牲にする点があっても良いとした確信犯になる。そして、「選手も監督もそこは悲観していない」と本田が言っている以上、監督も了承済みのことなのだろう。例えば、こういう全てに対してセルジオ越後が例によって「監督更迭」と叫んでいることになるのだが、何か愚かにも聞こえる。ことは、連敗確信犯を許すのか、「こんな状況で本番が上手くいく見通し無し」と断定して、セルジオの言うように監督解雇を要求するのかになろうから。
 
 さて、僕は本田らの構えを許す。実際の本番では結果的に騙されることもありうると覚悟してのことだ。そして、こういう立場を取るのであればもう、今回の連敗については何も言わない。ただし、本番の結果が悪ければ、本田を筆頭として皆にせいぜい言わせていただくことにする。

 それにしても、本田のこの言葉、監督は了承しているのだろうか。言葉の先頭にこんなのがあるから、怪しいとも思えるのだ。「選手たちで話して、今までやってきたことが出せていない部分もあるんですが」。ひょっとして、前数人で話し合っただけ? だとしたら、サッカーでは大変なことになる。ザックが、本田を造反の主人公として扱うべき局面? 
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    渡辺恒夫さん、今こそ「勇気をもつべき時ではありませんか」。   只今

2013年10月15日 17時09分32秒 | Weblog
“OXスーパーの魚から高い放射性物質が検出されたんですって”
      バス停でこう話していたAさんの家のピンポーンが、翌朝鳴った。
“警察です お話を伺いたいので ご同行願います”
            ー「秘密保全法に反対する愛知の会」通信より。(代表・中谷雄二弁護士)ー
 
      今日から秘密保全法の国会審議が始まったが、
      中曽根内閣の時にも同趣旨の法案が提出された。
      あのとき中曽根内閣は全閣僚で靖国参拝をし、自民党は国会で過半数を占めていたが、
                   廃案となった。
 
●何がそうさせたのだろう。
       (1)野党第1党の社会党はじめ、全野党が反対した。
       (2)労組は総評はじめ、全労組が反対した。
       (3)日弁連・日本ペンクラブはじめ民放連、雑誌協会、新聞協会が一致して反対した。
●それが今は…
       (1)野党第1党の民主党は、政権下で同法案を準備していた。
          公明党に期待するも、どこまで持ちこたえられるか。
       (2)最大組織の「連合」は、関心なし。
       (3)新聞協会は、「報道の自由を阻害しないように要望」と実質傍観。
         「社会部」は批判記事、「政治部」が目論むのは「税問題引き替え」?
              ★渡辺恒夫・読売新聞会長の弁説。
=戦争批判をすれば、停刊、廃刊、筆者の拘束という軍・警察の権力の統制下にあったとはいえ、日中戦争  の初期の段階から各新聞が声を合わせて、勇気をもって批判を展開していれば、あの戦争は防げたかもしれない。そういった大きな責任が新聞界にはある。=       ー『中央公論』2002年10月号よりー

●「売れればヨシ」それだけが大事の週刊誌がいま、関心を寄せるのは「藤原紀香事件」
       「秘密保全法案は怖い」とブログで呟いた藤原紀香のことを『東京スポーツ』は、
       「永田町関係者」の話として次のように報じた。
       =念のためではありますが、藤原さんの背後関係を調べさせてもらいましたがシロでした=
  このようなスポーツ紙、週刊誌しかあつかうことが出来ないある種の「脅し」のネタのやりとりは、
  これからは一層酷くなるのではないだろうか。

●あのときはまだ戦争体験者が
 政界にも、マスコミ界にもたくさんいたが、今はその数2割をきった。
 そのことを、おぼろながらも感じ取った人が、
 各分野に「語り部」として登場しはじめている。
 よぼよぼで、しどろもどろかもしれないが、 
 ほんの少し想像力をふくらませて、聞いてやってください。
    
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ザックジャパン(118) ドルトムント論とザック戦術  文科系

2013年10月15日 12時04分59秒 | スポーツ
 ザックが、代表に命じてもなかなか守られないことがある。「陣形を縦に縮めてコンパクトにすること」、そのために「DFラインを上げられるように、前もちゃんとプレスを掛けること」である。前のプレスが組織的でなくて敵に良いパスが通されては、DFラインを上げられない。さて、前からの高いプレスでも、低く構えたプレスをとっても現在プレス世界一と言えるチームがドルトムントだ。そのドルトムントについて改めて5つほどの物を読み直したのでまとめてみる。「欧州サッカー批評 別冊07」所収の、木崎伸也著「クロップのレシピ」。「サッカー欧州CL新戦術2014」の、木崎伸也著「ゲーゲンプレッシング」。「ナンバー835」にあった三人のドルトムント談。風間八宏、当時CL準決勝でドルトに敗れたばかりのレアルのエジル、ドイツ・サイドバック論をインタビューされた酒井高徳。もう一つ、西部謙司の長文を読んだが、これは長文の割に概論に過ぎて他で間に合った感じ。
 
 さて、これらをまとめてみると、こんなふうになろうか。
①ゲーゲンプレスも、CLなどで使う通常プレスも、一つの共通性がある。FWとDFとのライン間がほぼ同じなのだ。これは、風間氏が指摘すること。例えば低く構える時でもDFラインはおおむねペナルティーラインの2m前まで出ようとしているとか。そのためにDFがこんな練習をしている。DFライン4人が敵ボール位置に合わせて猛烈な勢いで左右に動きつつ、1人は敵ボールにアタックに出る、と。また、攻撃に出たセンターバックをMFがカバーする練習も非常に多いということだ。よって、このチームのMF全員がDFの練習も積んでいる。

②ドルトムントのプレスでは、常に次の三つの役割がある。敵ボールに直近の人はボールを奪いに行き、他の敵へのパスコースを切れる人は切る。コースを切れない相手には後ろからでも誰かがマークに付く。これらを各自が瞬時に判断してその都度全力で布陣を作るやり方が非常に速いのがこのチーム・プレスの特徴である。ゲーゲンプレスとは「反撃的ボール狩り」とも訳せて「身方が敵陣深くでボールを失った瞬間こそ、ボール奪取に最も好都合な時なのだ」(クロップの言葉)という考え方によるもの。「世界最強の敵でも彼等がボールを奪った瞬間は彼等の形は崩れているのだから」というクロップ自身の説明もあった。

③高位でプレスがいつも掛かるということは、ドルトの攻撃選手たちが常に敵を押し込んで、非常に前がかりになっているということである。これは、このチームの攻撃力の高さを証明していることになる。レパンドフスキにボールを当てて2列目が中央に詰めサイドバックが高く上がった時、たとえレパンドフスキが落としたボールを敵に取られても、前に詰めたそのままからゲーゲン・プレスに行くというやり方なのだ。
 なお、サイドバックがどれだけ活躍するか。例えば、酒井高徳は言う。「僕が入った年に観た右SBビシュチェクの攻撃力は、おそらくブンデス1位だ。迫力、スピード感が凄いし、ゴール、アシストとも、いつでも結果も出せる」

④このチームの攻撃のやり方を「バルサ流儀の汎用化」と語るのは、ここの合宿などを去年長く見学してきた木崎伸也。なお彼は、通常非公開のシーズン中練習をも、遠くから垣間見る工夫・努力を成功させている。
 ドルトのパスを繋ぐ攻撃は、バルサ以上に縦に速いのが特徴と言える。攻撃の特徴、練習は、敵の間に顔を出し身方パスを引き出すこと、そのためのパス&ムーブの徹底、そしてワンタッチパスの多さなどがある。合宿などでは、ハーフコートの5対5ゲームをワンタッチ限定でやり尽くすということだった。

⑤このチームの中心選手ということでは、人によって見方が別れる。風間はレパンドフスキとフンメルツを上げたが、エジルはゲッツェ、ギュンドガン、ロイス、レパンドフスキを上げる。オシムは、レパンドフスキとブワシュティコフスキを上げていた。レパンドフスキを除いては共通して挙がる名前がないのがこのチーム最大の特徴と言える。また、このレパンドフスキでさえがほとんどドルトムントが創ってバリオスを抜くまでに育てた選手であって、短期間での世界的選手育成方法が非常に優れていると言える。
 ただ、このチームの名選手が他に行って成功した例はあまりないようだ。それだけ、特殊なチームプレーのチームということだろう。何よりも、他から来た選手ではまずこれだけダッシュをくり返すのが無理である。この点については、ドイツ代表で最も速いといわれるロイスがこう述べている。
「僕はメンヘングランドバッハから来たが、しばらくは心臓の限界まで追い込むここの練習についてはいけなかった」
 逆に、このチームから他へ行く場合、相手は強豪ばかり。バリオスは広州恒大、サヒンはレアル、香川はマンU,ゲッツェはバイエルン。それぞれのチームカラーは固まっていてなかなか換えられず、ドルトの勢いで走っても身方がパスを合わてくれないだろう。

 さて、以上の内容はザックが代表に要求していることとほぼ同じだ。プレスのやり方も、縦に速いパスサッカーも、サイド攻撃と中央突破を組み合わせる攻撃法も。特に、前後間を詰めるコンパクト布陣は、ザックがいつも口を酸っぱくして言っているようだが、ゲームではなかなか出来ないもの。「思い切って上げるのだ。そこに活路がある!」という感じで叫んでいる。「上げて、痛い目にあって失点しても良し、許す」と、本番まで修正、熟成していけばよいという考えなのかもしれない。是非精密に上げていって欲しいものだが、この観点で僕は今の代表を見ている。今後もそのつもりだ。香川、岡崎、長谷部、清武、乾らはみんなドイツでも有数の走り手と言われてきたのだから。本田、内田、長友の走力も有名だし。今夜のベラルーシ戦も含めて、全員で心を合わせて走り尽くし、プレスし尽くすゲームを見せて欲しい。防御のためのプレスではなく、敵を押し込める攻撃・点取りのためのプレスだと肝に銘じて。
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新聞の片隅に載ったニュースから(118)    大西五郎

2013年10月14日 13時08分10秒 | Weblog
日系人への迫害ブラジルが謝罪 独裁政権下 (2013.10.13 毎日新聞)

 【リオデジャネイロ共同】ブラジル軍事政権下での人道犯罪を調べる政府の「真実委員会」は11日までに、第二次世界大戦中や戦後に当時の独裁政権が日本人移民や日系人を迫害したことを認め、謝罪した。有力紙グロボ(電子版)が伝えた。
 10日に行われた聴聞会で同委員会の調査担当者は、日系社会に対し「ブラジル国民を代表して謝罪する」と表明。「背景に人種差別があった」と指摘した。政府側が公の場で謝罪するのは初めてとみられる。
 国粋主義的な政策を取った軍事色の強い第1次バルガス独裁政権(1930~45年)は、日本語教育や家庭外での日本語使用を禁止し、移民に対する不当逮捕や拷問も横行。強制収容のほか資産没収も行われ、戦後長期間にわたり返還されなかった。

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 ブラジルはポルトガルからの移住者が原住民を支配してポルトガルの植民地としました。現在共和国ですが、一時帝政(ポルトガル皇帝の縁者)を敷いた時もありました。この皇帝が追放され共和制になってからの1930年に弁護士で大蔵大臣だったドルデネス・バルガス(Vargas)が軍事クーデターを起こして大統領に就任し、独裁政治を行いました。(1945年に一旦解任され、その後また1951年に復帰します。)
 バルガスは第二次世界大戦中連合国側につき、イタリア戦線に軍隊を送ったりしました。だから日独伊同盟を結んでいた(枢軸国)日本は敵国になったわけです(日本に対して宣戦布告はしませんでしたが)。そこで日本人移民や日系人を迫害するということが起きたのです。
 ブラジル政府は第二次世界大戦中の独裁政権が行ったことではあっても、日本人移民、日系人に対する迫害を誤りと認め政府として謝罪するということを明らかにしました。
 それなのに日本では、日本の侵略と住民に対する迫害、従軍慰安婦の問題を認めた村山談話、河野談話を否定する勢力があります。安倍首相は最近は口をつぐんでいますが、就任当時「村山談話をそのまま引き継ぐものではない」と云ったり、慰安婦問題では「国や軍が強制力を働かせて慰安婦の人たちを拉致・拘束したという証拠はない」などと国の責任を認めようとしません。
 また、侵略や虐殺のことが問題になると、一部の人たちは被害者の人数の問題が多すぎるなどと虐殺などの事実をあいまいにしようとします。
 この原稿(№108)は昨日のうちに書き上げたのですが、今朝の朝日新聞に、駐インドネシア公使だった高須幸雄という人(現国連事務次長)が1993年に慰安婦らの苦難を記録するインドネシア作家の著作が発行されようとしていたことに対し、「発行されれば日本とインドネシアとの関係に影響を及ぼす」という懸念をインドネシア側に伝えていた(発行停止を働きかけていた)という記事がありました。ブラジル政府の真摯な対応と違いを感じ、一部差し替えました。

                                      大西 五郎
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        「君が代」「日の丸」 は、泣いている。        只今

2013年10月13日 11時06分20秒 | Weblog
 ●サッカー選手と口パク
  セルビア戦完敗に、次のようなネット発言がみられた。
  「国歌斉唱時に、下を向いているような選手がいては、勝てないよ」
  これに「いいね」クリックが打たれているのをみて、背筋凍らせての一言。

 ●“歌いたくなかったら、起立だけして、口パクさせればいいんだよ”
   これは今年の3月、「君が代」斉唱時に起立しなかった教員が処分をされた時の「猪瀬都知事」の発言。
   私はこの発言を「了」とした。それは、かってこんな経験をしたからである。
   急用が出来た友人から大相撲の観覧券を貰い受けたのは、水戸泉優勝の千秋楽の日だった。
   君が代斉唱が始まった時、私は思わず立ち上がり居心地悪い数分を過ごした。
   椅子席ならそのまま下を向いていただろうが、私の席は溜席だった。
   そうしたことがあっての猪瀬都知事発言に対する同感であった。
   このように、半年前までは「起立するかどうか」が問題としてあった。
   しかし、半年も経ない間に、何が起ったか。

 ●“遠目でいいから、上や下を向いている者をチェックするように”
   「口パクかどうか、口元を監視するように」(大阪府教育委員会)  
   
       仕方なく歌われる「君が代」は、忍び泣きしているのではないだろうか。
       祭日の日に、自宅に日の丸掲揚する政府・教育委員会関係者は何人いるだろうか。
       国歌・国旗を不敬にしているのは誰でしょうか。
  

 
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いまのところ予測通り、嬉しい!  文科系

2013年10月12日 23時50分27秒 | スポーツ
 イングランドでは、アーセナルが首位だ。当たり前だろう。この貧乏チームが、かってない大金を使って、レアルからエジルを獲ったのだから。ひるがえってそのレアルが近年にない大苦戦中。既に以下に述べてきたように、このチームは何を考えているのかさっぱり分からない。中日ドラゴンズが落合解任という試行錯誤を犯したのと同じ理由で、人気や話題性だけを考えたポピュリズムのやり方をレアルが取っていると思うしかないのだろうが、プロスポーツチーム運営がますます難しくなっているということでもあるのだろう。
 それにしても、エジルは偉い!
 以下、過去エントリーを再掲する。

【 レアル凋落、アーセナル急上昇!  文科系 2013年09月04日
 アーセナルがレアルから、メスト・エジルを獲った。ギャラス・ベイルがレアルに行った、その弾き出しのように。エジル65億円、ベイル130億円。そんな大きな差があるとは、僕には到底思えない。アーセナル史上最高支出額を遙かに越えたと思われる移籍金65億円だが、エジルはベイル以上の価値をアーセナルに与えると思うし、レアルはモウリーニョが去ったことに加えてさらに落ていくだろうと僕として推察したものだ。エジルの役割はベイルにはできるわけないから、レアルらしい話題作りだけのように僕には思えたのである。世界史上最高給選手をどこのチームが獲るかという話題作り! 田舎者の考えそうなことであって、ハイソな「白い巨人」のイメージには、例によって全く似合わない。そりゃベイルは、中盤以降の選手としてはかなり得点するだろう。が、レアルの攻撃作りは誰がするのか。ルカ・モドリッチはとても良い選手と思うけれど、エジルの役割はできないだろう。
 これでチャンピオンズリーグのベスト4という目は、レアルから消えたと思う。代わりに、アーセナルがベスト4に名乗り出たに等しいとも。金のないこのアーセナルにして、近年初めて獲った超高給の24歳! しかも、サッカーは中盤らしい中盤でやるものだという、現世界最高監督ペップの言葉も付け加わる。この事を最も認めたのが誰あろう、エジルがいたレアルのクリスティアーノロナウドであった。何でエジルを出したのかと、烈火のごとく怒っている。ロナウドの得点にかってなくアシストを供給した人物がエジルだからだ。】

1 FCバルセロナ 24
2 アトレチコ・マドリッド 24
3 レアル・マドリッド 19
4 ビジャレアル 17
5 アスレティック・ビルバオ 13

      
1 アーセナル 16
2 リヴァプール 16
3 チェルシー 14
4 サウザンプトン 14
5 マンチェスター・シティ 13
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随筆  体型は履歴書    文科系

2013年10月11日 14時48分30秒 | 文芸作品
この人、なんて脚が細いんだ! お尻の下には皺ばかり、腿は筋肉なんてほとんど無いただの棒。ここへ何しに来たんだろう。あちらはまー、なんという見事なお腹! 走る事なんてちょっと出来ないんじゃないか。エアロビクス初級教室でさえまず無理で、三十分なんて到底続くまい。それにしても、まともな体型の方の、何と少ないことか! あの人は、フィットネスしないと命を縮めると医者に命じられてここへ来たんだろうか。そんな感じの人もけっこういるのだ。現代日本の高齢男性たちの人生そのものがまるで人々の体型に凝縮されているような。
 巨大な民営スポーツジムに来て、そこの風呂に入った時の驚きだった。そこのビジター券を期限までに使い切れないという娘に譲られてやってきたウィークデーの午後のことである。ランニングマシンで一時間ほど走ってから大きな風呂に入った時に、今通っている市営ジムと比較して、気づいたことだった。民営の方はお風呂が主目的の人も多く、対する市営の方は大なり小なりスポーツ自身をやりに来る人が多いかななどと、ごく自然に比較し始めたのだったが。
「何という情けない、現代日本の残骸、無惨。鬼哭啾々とは、このこと!」
 と難しい表現までを思い出しつつ呟いたとたん、ふっと我に返るようにこんな言葉、連想をつぶやいていた。
「身体も自立できなかった? 世界一の仕事人間やってきて、家事などでも自立できなかったのと同じで……」
 服装などを見れば、市営の人々よりも民営のお客の方が明らかにリッチに見える。市営に高齢者割引が付いた入場料には、十倍以上の差があることも思いだしていた。すると、リッチな退職者ほど身体も犠牲にしてきた? それとも、市営に通って来る人は、仕事から身体を守ってきた数少ない人々? いやいや労働者は歩くし、なかなかタクシーにも乗れぬ。力仕事も多いだろう。重役ポスト狙いと違って生涯サラリーマン覚悟なら、夜は幾分自由にもなったろうし。僕自身の片道九キロの自転車通勤を、これが「たまたま」今の身体を作るのにどれだけ役立ってきたかなどと、思い浮かんだ。この自転車通勤以前の七年間は、二人の子どもを保育園送迎。大変な薄給だったから許された特権だったと言えるが、お父さんとしてきちんと自立できたななどとも。その分、夜も休日も働いたのだけれど、とにかく労働者であり、時間を見つけては子どもと暴れるお父さんだった。こうして、こんな連想が生まれて行く。
 
 相撲取りや重量挙げ選手の体は一目でそれと分かる。体重、脂肪の有無は別にして、無酸素筋肉第一だ。マラソンや中距離選手は、有酸素筋中心。両方を極限まで鍛えることに文字通り命を賭けてきたのが、ボクサーの身体だろう。「人の顔は履歴書」に習えば、「人の体型は履歴書」。顔より体型の方が遙かにはっきりしているぞ! そして、
〈現役時代の履歴書がかならずしも華々しくない人ほど、退職後の体型履歴書は良い。つまり、老後生活への可能性を秘めている?〉 
 と、こう言ってしまったら、これは多分言い過ぎだろう。僕のクラシック・ギター友達、同門生などには、僕以外は両方とも備えている人がほとんどだと思い出した。
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 第二次世界大戦死者数に今を想う   文科系

2013年10月10日 12時04分29秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 コメントを書く勉強もあって、第二次世界大戦の死者数を調べてみた。大変なものである。総力戦というものがどれほどの悲劇か、よく分かったつもりだ。初めに言っておくが、ヒトッラーにしても東條にしても、これほどの一大悲劇を最初から予期していたなどとは到底思えないのである。以下【】は、僕のコメントの一部だ。
【 日本史学では(吉田裕氏の前掲書による)、アジア太平洋戦争死者は、こうなる。合計は約2,210万人。内訳は、以下。日本人310万人と、日本人以外が1,900万人。これは多分、厚生省、日本政府も認めるところだろう。秦郁彦氏の説だが、日本人だけで370万人という説もある。
・日本人軍人軍属が230万人。うち広義の餓死者が140万人、主として南洋に取り残された人々である。海没398,500~429,400人。特攻4,000人というのもあるが、これはよく知られた航空特攻の他に、モーターボートによる水上特攻、回天など水中特攻もある。
・日本人外地死者30万人、空襲死者50万人。ただしこれは、外地とされた沖縄と、空襲・原爆死者が少なすぎるようだ。例えば、川崎、那覇市に空襲があったのに、死者0人となっているとのこと。この項の数字は厚生省のものでもある。
・アメリカ軍92,000~10万人。ソ連軍22,694人、英国軍29,968人、オランダ軍27,600人。アジア各国では、政府発表で以下。以上の数字は読売新聞『検証 戦争責任』よりとのこと。中国人1,000万人以上、朝鮮人20万人、フィリピン人111万人、台湾人3万人、マレー・シンガポール人10万人、他にベトナム、インドネシアなど。このアジア数字は、小田部雄次他『キーワード 日本戦争犯罪』からの数字とのこと。】

さて、ヨーロッパではどうだったか。僕が読んだ本によれば、2700万人から3900万人というところだ。
 2700万人とあったのは、フランス人歴史家の書いた「ヒトラー前夜」(新日本新書)。そのうちドイツ占領地ユダヤ人人口の72%が殺されており、その数5,978,000人。ドイツ人自身は550万人。
 もう一方の本ではこうなっている。ポーランドで600万人。ユダヤ人400~600万人。ドイツ人700万人。当時のソ連で1200万人から2000万人。合計2900~3900万人である。(草思社、セバスチャン・ハフナー著「ヒトラーとは何か」)
 ただ、このヨーロッパの数字には、気づいてみたらイタリア、フランスなどの軍民が入っていない。ノルマンディー上陸作戦など米英軍の戦死者も多いはずだ。総数は一体どれほどになるのだろうか。

 さて他方で、コメントのやりとりから、こんなことも書いてきた。
【 (歴史重要人物らの)「計画」とか「狙い」など自身は、人々の心の中のもの。長い歴史の場合は個人ではなく関わった何人もの人の心が関わるもの。それが政府などの文書になるとちょっと「心」を離れて「形」になったと言えるのだろう。が、そういう文書自身も歴史的現実の流れとは違っていることなどまー普通にあることだ。
 誰かの心や、一つの文書だけで歴史的事件の説明や反論などできはしない。人類の歴史的事件説明をそんなふうに反論するというやり方は、実に楽なことだけれど、そんなのは「事実経過を展開する論理」の前には必ず破れていくはずだ。(以下略)】
【 憲法には軍隊、戦力を持たないと書いてある。これは、「国家大方針の文書」。が、今は世界3位の軍隊を持っている。これは「現実」である。自衛隊と言おうと何と言おう戦力として「事実」である。ただ後世の無知な人がこれを観たらこう言うかも知れない。「(陸海空軍などの戦力を保持しないという)文書が事実だろう」と。これは、馬鹿だね。
 ところで今はさて、内閣が九条を「替えようとしている」段階だ。つまり上の言葉で言えば、内閣(の主要人物たち)が「狙っている」。そして、憲法が出来たときや左翼が強かったときと違って、また既成「事実」が存在するから、今は狙いやすいよね。】

 人類の悲劇って、ヒトラーとか東條とかの最重要人物にとってさえ「気づいてみたらこうなっていた」というようなものなのだろう。彼らから観ても無数の人々との相互作用を成しながら一歩一歩の決断事実を積み重ねて来て気づいたら「ここまで来てしまった」というような。1941年11月5日の御前会議がどれだけ大切なものであったとしても、その会議やそこにおける裕仁の決断で全てが決まってしまったというようなものではあるまい。こういう大事な決断、事件が一つ一つ積み重なって、思いもしなかったような悲劇は起こってしまったのだ。だからこそ歴史は恐いと思う。
 過剰生産をもととした世界大恐慌。大変な失業者・半失業者の群れ。金融だけは不死鳥のように蘇るが庶民には出口が見えぬお先真っ暗な世界経済。「なんとかしてくれ!」との悲鳴は世界に満ちあふれている。アフリカ、南欧などは特に深刻だ。こんな暗い世の敵を作るのにどの国も熱心に見える。これらすべてが、多くの人々が言うようにヒトラー、東條前夜と同じような情勢だと思う。
 あの時同様お先真っ暗なのは、悪循環からの脱出路が難しすぎるからだ。世界金融資本に対して、こういうことが世界一斉に成されねばならない。株主資本主義に抗してより多くの人々にワークシェアをすること。空売りやラバレッジの規制などである。こんな道が難しいからこそ、人々はまたとんでもない救世主を求めるかも知れない。ヒトラーは、最終的に彼を世に出すことを承認した大統領ヒンデンブルグにさえ、「ボヘミヤ(地方)の一兵長」と軽蔑されてきたのだそうである。暴力による「政治」、政治を暴力に替えることに最も通じ、腐心してきた人物だと思う。毛沢東、スターリンらの暴力革命という言葉を連想させもする人物である。粗暴さが共通項だと言えよう。
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  一度も稼働することなく廃炉となった原発    只今

2013年10月09日 19時00分53秒 | Weblog
  ニューヨークから百マイル(160キロ)しか離れていないショーラムという地に、
  1973年から1984年にかけて建設されたロングアイランド電灯会社の原発があった。
  
  完成間際の1983年、稼働反対の市民の声に押されて郡議会は合意を躊躇し、
  ニューヨーク知事のマリオも、電灯会社の避難計画は受け入れられないと表明。 
  
  すったもんだの6年、電灯会社は廃炉を泣く泣く表明し、原発を1ドルで州に売り渡すことになった。

  以上のことは、1991年の『反原発新聞』(第165号)で知った。
  その見出しは、“1ドルで売却されたショーラム原発” “住民は、原発をどうとめたか”

 ●原発から800㍍の場所に、ヘリ墜落!
  1988年6月25日の朝、岩国基地を飛び立った米軍のCH大型ヘリコプターは、
  普天間に向う途中、伊方原発2号炉から直線で800メートルの雑木林に墜落、乗員全員7人死亡。

  このこと、殆どの人忘れてしまっている今、
  再稼働の一番手として囁かれているのが、「伊方原発」

  伊方原発は、国内最大の断層系・中央構造線と5キロしか離れていない。
  更には、その動き近しと言われている南海トラフを抱えている。
  
  
 
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新聞の片隅に載ったニュースから(117)     大西五郎

2013年10月07日 09時17分54秒 | Weblog
「ゲン」英訳者の講演中止東京の中学校長「近ごろの事情」(2013.10.5 毎日新聞夕刊)

 広島での被爆体験を描いた故・中沢啓治さんの漫画「はだしのゲン」の英訳出版に尽力した米国人翻訳家、アラン・グリースンさん(62)=東京都杉並区=による生徒への講演を4日に予定していた同区立井荻中学校(赤荻千恵子校長)が、前日に急きょ中止したことが分かった。講演は別の講師に差し替えて行われた。グリスーンさんは「『近ごろの事情』などと曖昧な説明を受けたが、圧力や自己検閲があったのか」と話している。
 講演は「いのちの教育」と題し、「いのちについての考えを深め、自他のいのちを尊重する心を養う」のが目的だった。
 グリスーンさんは1977年から、複数の中沢さんの漫画作品の翻訳と米英での出版に尽力。2009年には、金沢市の主婦らによるグループが米国でゲン10巻を完訳出版した際も監修した。原爆関連では、広島県立広島第一高等女学校の生存者による文集「平和への祈り」英語版の翻訳・編集も担当した。
 赤荻校長はグリースさんに電話やメールで、「はだしのゲンの英訳を通して伝えたかったこと▽心に残った言葉▽言葉選びで工夫した点――などを要望。グリスーンさんは全校生徒約350人に約40分話す予定だった。グリスーンさんによると、講演依頼は約2カ月前にあり、準備を進めていたが、3日夕方に赤荻校長から電話で「中止する」と告げられたという。
 グリスーンさんは「事務所近くの中学校の依頼だったので、光栄に思い引き受けた。松江市教委の閉架問題の影響なども聞いたが、校長は『社会の流れ』『近ごろの事情』『内部の決定』としか説明しない」と憤る。
 取材に対し、赤荻校長は「都教委や区教委には相談していない。自分の判断」とした上で、「『はだしのゲン』は読んだことがない。生徒も勉強していないので興味が持てないと考えた。『はだしのゲン』に特化しないでほしいと伝えたら、断られた」と話した。
 4日は元小学校校長による「ことばの教育」に差し替え、「いのちに関する詩」を取り上げた。
□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□□
 どう見ても赤荻校長の説明は納得できませんね。講演を依頼した時に電話やメールでグリスーンさんに言ったことと、講演中止を決めた理由についての記者に対する説明は全く繋がりません。都教委や区教委からの指導(介入)があったのかどうかは今の段階ではわかりませんが、校長の言う「近ごろの事情」としては、安倍内閣になってから教育に対する政冶の支配が強まっているということがあります。教育長の権限を強め、教育委員会を諮問機関化しようとする動きや、沖縄・武富町教育委員会が八重山採択地区協議会が選んだ保守色の強い育鵬社の中学校公民教科書の採択過程に異議があるとして東京書籍の教科書を生徒に配布したことに対し、文部科学省が育鵬社の教科書を使うよう地方自治法に基づく是正要求を出すことを決めたり、東京都教委が学校の式典で教職員が君が代をちゃんと歌っているかどうか口元をしっかり監視しろという指示を出したということがあります。
松江市教委がはだしのゲンを学校図書室に開架しないことを一旦決めたのは自己規制ですが、講演中止も自己規制したと見るべきでしょう。教育の場で自己規制が広がることは「いつか来た道」に戻ることです。教育の反動化に今声を上げなければ!というのが「近ごろの事情」です。
                                      大西 五郎
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ザックジャパン(117) ザック戦術とドルトムント  文科系

2013年10月07日 01時14分30秒 | スポーツ
 ここのサッカー記事でも、過去に書いたドルトムントの拙稿が今も人気を呼んでいるようだ。当然だと思う。戦術そのものだけならほとんど意味もないが、一つの画期的戦術を世界で無名の若い選手たちに徹底させた結果、モウリーニョ・レアルという世界有数のタレント軍団を破って世界2位になった。そういう事実を今年はっきりと示したチームなのだから。大した実績はない選手ばかりでも、時に現れるサッカー史をかえるような監督の能力で世界的チームを作ることが出来るという好例にもなったはずだ。
 ただし一言。4年前のこのチームのエース、ヌリ・シャヒンをモウリーニョ・レアルやリバプールが使えなかった。モイーズ・マンUも今のところ、香川真司を使えていない。ドルトムント的戦術を幾分なりとも取り入れないチームのままでは、ドルトのエースたちが宝の持ち腐れになるということだろう。そんなわけで僕は今、世界一位になったチーム、グァルディオラ・バイエルンが去年のドルトムントのエース、マリオ・ゲッツェを使い切れるかどうかを大注目しているところだ。

 さて、こういったドルトムントを巡る世界サッカー界の観測から、こんなことを思う。現在世界で金のあるチームの監督ならば、こう考えるのは当然だろうと。「ドルトムントの戦術はその戦いを見れば分かるが、そのために一体どういう練習をしているのだろうか?」。サヒンや香川、ゲッツェを取れば、これが研究できるはずである。金のある世界的チームなら、これを調べるためだけでも彼等を取った価値があるはずだ。日本でも木崎伸也という優れたライターがここに目を付けて、ドルトムントの練習方法を遠くから密かに観察して紹介しているほどである。

 さて、ザックの戦術をまとめてみると、ドルトムントに酷似していると分かる。そして、香川がこのドルトでエースを張ったことを考えれば、この戦術は日本人に合っているのだろう。選手たちはもっともっとザック戦術に忠実になった方が良いと言いたい。以下の通りに。
①まず、前からのコンパクト・プレス。それも、攻撃から守備への即座の転換を要求するそれ。これをもっと精密にするために、ザックは香川からドルトムントのゲーゲンプレスの練習方法を聞き取っていると僕は確信する。
②攻撃は、1,2タッチで叩き、集団で敵ゴールに殺到するやり方。そのためには第3,4の走り手が常に必要だ。その位置とか、攻撃パターンとかも、きっと香川から聞き取っているに違いない。
③ドルトムント選手のダッシュ回数はもの凄いが、日本代表選手も元々これができる選手しか集めていない。前田、岡崎、長谷部、遠藤が選ばれ続けてきた理由にも、これがあると僕は観てきた。香川、岡崎、長谷部、乾などドイツで大活躍している日本人は皆、ドイツでも有数の走り手と言われてきた。

 代表選手たちが、ザック戦術をもっともっと忠実にやることを期待したい。そうすれば、ゲーゲンプレスでさえ可能になる代表チームではないかと期待している。要は、もっとリスクを取った大胆な押し上げをして、その結果の全てに対処して行けということだ。前が必死にプレスに走らねば、後は絶対に押し上げることは出来ない。この悪循環で何も出来ないか、押し上げた良循環を得点にまで生かし切るか、いずれかの道しかないのだと思う。前者の結果、押し上げを止めたのが南ア大会ジャパンだが、あの轍を踏んだら日本の近未来に希望はないだろう。
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再々掲、僕の「アジア・太平洋戦争」論    文科系

2013年10月07日 00時59分43秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
 実に断片的な「戦犯」否定や、その背景としての太平洋戦争美化論がいつもここに出されてくる。いちいち応えるのが面倒だし、その応えも長くならざるをえないので、今回も以下を掲げ直すこととさせていただく。


【 「アジア・太平洋戦争」論争の一帰結  文科系  2012年09月01日
 以下は、去年春にここで長くなされた「アジア・太平洋戦争」論議の最後のエントリーだ。まー結論ということであろう。経過に興味のあられる方は、ここまでのエントリーをもこの機会にご参照下されば嬉しい。最近の日本のネットでは、この戦争の見直し論者たちの発言が極めて多く、これくらいのことは頭に入れておかないと、反論も難しいと自省して学び直した次第だった。なんせこの戦争の汚点隠しを図るべく、屁理屈もふくめてあらゆる論難が考え出されているご時世だから。

『 ざくろさんのアジア・太平洋戦争観 文科系  2011年04月02日
前置き
 1国の戦争には、確かに意図と結果が存在しよう。そして、意図の通りに結果が出るものでもないだろうし、結果からだけ戦争の善悪を云々してみても無意味だ。
「泥棒に入った家にもう1人泥棒が居て、両者が殴り合いになった結果、家としては何も盗まれなかった。よって後からの泥棒が良い事をした」
と、こんな事を語って何か意味があるのか。
 かくのごとく意図と結果は別物であるのだから、歴史を論ずるやりかたではないのである。歴史は事実、真実の流れを叙述するというのが基本でなければならず、意図と結果はむしろそこから判明してくるということだろう。
 こういう視点で見れば、ざくろさんの語り口は、日本の戦争を派生的結果などを総動員してまで美化しすぎているし、日本の好ましくない意図が関わっているやの行為を「周囲にそう強いられた」「他国も同じような事をしていた」と言う側面を探し出してきてまで、免責しすぎていると、そう僕は思う。つまり、歴史の論じ方が情緒的に過ぎると思う。ちなみに、彼が僕の太平洋戦争論議に関わって「日本を『邪悪』と見ている」「アメリカを『正義』と見ている」と論難したが、こういう言葉を使っていないことでもあるし、こんな言い方は僕としては拒否するものである。
 また、サッカー代表戦などで日本を熱烈応援する僕だが、事実から見て醜く見えるような日本の過去の行為を無理に美化しようとは全く思わない。むしろ、反省すべきは反省してこそ、さらに美しい国にも出来、これを愛する事ももっと可能になるのだろうと考えている。また、こんな事をせねばならぬほど、美点の少ない国だとは僕には到底思えない。
「日本の過去の醜い点はなるべく美化しなければならない。そうでないと青少年が日本を愛せなくなる」

1 朝鮮併合
 僕はざくろさんにこう語った。
『明治維新直後の征韓論出兵騒動や江華島事件などなどの1870年代からおよそ40年かかって日本が朝鮮半島を併合したのも、「アジアにおける欧米列強の植民地解放のため」であるのか? この40年間に独立国であった朝鮮抑圧への反発を武力で抑えるべく、どれだけの方々を殺したことだろう。それもみんな「アジアにおける欧米列強の植民地解放のため」と貴方は言い張るのか。そもそも「朝鮮の人々のためにこそ40年かかって併合したのだ」という理屈を、朝鮮の人々が認めているとでも言われるのか? 』
 これに対して、彼はこう反論した。
『日本が明治維新直後から、ずっと朝鮮半島を狙っていた、というふうな見方は明らかに偏見でしょう(自覚あります?)。明治初期の征韓論は――理由はそれだけではありませんが、立場・考え方の違いから原因の一つとして――内乱(西南戦争)にまで発展して、一旦は消え去っています。』
 歴史的事実を上げておきたい。僕があげておいたのに彼が無視した1875年の江華島事件と、ここから生まれた不平等条約、日朝修好条規。1882年の壬午事件。その結末の一つに日本軍の常時駐留があるが、これは、帝国初の平時外国駐留軍ということになる。1884年の甲申事変では、反日感情が急増している。1894年の東学教徒反乱事件に際した日本の大兵力出兵。これは、日清戦争のきっかけになった事件でもある。朝鮮がきっかけで日清戦争も起こったというこの事実は、朝鮮のこの40年と後の日中戦争が結びついて何か象徴的な出来事のように僕は思う。
 こういう事実が続いていれば、『ずっと朝鮮半島を狙っていた』かどうかは別にして、上のように、僕がこう述べるのはごく自然な事のはずだ。
『明治維新直後の征韓論出兵騒動や江華島事件などなどの1870年代からおよそ40年かかって日本が朝鮮半島を併合したのも、「アジアにおける欧米列強の植民地解放のため」であるのか? 』
 
2 中国侵略と対米戦争
 僕がざくろさんに書いた事はこうだ。
『次いで対米戦争であるが、これも「アジアにおける欧米列強の植民地解放のため」の戦争などでは全くない。
 日本は中国侵略戦争を継続するために、これを中止させようとするアメリカ・イギリス・オランダと開戦することになったのであって、中国侵略戦争の延長線上に対英米欄戦争が発生したのであり、中国との戦争と対英米欄戦争とを分離して、別個の戦争と考えることはできない』
 対して彼は、中国侵略と対米戦争とを分けて語る。後者は帝国主義戦争であって、アジア開放には無関係であるとし、前者についてはおよそこのように。
【『中国についても、不戦条約などに従っていては欧米支配打破などはできなかったのだから、『悪行は(欧米と)五分と五分というのがぎりぎりのところ』であり、仕方なかった(『と大東亜戦争肯定論者の多くは捉えていると思います』)。ただ中国については、国民が欧米の奴隷状態でもなかったことなどから『日本の進撃が、支那人にとって、解放と映らなかった』。】
 これも歴史的事実と違っている。事実はこうだ。
『結局、日本の武力南進政策が対英戦争を不可避なものとし、さらに日英戦争が日米戦争を不可避なものとしたととらえることができる。ナチス・ドイツの膨張政策への対決姿勢を強めていたアメリカは、アジアにおいても「大英帝国」の崩壊を傍観することはできず、最終的にはイギリスを強く支援する立場を明確にしたのである』
『39年7月、アメリカは、天津のイギリス租界封鎖問題で日本との対立を深めていたイギリスに対する支援の姿勢を明確にするために、日米通商航海条約の廃棄を日本政府に通告した。さらに、40年9月に日本軍が北部仏印に進駐すると、同月末には鉄鋼、屑鉄の対日輸出を禁止し、金属・機械製品などにも、次第に輸出許可制が導入されていった』
 こういうことの結末がさらに、石油問題も絡む以下である。太平洋戦争前夜、ぎりぎりの日米関係をうかがい見ることができよう。
『(41年7月28日には、日本軍による南部仏印進駐が開始されたが)日本側の意図を事前につかんでいたアメリカ政府は、日本軍の南部仏印進駐に敏感に反応した。7月26日には、在米日本資産の凍結を公表し、8月1日には、日本に対する石油の輸出を全面的に禁止する措置をとった。アメリカは、日本の南進政策をこれ以上認めないという強い意思表示を行ったのである。アメリカ側の厳しい反応を充分に予期していなかった日本政府と軍部は、資産凍結と石油の禁輸という対抗措置に大きな衝撃をうけた。(中略)以降、石油の供給を絶たれて国力がジリ貧になる前に、対米開戦を決意すべきだとする主戦論が勢いを増してくることになった』
 以上『 』【 】内は、岩波新書「アジア・太平洋戦争」から。著者は、吉田裕一橋大学大学院社会学研究科教授。

 ちなみに、「帝国国防方針」の1923年2月28日改訂版で、アメリカが初めて帝国仮想敵国の筆頭にあげられるに至ったという資料もある。これまでの筆頭はロシアであった。
『仮想敵国 陸海軍共通のものとしてアメリカ、ロシア・中国がこれに次ぐ。(中略)国防方針第3項 中国をめぐる利害対立からの日米対立を予測』。岩波新書「満州事変から日中戦争へ」、著者は、加藤陽子東京大学大学院人文社会系研究科教授。
 
 以上全てから、ざくろさんが次のように語るのは史実をねじ曲げるものだと言いたい。
『真珠湾攻撃は、日本が南方資源を手に入れ、ヨーロッパ列強からアジアを解放しようとする日本の戦争に何の貢献もなかったばかりではない。それが、先の大戦の唯一の敗因となった。
 そのことを頭にいれておかなければ、大東亜戦争の全体像がゆがみ、日本は、アジアを侵略して、それに反対したアメリカに噛みつく、ばかな戦争をして、自滅したという、GHQ史観にのみこまれることになる。
 どの民族、国家もももっている。誇るべき戦史が、日本に限っては存在せず、そのため、アジア諸国が「日本軍がヨーロッパ列強を追い払ってくれたおかげで、独立することができた」と感謝している先の戦争を、侵略だった、アジアに迷惑をかけたと謝ってまわるのは、愚かをこえて、悲劇というしかない。』

 日本の三つの戦争を巡る事実は、ずっと語られてきたようにこうである。朝鮮併合に関わって日清戦争が起こり、朝鮮と満州との経営を巡って日露戦争が起こった。そして、23年の帝国国防方針にあるように『中国をめぐる利害対立からの日米対立を予測』していて、太平洋艦隊の増強などによって大々的にこれに備えてきて、真珠湾攻撃は事実としてはほとんど確信犯なのである。

 なお、ざくろさんは日中戦争も真珠湾攻撃もともに、欧米の工作によって日本が巻き込まれたものであることを立証しようと努力している。僕が以上に示したような、普通に語られてきた事実経過がありながら、何故こんな事に精魂傾けるのか。日本の主体性をあまりに軽視しており、いかにも不自然である。帝国の重大決意を他国のせいにして、その責任を免罪しようとしているとしか、僕には思えないのである。日本を美化したいという望みから、歴史を見る目を曇らせているのではないか。』】
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よたよたランナーの手記(19)ロードレーサーが気持ちいい  文科系

2013年10月06日 00時15分37秒 | スポーツ
 3日は強い風の中を、ロードレーサーで50キロ超ほど走ってきた。春日井の方から矢田川を庄内緑地公園まで行き、そこから庄内川を下ってその河口まで。帰りは、稲永公園、築地口、熱田神宮から千種区のわが家まで、長い休憩を挟んでは高速走行というやり方で楽しんだ。名古屋市外周の半分ほど、北と西を回ってきたことになる。なるべく河川敷道路を通ろうとしたのだが、所々でこれが途切れている。やむなく堤防道路に上がって走るのだが、トラックなどが狭い道のすぐ脇をビュンビュン走っいくので恐いこと。対して、河川敷道路は車も来ないから、気持ちいいこと。中村区から中川区にかけてはすぐ脇の水面とほとんど同じ高さを走ったり、国道一号線の南北では黒松の見るからに年季の入った大木群に目を見張ったり、初めて通る道中は様々に面白かった。なお、この黒松群の下は、昔海水浴場だったのだそうだ。それを教えてくれたのは、一号線沿いすぐ北で釣りをしていたおじさん。その脇で彼をば見物とあいなったお方である。

 許しを得て魚籠を覗けば、大きなハゼが二匹。おまけに、見物間もなく強い引きがあって何だろうと好奇心満々の下に上がってきたのは、30センチほどのスズキ。セイゴと呼ぶのだが、おじさんはそれを放流してしまった。その時の言葉が釣り師らしくて面白い。「今日は、ハゼ釣りだから」。それに唸った僕、ここぞとこう引き取る。「あのハゼなら、刺身に出来ますねー」。対しておじさん、「風がなければもっと釣れるんだけど、ハゼの刺身は美味いよー!」。「分かりますよ。僕もついさっきとても美味しい物に満腹してきたばかりですけど、この刺身が出たらまだ食べられますねー」。
 さて、サイクリングを続行。次第に、河口が近づいてくる。広い川幅、高い空、その空の息吹。そんなシテュエーションに駆り立てられるように脚を回せば回すほど、15年越しの愛車は気持ちよく応えてくれた。最高時速も久しぶりの40キロとあっては、その価値が相当長かった宝の持ち腐れを脱して光り輝いたというもの。いや、僕が光らせられたというもの。幸せなことである。
 
 一日おいて5日は、ジムで30分、4.3キロを走った。最高は9.6キロ時で、その平均心拍は153ほどと、さらに下がってきた。でもやっぱり無理は禁物。最後はセーブして走ってきた。
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米共和党「若手」議員らの退廃  文科系

2013年10月05日 18時12分14秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 アメリカでこの10月から来年3月まで半年間の予算執行が止まって、政府機関一部が閉鎖されるなど大揺れに揺れている。共和党多数の下院が「予算を通したければ、医療保険改革法(オバマケア)を廃止せよ」と実力行使に出たのである。国家公務員80万人の10月分給料も払えず、自宅待機とか、国立諸施設の閉鎖までが起こっている。本日の中日新聞社説さわり部分をご紹介してみよう。
『米国民に史上初めて国民皆保険への道を開く医療保険改革法は、国論を二分する激論を経て三年前に成立した。これを「米国の社会主義化を招く」として忌避する共和党はその後も違憲訴訟で対抗、昨年の大統領選挙でも撤廃を掲げて戦った。結果的に最高裁は合憲判断を下し、有権者はオバマ大統領に二期目を託した。民主国家であれば法的にも政治的にも決着しているとみるのが常識だろう』
 既に成立した一つの法案をあくまでも実施させないために、当面の国家予算の執行を妨害する。何という執拗さか。共和党「若手」下院議員50名ほどがその中核であり、下院議長が予算案を採決に付すならば共和党の良心的議員100名ほどは賛成に回るので予算案はすぐに通る情勢なのだそうだ。が、その共和党から出た議長がウンと言わず、オバマにこう答えていると、これは夕刊にあった言葉。
『私も政府閉鎖は望んでいない。オバマケアの公平性を問い掛けているだけだ』

 国民皆保険制度が「社会主義的」で「公平性を問」われるって、一体どういう感覚なのだろうか。この3月24日「退廃極まる政治」をここに書いた時に示した共和党大統領候補者ロムニーの演説を思い出す。
『(前略)「オバマ氏に投票する四七%の国民は政府に依存し、自分は被害者で政府が面倒を見る必要があると考えている。所得税も払っていない」――。庶民感覚のない大富豪ぶりを指摘されてきたロムニー氏だが、その印象は決定的になった。弱者切り捨てと受け取られかねないだけに、共和党内部からも批判が集中した。(以下略)』(日経新聞)
 政治とは税を払っている者のものであるという考え方がうかがわれる。だからこそ、皆保険制度は公平性が問われると考えるのだろう。これに対して3月24日拙稿ではこう書かせていただいたところだ。
『選挙演説でこう話す感覚!?それが大統領有力候補の口から出るアメリカって、一体どういう国なのか。この演説のさわり部分は、日本なら明治時代にあった「制限選挙制度」の考え方と親類なのだから。「選挙権を持つのは、○○円以上の納税者男子とする」というあれである。こういう人を大統領候補に選ぶ政党が確か下院では多数党だった。訳が分からないが、こういう傾向がこの三十年ほどかの国に打ち続いた重大な政治変化に起因するのは明らかだろう』
 この超格差社会下の富める者も貧しい者も全て自己責任でそうなったと考えているのだろう。結果の平等論を掲げるつもりはないが、機会の平等さえもっとも強く強奪された国と言うべきであろう。大変な国である。
 こんな国相手にTPPを結べば、日本の皆保険制度や「機会の平等」さえ危うくなるという理屈だ。今のまま金融への世界的規制が進まないなら、この超格差社会はもっともっと進んでいくはずであって、その進み具合に合わせて今大活躍中の共和党若手下院議員のような人種が世界中で増えていくと、これも適正な見通しであると思うから。

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