NYダウ平均は6月12日の8799ドルを抜いて昨日は8848ドルになった。今年の高値だ。
先週来の第2四半期の決算の好調で市場のセンチメントが好転してきた上に、昨日は中小企業向け金融のCITの救済に、民間資金が動き始めたことで安心感が出た。
日本ではあまり知名度はないが、米国では100万社に資金供給する金融機関だ。
昨年10月には23億ドル(2,100億円)の公的資金の注入を受けていた。目先の社債の償還資金の手当てに資金が用意できず、政府と追加の資金注入の交渉をしていたが、先週は政府が申し入れを拒んだ。
世界最大の債券投資顧問会社のピムコをはじめセンターブリッジ・パートナーズなど民間資金が30億ドル(2,800億円)を決めた。CATの株価が昨日は+78%と急反発した。
ピムコは債券投資のウォーレン・バフェットといわれるビル・グロスが経営する。彼は今月初めの政府のPPIP(官民投資プロジェクト)への参加は見送った。
しかし今回のCAT救済には動いた。
PPIPにはバフェットも参加しなかった。「政府が民間のプロジェクトから利益を上げるというのは税金の使途を間違っている」とうのがバフェットの言い分だ。
今回のCATへの民間資金の注入の金利は10.5%である。現在、連銀の翌日物の金利はゼロだ。CATが存続するかぎり、今回の資金投入による利益は大きなチャンスである。
米国の金融市場の機能は回復してきた。昨年9月のリーマンショックから9ヵ月余での安定化だから、日本の10数年からすると比べものにはならない。米国の資本主義の担い手たちの行動とスピードには改めて脱帽だ。
目先は先週の東京市場でのインターネット株の人気のほか、米国での住宅市場の回復を銘柄の発掘のヒントにしたい。