ゴールドマン・サックス、インテル、ジョンソン&ジョンソン、この3人組が世界の株価を動かした。
NYダウは+256ドルになり、3月以来、4ヵ月ぶりの上昇幅だ。
ゴールドマン・サックスが口火を切った決算は前年比+65%という大幅増益。従業員へのボーナス支払いのために100億ドル(1兆円)の準備金を積み増した。昨年9月には証券会社から銀行に衣替えしたが、そのときは「もう投資銀行のような荒っぽい儲けは不可能だろう」といわれたが、その種の見方を払拭した。今回の決算では相場の動きに賭けるトレーディング部門が稼ぎ頭だった。預金を集めてその鞘で利益を出す伝統的な銀行とは一線を画している。日本の銀行には絶対にできないビジネスモデルである。ついこの間まで世界中から悪人扱いされたウォール街の名誉挽回に立ち上がった。
インテルは前年比では減収減益の決算であったが、事前の予想を上回る数字を発表した。中国をはじめアジアの個人需要を取り込んで回復の糸口をつかむ。日本のハイテクは早くから中国の需要を取り込んできたが、インテルのように短期間に業績を転換させる力のある企業はない。インテルの決算がアドバンス・マイクロデバイシスの株価にも影響を与え急騰した。
ジョンソン&ジョンソンはヘルスケアのトップを行く企業だ。今回の決算でいち早く不況からの立ち直りの兆しをみせた。
それぞれが米国の景気の動きを代表する先行指標的な存在である。サブプライム問題で沈没したかにみえた米国だが、投資家の目でみると世界でのプレゼンスはむしろ高まっている感じを受ける。