今週は世界の株価にとっては記念すべき2大イベントが出た。
一つは1年前に世紀のクライシスといわれる金融危機の暴落相場が大底いれ(2009年3月9日)したこと。
2007年秋のリーマンショックが金融市場だけでなく、世界経済に対しても甚大な影響を与え株価は短期間に60%以上も暴落した。現役世代の投資家にはこれまで経験したことのない大きなショックを与えた。
いまひとつは2000年3月10日にITバブルが天井をつけたこと。それ以来、今週でちょうど10年が経過した。インターネット革命という世界経済には大きな恩恵を与える技術革新が出現したが、それにとってハイテク・バブルが発生し、ナスダック指数が80%近い暴落をした。多くの投資家が被害を受け、その影響が世界経済にショックを与えた。
しかし、ここへきて金融危機もITバブルの傷あとも、人類の英知で切り抜け、安心感が戻ってきた。
金融危機も解決が見え、金融政策の出口が議論されるようになった昨今である。昨日も米最大手の保険会社AIGの子会社の売却の話が市場を騒がせた。
ナスダック指数は回復したとはいえ2000年3月10日の5048には程遠く、現在は2332と半値水準にも達していない。しかしここ10年間にはアップルのように株価が7.5倍になる銘柄も出てきたし、グールというインターネットの巨人が誕生した。
足元の相場をみていると、さまざまな難問が先行きには控えているが、ここ10年間に経験したショックが、相場の足腰を強くしたことは確かである。
それにIT革命によるグローバル化が、エマージング国という新興勢力を生み出し、地球のパイを大きくした。
先行き株式投資の環境は良好である。