彼らの存在自体が奇跡なのだ。
音は予想と違った。
音の重なり方が分厚い。音も良いと思う。現代的なのか?曲はストーンズっぽい。
スタジオ・オリジナル・アルバムとしては18年ぶりの新譜。字面を読めばだいぶ間隔があいたんだなあぐらいの普通の事に思えるが、彼らは日本で言えば後期高齢者なのだ。
ボーカルのミック・ジャガーは80歳、ギターのキース・リチャードは79歳、もう一人のギターのロン・ウッドは76歳なのだ。
曲を聞いただけじゃ、何歳の人達がやってるバンドかなんてわからない。ミックのボーカルは80歳の人の声だなんて思えない。80年代と変わらなく聞こえる。普段どういう努力が為されているのかわからないが、相当の努力無くしてはあり得ないだろう。キースとロンも同様だ。
2021年にドラムのチャーリー・ワッツが80歳で亡くなった。元メンバーでベースのビル・ワイマンは87歳になっている。
このアルバムには、チャーリーの演奏がある。
「Mess It Up」と「Live by the Sword」だ。「Live by the Sword」には、ビルもゲストとして参加している。
その他、ポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、スティービー・ワンダー、レディ・ガガなどが参加している。
僕は、1980年代にRolling Stonesに初めて触れた。アルバムでいえば『Emotional Rescue』、『Tattoo You』、『Undercover』あたりから聞いていたのだ。その時代の印象とは全然違った。昔はこんなに重厚な感じは無くて、スカスカの安っぽい感じの音で、楽器の音がダイレクトに聞こえてきたと思う。
ミックのボーカルは変わってない。
僕の好みは、①Angry、③Depending On You、④Bite My Head Off、⑤Whole Wide World、⑦Mess It Up、⑨Driving Me Too Hardあたり。
アルバム・チャートは、英国1位、アメリカ3位。この事実も驚異的だと思う。
シングル・チャートは、「Angry」、「Sweet Sounds Of Heaven」が英国でそれぞれ34位、2位。アメリカではBillboard Hot 100には登場せず、US Hot Rock & Alternative Songsというチャートでそれぞれ32位、45位だったようだ。今後上昇するかもしれないが、シングル・ヒットは難しいのかな?時代に合わないという事はないと思うが。