「首相、年内に参拝」「靖国」で側近が見解 (2013.10.21 毎日新聞)
自民党の萩生田光一総裁特別補佐は20日、フジテレビの報道番組で、安倍晋三首相(党総裁)の靖国神社参拝について「(首相)就任1年の中でその姿勢を示されると思う」と述べ、就任1年となる12月末までに参拝に踏み切るとの見方を示した。
荻生田氏は首相側近で、今年8月の終戦記念日には「総裁代理」として参拝し、首相が私費で出した玉串料を納めた。今回の発言は、首相が同日までの秋の例大祭で参拝を見送ったことへの保守層の不満を和らげる狙いもあるとみられる。
荻生田氏は番組で「今のまま中国や韓国と会談すると『参拝しない』との前提を付けられた会談になる。それを首相は考えていない」と指摘。今回の参拝見送りは両国への配慮からではないとの見方を強調した。その後、記者団に「1年間の時間軸の中で参拝すると信じている」と述べ、任期中に毎年参拝することへの期待感を示した。
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安倍首相は、首相就任後の今年春の例大祭、8月15日、秋の例大祭とも靖国神社参拝を見送り「真榊」の奉納や玉串料を納めるにとどめました。マスコミは中国や韓国に配慮したものだと報じました。ところがこの萩生田氏の発言はそうではなく、靖国参拝を諦めてはいないが、中国や韓国の抵抗の少ない時期・形での参拝を考えていることを示しています。
一方、就任直後に「村山談話をそのまま引き継ぐのではなく、終戦70周年の2015年に新しい談話を出したい」「侵略の定義は国際的にも、学問的にも定まっていない」と述べ、日本の侵略を非難されることを拒む態度をとっていた安倍首相は、今月18日参議院での公明党山口代表の所信表明に対する代表質問には、従軍慰安婦問題については「筆舌に尽くしがたい、つらい思いをされた方々のことを思い、非常に胸が痛む。この思いは歴代首相と変わらない」と述べ、また、中国や韓国などから問題にされている歴史認識の問題についても「わが国はかつて多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して、多大の損害と苦痛を与えた。その認識は安倍内閣も同じで、これまでの歴代内閣の立場を引き継ぐ考えだ」と、これまでの態度とは一変して、過去のアジア諸国などへの侵略や人々への迫害を認めるような答弁をしました。
ダブルスタンダードのような気もします。誠意がなければ言葉を信じてもらえません。「国のために命を捧げた英霊に哀悼の誠を捧げ、平和への誓いを改めて表わすため」ならば、毎年8月15日に第二次世界大戦の戦没者追悼式が行われていますし、千鳥が淵戦没者墓苑もあります。私が子供の頃は、「天皇陛下に召されたら喜んで戦地に行き、天皇陛下に命を捧げよ、戦死すれば靖国神社に神として祀られる。こんな名誉なことはない」と云われました。靖国神社は国民を戦争に駆り立てる道具であったのです。靖国神社参拝にこだわることで歴史認識が問題にされるのです。首相は参議院での発言を形に示すために、以前から提唱されている無宗教の全戦没者霊園の建設を進めるべきだと思います。
大西 五郎
自民党の萩生田光一総裁特別補佐は20日、フジテレビの報道番組で、安倍晋三首相(党総裁)の靖国神社参拝について「(首相)就任1年の中でその姿勢を示されると思う」と述べ、就任1年となる12月末までに参拝に踏み切るとの見方を示した。
荻生田氏は首相側近で、今年8月の終戦記念日には「総裁代理」として参拝し、首相が私費で出した玉串料を納めた。今回の発言は、首相が同日までの秋の例大祭で参拝を見送ったことへの保守層の不満を和らげる狙いもあるとみられる。
荻生田氏は番組で「今のまま中国や韓国と会談すると『参拝しない』との前提を付けられた会談になる。それを首相は考えていない」と指摘。今回の参拝見送りは両国への配慮からではないとの見方を強調した。その後、記者団に「1年間の時間軸の中で参拝すると信じている」と述べ、任期中に毎年参拝することへの期待感を示した。
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安倍首相は、首相就任後の今年春の例大祭、8月15日、秋の例大祭とも靖国神社参拝を見送り「真榊」の奉納や玉串料を納めるにとどめました。マスコミは中国や韓国に配慮したものだと報じました。ところがこの萩生田氏の発言はそうではなく、靖国参拝を諦めてはいないが、中国や韓国の抵抗の少ない時期・形での参拝を考えていることを示しています。
一方、就任直後に「村山談話をそのまま引き継ぐのではなく、終戦70周年の2015年に新しい談話を出したい」「侵略の定義は国際的にも、学問的にも定まっていない」と述べ、日本の侵略を非難されることを拒む態度をとっていた安倍首相は、今月18日参議院での公明党山口代表の所信表明に対する代表質問には、従軍慰安婦問題については「筆舌に尽くしがたい、つらい思いをされた方々のことを思い、非常に胸が痛む。この思いは歴代首相と変わらない」と述べ、また、中国や韓国などから問題にされている歴史認識の問題についても「わが国はかつて多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して、多大の損害と苦痛を与えた。その認識は安倍内閣も同じで、これまでの歴代内閣の立場を引き継ぐ考えだ」と、これまでの態度とは一変して、過去のアジア諸国などへの侵略や人々への迫害を認めるような答弁をしました。
ダブルスタンダードのような気もします。誠意がなければ言葉を信じてもらえません。「国のために命を捧げた英霊に哀悼の誠を捧げ、平和への誓いを改めて表わすため」ならば、毎年8月15日に第二次世界大戦の戦没者追悼式が行われていますし、千鳥が淵戦没者墓苑もあります。私が子供の頃は、「天皇陛下に召されたら喜んで戦地に行き、天皇陛下に命を捧げよ、戦死すれば靖国神社に神として祀られる。こんな名誉なことはない」と云われました。靖国神社は国民を戦争に駆り立てる道具であったのです。靖国神社参拝にこだわることで歴史認識が問題にされるのです。首相は参議院での発言を形に示すために、以前から提唱されている無宗教の全戦没者霊園の建設を進めるべきだと思います。
大西 五郎