足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

NY株安は短期の調整局面

2015-01-15 06:51:00 | 投資戦略
ウォール街では2014年の決算発表がはじまった。先頭グループは大手銀行のJPモルガン、ウェルズ・ファーゴである。両行とも株価は売られた。特にビジネスの多角化が進むJPモルガンの自己資本比率が基準には余裕がなく、この面で拡大戦略に限界のあることが問題視された。一方、バフェットのバークシア・ハザウェイが大株主であるウェルズ・ファーゴには余裕があり、複雑でないビジネスモデルが効果を示している。
いまのところ決算発表は株式市場には中立要因である。
この日の相場の下落の要因について3つ上げられている。
① この日、発表された12月の小売が事前の予想を下回り前月比で-9%に落ち込んだ。
② 素材価格が軟調で銅価格が2009年以来の安値になった。これまで銅相場を支えた中国の需要の落ち込みが周辺のアジア経済の不振を表している。
③ 世銀が本年の世界経済の見通しを引き下げた。
アメリカ、中国の景気が事前の期待を裏切ったこと、ユーロ圏、日本の景気の不振が問題点として指摘されている。
今回のような下落局面は昨年11月にも経験した。当時も5年に及ぶ上昇相場の反動の到来と見る向きが出たが、今回も当時に似た市場の雰囲気に突入している。
相場の直近の高値からの下落率は4%弱の止まっており、短期的な調整の域を出ていない。米国景気が海外要因によって鈍化のコースいりをするならば、米連銀が利上げの時期が先延ばし、景気に配慮した行動をとることが期待される。
現在のNY株の調整は12月下旬のダウ平均1万8000ドル台乗せの反動局面とみたい。