足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

世界の株価はようやく反発・・・懸念は残る

2015-01-17 07:22:09 | 投資戦略
NY株は5日間の大幅安のあと反騰した。
スイス中央銀行の為替操作上限撤廃(対ユーロ)で一時は通貨不安の懸念が台頭したが、ショックはヨーロッパ株には影響せず、その安心気分はウォール街にも波及した。
米国では個人信頼観指数の好転、製造業指数の好調が相場を押し上げ足元の景気の好調が通貨不安の懸念を打ち消した。
相場のこれまでの調整でユーロ不安はすでに織り込んだという見方が優勢になった。一部の季節的な相場循環を重視する投資家の見方が悲観人気を打ち消した。

その見方のひとつは有力ニュースレターのマククレナンの見方である。
マククレナンは1969年にレターを始めていらい45年間にわたって独自開発した「振動子」(オシレータ)を相場分析に適用し、相場の転換点をしばしば適格に予見した実績がある。その分析ツール「振動子」がようやく“買い”の信号を発したと、MarketWatchが先週に伝え一部の投資家は注目していた。
市場での株式売買の数値を指数化したもので、相場の転機を短期、中期、長期の各局面で判断する。予測の確度が高く、機関投資家やストラティジストの間では信奉者が多く、有用性が実証されてきた。
この種の指標から「今週16日(木曜日)の相場が下落すれば、季節的な循環から3月末にかけて強気相場いりする」と直近のレポートで強気のサインが近いことを発表していた。
マククレランは「過去40年間、1月の前半が下落すると強気相場が出現した」としている。
「特に大統領選後の3年目には、この種の現象が発信される」ことを強調していた。
今週の「トリトンスクエア通信」(1月14日号)でも“大統領選後の3年目ジンクス”と題して、2015年の相場の見方を書いた。マククレランの「振動子」は物理学の現象から導入されただけに合理性が高く、レポートを読むと暗闇のなかに小さな光が見え始めたことを感じさせる。

ただ問題点は一つある。今週のスイス中央銀行の為替政策の転換である。スイスフランの急騰でスイス株は急落した。また米国、ヨーロッパの為替ディラーが、その影響を受け大きな損失を受け、取引停止に追い込まれた。弱気筋のなかにはリーマンショックの初動の時期と見る向き出てきている。先週にはなかったイベントである。