足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

日米とも膠着状況の先をみる

2010-03-11 09:36:31 | 株式

英語にstalemateという言葉がある。最近のウォール街でよく耳にする。

膠着状況という意味で、ゲームなどが行き詰ったときに使われる。現在の相場の状況を表現する言葉であるが、本日の日経新聞の「株式往来」欄の見出しは「値幅41円、今年最少」とあり、東京市場でも上下どちらへも動かず均衡している。

昨日のNY市場では銀行株に値動きが目立った。世界最大の保険大手のAIG+10%、シティ+3.6%、バンク・オブ・アメリカ+2%であった。いずれも今回の金融危機で大きな打撃を受け、公的資金の注入を受けたが、先行きに懸念がのこった銀行である。

ナスダック指数が昨日も小幅高であったが、18ヵ月ぶりの高値でリーマンショック前の20088月の水準にまで戻った。半導体やPC関連を中心に買われた。

S&P500も小幅高であるが、過去9日間のうち8日がプラスであった。目立った動きはハイテク、金融であるが、いずれも今回の反騰相場をけん引した銘柄である。最近の相場の中味は決して悪くはない。

ただ今回の上昇相場では投資家の間でも勝者と敗者の両極端の動きが続いた。それだけに、市場のセンチメントには弱気筋が多い。個人の資金が依然として株式から債券に向いているのはその現れである。

経験則によると、最近のような膠着相場は、近く上か下のどちらかに離れる。

景気は着実の回復の道をたどり、4月には第1四半期(1~3月)の決算発表がある。現在の米国のPER15倍は「高くもなく」、「安くもない」水準である。相場の歴史が生んだ最高の投資家であるウォーレン・バフェットは株主宛ての報告書で「相場環境は1年前に比べて好転した」と語り、自身のこれまでの戦略に自信をもつ。彼が警戒する「投資家心理の貪欲さ」は全くみられない。

今週は環境関連のハイテク株に注目した。

またソニー、パナソニックの動きにも変化が出てきたことにも注目。