NYダウ平均が1万7000ドルの大台に乗せた後、今週のウォール街の関心事は第2四半期の決算発表のシーズンに向かう。今週は火曜日にアルコア(AA)の発表が皮切りになる。産業界のあらゆる業界に関係する素材だけに米国景気の現状をみるシンボル的な存在である。このような企業は日本には見られない。
いまひとつ今週の決算で注目されるのは最大手銀行のウェルズ・ファーゴ(WFC)である。ウォーレン・バフェットが大株主で、金融の米経済に占める役割はどこの国よりも大きい。この点をバフェットは投資歴から身をもって体験して金融株への投資にウェイトを置いてきた。金融はバフェットのポートフォリオの40%を占め、その株価のパフォーマンスがバークシア・ハザウェイの業績に大きな影響を与える。2008年のリーマンショック後のNY株の回復過程でも、手元流動性が膨れ上がると、迷わずウェルズ・ファーゴを買い増してきた。日本では残念ながらこのような評価が国内の銀行株にはできない。
ダウ平均の1万7000ドル台乗せ後の市場のセンチメントは個人投資家の相場観は強気には傾かず、むしろプロといわれるニュースレターの強気姿勢が目立つ。その背景には米連銀の市場にフレンドリーな政策の継続と、足元の米国経済の好調な指標がある。
週末のダウ平均は年初来+2.9%だが、S&P500は+7.4%と相場の実態は投資家には大きな利益をもたらしている。しかし個人投資家は現預金にしたまま、これまで株式投資には消極的で、この現実が個人の相場観につながっている。
東京市場ではロボット関連のテーマは続くだろう。ウォール街ではETF(上場投信)にROBO-STOXという世界のロボット関連株に投資するファンドがあるが、日本の銘柄が3分の1を占めている。海外からは日本の技術は米国に並ぶと評価されている。