ウクライナでの墜落事故がきっかけになって世界の株価は大幅に下落したが、昨日のウォール街では再びNYダウ平均が1万7000ドルに回復し地政学リスクを一蹴した。グーグル(GOOG),フェイスブック(FB)などインターネット株の好調な決算が相場の地合いを変えた。先週のハイテク株の下落は米連銀イエーレン議長の「バイオ、SNSは過熱している」という発言が影響した。「連銀議長が個々の株価水準に言及すべきでない」とヘッジファンドからは痛烈な批判を浴びた。
悪気流のなかでの東京市場ではモメンタム銘柄が一時、大きく売られたが後半にかけて戻した。強かったのはミクシィ(2121)、CYBRDYNE(7779),日本通信(9424)でいずれも最近の反騰相場の節目でリード役を担ってきた株だ。時価総額はミクシィが3200億円、CYBERDYNEが2170億円、日本通信が1930億円、そして人気に続くフィクスターズ(3687)が3900億円と時総額が5000億円までの中小型株である。
モメンタム銘柄群ともいわれる材料株で、共通点は東京市場での売買代金ビッグ10いりするぐらい元気な中堅株である。
いずれも個々の材料が原動力になって業績の成長が期待できる顔ぶれである。個人投資家は全体の相場人気が停滞する中でも「わが道を往く」とばかり株価の元気のよいこれらの株に惹きつけられてきた。変動率は大きく高値買いをしても報われた。
株価の変動パターンは反騰→上昇→天井→反落というお決まりのコースを進んでいる。
参加者に株価の動きを判断する指標には乏しいが、人気の度合いをみる端的なレシオは日々の株価と25日移動平均の乖離率である。最近のフィックスターのように乖離率+55%超と、経験則である+7.0%以上を大きく上回る。しかし相場のトレンドの反落局面で乖離率が縮小してテクニカル面では買いの場面になる。このパターンは日本通信にも当てはまった。
投資家が参考にするのは、ここ5年間のガンホー・オンライン・エンタテイメント(3765)の株価である。安値(2008年10月)から233倍になった。この株の人気が新成長株のモデルをつくった。
来週も再びこのパターンの循環が始まるだろう。