新興市場の勢いがよくなってきた。
6月の月間のパフォーマンスをみると日経平均+4.5%、日経ジャスダック+8.9%、マザーズ+12%、ヘラクレス+9.2%。
個々の銘柄でのハイライトは3月にIPO(新規公開)したテラ(2191・NEO)が3月の安値から7.9倍、JCLバイオアッセイが3.5倍と驚異的な上昇率であった。わずか3ヵ月での上昇率だけに、個人投資家の新興市場の先行きに対してセンチメントの改善に役立った。
両銘柄ともライブドアの堀江社長のように株高を狙って株価操作をするような経営者ではない。
共通点は新市場に挑戦して企業の成長を図るという経営戦略がある。
テラは樹状細胞という、いままであまり聞きなれない免疫細胞を利用して化学療法、外科療法では限界にきているがん患者の治療を狙う。治療は健康保険の対象にならない。高額な医療費を必要とするために患者の数には限界があるが、これまでこの種の治療ではなかなか利益を出せなかったベンチャー企業の経営に、公開初期の段階から利益を出すというビジネスモデルをつくりあげた。この点はユニークだ。
JCLバイオはバイオ分析を使って新薬開発をサポートする。また医薬品の発売後の効能をトレースすると共に、後発医薬(ジェネリック)の治験のアウトソーシングを行う。血液分析は高度な技術と高価な設備が必要である。参入障壁は高い。JCLバイオは日本の10倍の市場のある米国へ参入するために工場建設を始めた。現在は武田薬品への売上が全体の40%を占める。米国には同業種があるが売上規模は数10倍。米国では年率20%以上で市場は拡大している。
テラの時価総額は220億円、JCLバイオは47億円。両社とも小粒だが成長の可能性は高い。