足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

相場観ありきではなく・・・

2005-07-09 21:48:43 | 株式
相場の予測の難しさを教えてくれたのが先週末の世界の株価であった。
7月7日のロンドンでのテロ事件、世界中の投資家は2001年9月の米国の同時テロ事件の時を想起した。ウォール街では寄付きから売りではいるトレーダー、ヘッジファンドが多かったようだが、後場には思うように相場が下がらなかったので、まずヘッジファンドがいままでショート(カラ売り)してきた銘柄を買い戻した。それに追随買いがはいった。
金曜日の雇用統計は19万5000人(6月)の予想であったが、14万6000人と予想を下回った。
「グリーンスパン議長は引き締めのペースを上げない」という安心感が出て相場は急騰した。結局、先週はダウ平+1.4%、ナスダック+2.7%、S&P500+1.5%で終った。
理屈どおりにいかない。目先でさえ相場の予想の難しさを物語る。
こんな時、いつも想起するのはウォール街で数々の有力ファンドマネージャー、エコノミスト、アナリストを育ててきたジェームズ・モルツの言葉だ。
2003年1月、新聞記者に「現在は相場の先行きに楽観的か?悲観的か?」と問われて、「どちらでもない。私は現実主義者だ」と名言を口にした。どんなときでも相場に投資するのではなく、銘柄を選ぶという哲学だ。
「相場の予測ありき」に陥っていたのでは、成功にはつながらない。
「次はどの銘柄に?」と考える時に、いまひとり教えられるのがビル・ミラーだ。過去15年間、毎年、S&P500を上回る成果をあげてきた。現在の運用資産110億ドル(1兆3500億円)、それでいて36銘柄にしか投資していない。1銘柄当たり3億ドル強(340億円)だ。
「運用者の能力には銘柄の分散投資には限界がある」という。
われわれはやたらと手を広げてしまう。
例えば500万円の投資なら2~3銘柄というところか?
分散投資ならインデックス・ファンドか上場投資信託(ETF)を買えばよいと思う。