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米共和党「若手」議員らの退廃  文科系

2013年10月05日 18時12分14秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 アメリカでこの10月から来年3月まで半年間の予算執行が止まって、政府機関一部が閉鎖されるなど大揺れに揺れている。共和党多数の下院が「予算を通したければ、医療保険改革法(オバマケア)を廃止せよ」と実力行使に出たのである。国家公務員80万人の10月分給料も払えず、自宅待機とか、国立諸施設の閉鎖までが起こっている。本日の中日新聞社説さわり部分をご紹介してみよう。
『米国民に史上初めて国民皆保険への道を開く医療保険改革法は、国論を二分する激論を経て三年前に成立した。これを「米国の社会主義化を招く」として忌避する共和党はその後も違憲訴訟で対抗、昨年の大統領選挙でも撤廃を掲げて戦った。結果的に最高裁は合憲判断を下し、有権者はオバマ大統領に二期目を託した。民主国家であれば法的にも政治的にも決着しているとみるのが常識だろう』
 既に成立した一つの法案をあくまでも実施させないために、当面の国家予算の執行を妨害する。何という執拗さか。共和党「若手」下院議員50名ほどがその中核であり、下院議長が予算案を採決に付すならば共和党の良心的議員100名ほどは賛成に回るので予算案はすぐに通る情勢なのだそうだ。が、その共和党から出た議長がウンと言わず、オバマにこう答えていると、これは夕刊にあった言葉。
『私も政府閉鎖は望んでいない。オバマケアの公平性を問い掛けているだけだ』

 国民皆保険制度が「社会主義的」で「公平性を問」われるって、一体どういう感覚なのだろうか。この3月24日「退廃極まる政治」をここに書いた時に示した共和党大統領候補者ロムニーの演説を思い出す。
『(前略)「オバマ氏に投票する四七%の国民は政府に依存し、自分は被害者で政府が面倒を見る必要があると考えている。所得税も払っていない」――。庶民感覚のない大富豪ぶりを指摘されてきたロムニー氏だが、その印象は決定的になった。弱者切り捨てと受け取られかねないだけに、共和党内部からも批判が集中した。(以下略)』(日経新聞)
 政治とは税を払っている者のものであるという考え方がうかがわれる。だからこそ、皆保険制度は公平性が問われると考えるのだろう。これに対して3月24日拙稿ではこう書かせていただいたところだ。
『選挙演説でこう話す感覚!?それが大統領有力候補の口から出るアメリカって、一体どういう国なのか。この演説のさわり部分は、日本なら明治時代にあった「制限選挙制度」の考え方と親類なのだから。「選挙権を持つのは、○○円以上の納税者男子とする」というあれである。こういう人を大統領候補に選ぶ政党が確か下院では多数党だった。訳が分からないが、こういう傾向がこの三十年ほどかの国に打ち続いた重大な政治変化に起因するのは明らかだろう』
 この超格差社会下の富める者も貧しい者も全て自己責任でそうなったと考えているのだろう。結果の平等論を掲げるつもりはないが、機会の平等さえもっとも強く強奪された国と言うべきであろう。大変な国である。
 こんな国相手にTPPを結べば、日本の皆保険制度や「機会の平等」さえ危うくなるという理屈だ。今のまま金融への世界的規制が進まないなら、この超格差社会はもっともっと進んでいくはずであって、その進み具合に合わせて今大活躍中の共和党若手下院議員のような人種が世界中で増えていくと、これも適正な見通しであると思うから。

コメント (3)
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