足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

NY株が8ヵ月ぶりの高値・・・住宅市場が回復の兆し

2009-07-24 08:30:48 | 株式

NY株が8ヵ月ぶりに待望の9,000ドル台に乗せた。昨年11月の大統領選でオバマ大統領が実現したときの水準になった。

今回のウォール街の上昇相場の原動力は目下、発表中の第2四半期の企業業績の予想を上回る好調、それに景気指標のなかに回復の兆しを示す数字が出てきていることだ。

昨日は6月の中古住宅(1戸建てとマンション)販売が前月比+3.6%になり、3ヵ月連続して上昇したことだ。住宅市場の崩壊が、今回の不況の引き金になっただけに、市場の回復は大きな好材料だ。

在庫も-0.7%で9.4ヵ月になった。正常値は7ヵ月であり、まだ正常な状況には達していないが、方向性は正常化に向けて動き始めた。

東京市場でも最近の反騰相場では不動産や住宅関連は圏外にあったが、首都圏で一部のマンション価格の反転がいわれており、米国と同じように最悪期は脱した。

飯田産業(8880)に注目したい。

先週、発表された20094月期の決算では、たな卸資産と借入金が急減した。前期は売上1041億円(-4.1%)、営業利益267900万円(-29.4%)と減収、減益であったが、同業には赤字決算が多いなかで、利益を出した。

20104月期は売上1126億円(+8.2%)、営業利益822000万円(3倍)を見込む。前期の在庫減の成功が、攻めの経営の原動力になる。東京23区、千葉、埼玉などで1戸建て住宅での地盤がモノをいう。


米ナスダック指数が11日連騰

2009-07-23 08:06:39 | 株式

NYダウ平均は下落したが、ナスダック指数は11日連騰。

「ここは少し休養したほうがよい」という余裕の空気がウォール街には漂う。

これまでは第2四半期の決算の好調を買ってきた。特にハイテクを中心にナッスダック銘柄に予想を上回るサプライズが多い。これがナスダック好調の主因だ。年初来の株価の動きをみてもナスダック指数は+22%であるのに対してNYダウは+1.1%である。

2009年のオバマ政権の景気刺激策、金融市場対策で米国経済には落ち着きがみられるようになってきたが、それをいち早く株価に反応したのがナスダック市場であった。ちなみに日経平均は年初来では+9.7%である。頑張ってきたという感じは受ける。

東京市場の問題点はウォール街でみられる元気のあるハイテク関連がみられないことである。

たとえば2007年の株式相場の活況時、売買代金のトップグループに顔を出していたのは任天堂(7974)であった。「いったいどこまで上がるのか?」とその株価の目標値について考えていたとき、一つのヒントはアップル(AAPL)であった。任天堂が後を追っていた。

しかし現在の時価総額はアップルが13兆円、任天堂は36000億円と、大きく開いた。

携帯端末で伸びてきた点には製品に共通項がある。しかし最近のアップルの決算ではiPhoneの新製品が7倍にも伸びた。任天堂はDSWiiの新製品戦略にもたつき低迷期にはいった。日本のハイテクの限界をみせている。ナスダックの好調は米国の技術革新の力を感じさせる。先行き日本のハイテク企業にアップルのようなか革新的な企業が出ないのか?

サイクルからはその時期に来ているはずであるが・・・


1982年の大底圏に似てきた・・・ウォール街

2009-07-22 08:18:21 | 株式

NYダウ平均は6日間の連騰で16日以来の高値、ナスダックは10日間の連騰でことしの新高値になった。

ナスダックの連騰記録は12年ぶりで1997年以来だ。ウォール街でITブーム相場の芽が出始めたときだ。日本ではヤフーがIPO(新規公開)した。

ウェルズ・キャピタルのジェイムスW・ポールソンは「投資家のセンチメントは27年前に似てきた個人、企業のセンチメントの好転、小売の好調、輸出やほかの景気指標の好調などを上げる。1982年といえばレーガノミックスが原動力になって、1980~2000年のスーパー・ブルサイクル相場が始まったときである。

3月にことしの大底いれになったきっかけは相場のテクニカル指標が売られ過ぎになったことであるが、今回は企業業績の好転という材料が加わる。

それに世界的な株高が続き投資家のセンチメントも自信を回復してきた。

例えばセンチメント指数の代表的なVIX(恐怖)指数であるが、39日は49であった。それが昨日は23まで低下した。先行きに対しての不安感が薄れてきている。

長期の上昇トレンド入りの条件は20前後で安定することであるが、その可能性が強まってきている。

東京市場も相場は循環買いになってきた。

テクニカル面でみて、個々の人気株の25日移動平均に対しての乖離率は一桁台の下のほうである。この面での上昇相場の地盤は固まっている。


NY株はことしの新値・・・ここ1週間で大きな変化

2009-07-21 07:56:04 | 株式

NYダウ平均は612日の8799ドルを抜いて昨日は8848ドルになった。今年の高値だ。

先週来の第2四半期の決算の好調で市場のセンチメントが好転してきた上に、昨日は中小企業向け金融のCITの救済に、民間資金が動き始めたことで安心感が出た。

日本ではあまり知名度はないが、米国では100万社に資金供給する金融機関だ。

昨年10月には23億ドル(2,100億円)の公的資金の注入を受けていた。目先の社債の償還資金の手当てに資金が用意できず、政府と追加の資金注入の交渉をしていたが、先週は政府が申し入れを拒んだ。

世界最大の債券投資顧問会社のピムコをはじめセンターブリッジ・パートナーズなど民間資金が30億ドル(2,800億円)を決めた。CATの株価が昨日は+78%と急反発した。

ピムコは債券投資のウォーレン・バフェットといわれるビル・グロスが経営する。彼は今月初めの政府のPPIP(官民投資プロジェクト)への参加は見送った。

しかし今回のCAT救済には動いた。

PPIPにはバフェットも参加しなかった。「政府が民間のプロジェクトから利益を上げるというのは税金の使途を間違っている」とうのがバフェットの言い分だ。

今回のCATへの民間資金の注入の金利は10.5%である。現在、連銀の翌日物の金利はゼロだ。CATが存続するかぎり、今回の資金投入による利益は大きなチャンスである。

米国の金融市場の機能は回復してきた。昨年9月のリーマンショックから9ヵ月余での安定化だから、日本の10数年からすると比べものにはならない。米国の資本主義の担い手たちの行動とスピードには改めて脱帽だ。

目先は先週の東京市場でのインターネット株の人気のほか、米国での住宅市場の回復を銘柄の発掘のヒントにしたい。


新興市場の人気をみる

2009-07-18 08:47:51 | 株式

週末の市場ではマザーズ市場の上昇が目立った。

IPO(新規公開)のクックパッド(2193・マ)の人気である。久しぶりのネット株の公開で買い物が殺到し9,500円のIPO価格に対して11,600円買い気配で終わった。

料理のレシピをネット上で公開するコンテンツ提供会社であるが、女性の間では人気のあるサイトである。

株価の11,600円は100株取引では116万円の資金が必要で、1単位の取引ではグリーを追い抜きインターネット株ではトップになった。

どう評価するか?

インターネット株の評価に利用されるPSR(株価÷1株当り売上)は1380円ですでに13.8倍である。グリー(36328.9倍、ミクシィ(21218倍と人気株を引き離した。また最近の市場で人気のあるネット株であるサイバーエージェント(47510.5倍、スタートトゥデイ(30923.4倍からみても随分と高い水準である。

ウォール街でのグーグル(GOOG)6.1倍。

クックパッドは新顔で、しこり玉もなく株価の動きは軽いが、投資判断には先輩株のPSRを基準に考えたい。合理的な株価をすでに飛び越えた。

ただ人気が離散しかけていた新興市場に活気を与えた功績は評価していい。