ヤフー(4689)が決算発表した。1997年の株式公開以来、社長の座にあった井上雅博氏が退任し宮坂学社長にバトンタッチしてから1年が経過、就任後初めての決算発表であった。
業績は事前の予想を上回り、2013年3月期は売上+13%、経常益+12%とフタ桁台の増収。増益になった。久しぶりに第4四半期の利益が2008年以来、初めて+20%台に乗せた。
わずか1年の宮坂社長の運営がスピード化を前面に打ち出している経営が早くも数字になって現れたのは見事だ。
2014年3月期の見通しは、これまでのレンジでの業績予想を廃止し、一つの数字を出すことにした。上半期の予想は+15%増収、+6.3%の経常益増である。
利益もさることながらネット企業の評価には売上が重要だけに、売上のフタ桁台の成長はヤフーらしさが戻ってきた証明だ。
宮坂体制に代わって会社の体制に大きな転換を打ち出してきたが、早くもその成果が表れつつある。
3000億円超の巨艦に変化を顕在化してきたのは、ソフトバンク・グループの成長企業らしいスピード感が伝わってくる。
キャシュフローは営業キャシュフローが1393億円、投資キャシュフローが+514億円でフリーキャシュフローは1907億円増加した。成長のための原資が膨らみ今後の展開が期待される。
われわれは米ヤフーと並べて両銘柄に注目していたが、両ヤフー間で復活競争がはじまった。短期的には日本の方に軍配が上がる可能性が強い。
決算後、宮坂体制の力が見えてきた。市場での注目度が高まるだろう。