棚からぼた餅--岩淵龍王丸

信州の山郷での暮らしと、絵本と無縁になってしまった大人に向けた創作絵本や、芸術活動をお話します。

吾が輩は猫である

2011-02-01 08:37:30 | 山郷の暮し
超寒い一月でした。一日も早く過去形になってほしいものです。
夏目漱石のデビュー作「吾が輩は猫である」は、誰でも画一度は開いたことがあろうかと思いますが、中途で止めにしてしまう。
私も同様で、いっぺんに完読したことがない。
今回もパラパラと読み出しているが、言い回しになじめず遅々としてすすまない。
文中に聞きなれない語彙があった。 にこげー和毛 だ。  夏目漱石の『吾が輩は猫である』の猫はどんな猫でしょう。
主人公の猫の出身は捨て猫ですから、血統書とは無縁。
黒猫・・白猫・・ぶち猫・・トラ猫とうとう、たいしたことはなさそう。
ご主人が下手な絵を描く文中にあります。
ペルシャ産の猫のごとく黄を含める淡灰色に漆のごとき斑入り、とあり、
主人公の猫本人も、見目麗しいとは思ってはいない。
早い話が灰色地に黒ぶちの汚い猫だ。

車屋の黒猫と初めて行き会ったときの描写に、和毛(ニコゲ)と初めての語彙があった。
 透明なる光線を彼の皮膚の上に投げかけて、きらきらとする和毛のあいだより目に見えぬ炎に燃えいずるように思われた。
とあり、柔らかでフサフサした猫の毛が逆光に輝いているさまだろう。
我が家のチビクマも、冬の日差しに白光色にてりかえる。
炎のように燃え上がってはみえはしないが、確かに美しい。
それにしても、小説家という人種はおおげさな表現をするものだ。

ryusun

つぶやき

絵本と無縁になった大人に

子供たちに向けたというより、内なるものを呼び覚ます大人への絵本