足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ドラギ総裁の有言実行・・・世界の株が動き出した

2015-01-23 06:32:36 | 投資戦略
ユーロ中央銀行のドラギ総裁が動いた。これまでは「口先だけの介入」と市場では酷評する向きが多かったが、今回の量的緩和はイエレン米連銀議長の行動に並ぶもので不退転の決意をみせた。月間600億ユーロ(690億米ドル)の債券を市場から来年9月まで購入を続ける。
事実上、期限なしに近い政策である。これまの米国の量的緩和、日銀の電撃的な緩和策に続く政策発動で、昨年来、ドラギ総裁が折に触れ口にしてきたが、ここまで遅れたのは多数の加盟国と主要国との間の調整に時間がかかった。しかし有言実行の実績を明確に残した意味は大きい。
米国、日本と中央銀行の行動がこれまで株価を動かしてきただけに、市場は政策発動を率直に買った。
ウォール街で人気の先頭を切ったのは消費関連で、それに続いてハイテクのナスダック指数が先導し、S&P500は50日移動平均を上回り強気相場に転換した。
ユーロ株指数(SXXP)は7年ぶりの高値になった。リーマンショック直前の水準である。
新年来、先行きに気迷い人気が強かった世界の株価も前途に明るさが蘇ってきた感じである。
空輸株のサウスウエスト・エアラインズ(LUV)が決算発表を好感して+8%以上急騰した(先週の「トリトンスケア通信」の注目株)。ここ1年で2倍以上の上昇であったが、今年も人気は衰えない。ファンダメンタルの好転という好材料がある。米国株として先行き現在の水準でも投資妙味がある。
昨年、ピムコ投資顧問会社を追われたビル・グロスがジャナス・キャピタルに移籍したが、自分の運用する新ファンドに7億ドルの自己資金を投入すると表明した。この種の運用者の資産額は日本の常識では考えられない金額だ。ソロスもグロスの新ファンドへ資金注入する。桁外れの財産を一握りの資産家が握り、相場を動かす構図は日本の常識では測れない市場である。