Y男の日誌

映画を見た、本を読んだ、どこに行った、何か考えたなどなどのY男の行動記録。政治の話題も。暇な時にしかアップロードしない。

都会と田舎

2013-03-19 00:33:31 | Weblog
都会には匿名性がある。
人口が多く人々は他人に無関心だ。書店やCDショップやデパートをぶらぶらしても、知り合いに会う事は無い。それらの店もあちこちにたくさんある。風俗などの怪しげな場所に出入りしても群衆に埋もれてしまう事が出来る。

田舎ではそうはいかない。隣近所に関心がある。他人に干渉してくる人が多い。にぎやかな地域はあるが広くはない。店は少ない。人々が出かける場所は限られるから同じ場所にみんなが集まる。知り合いと出くわしてしまう可能性が高い。

都会の人は冷たくて、田舎の人はあったかいとはよく言われるが、干渉されるのが嫌な人からすれば、あったかい事が必ずしもありがたい事なわけじゃない。

田舎で俺の実家の隣は床屋だった。俺はその店主家族があまり好きじゃなかったが、親から必ずその床屋に行くように言われていた。俺の実家も商売をしていたから、近所の人達はつきあい上買い物にきていた。近所には子供たちの学歴(進学先の学校名)に異常に関心を持つおばさんがいた。ライバル意識も旺盛で噂話もよくされていたようだった。自分が幼い時からの事を何でも知っている赤の他人がたくさんいるのだ。

俺はそういうのが嫌で都会に出てきた。
孤独だが一人ひとりの行動に自由がある。どこで何をしようとも誰も関知しない。匿名性はありがたかった。隣に住んでいる人がどんな人なのかわからないから、助け合う事(干渉し合う事)は無い。

音がうるさいなどの問題でトラブルはあったが、概ね快適に一人暮らしをしてきた。親戚に不幸があった時だけ少し田舎に顔を見せて済ましてきた。煩わしそうな問題は両親に押し付けて。
しかし、ずっと田舎を離れて一人で暮らしを続け自分も年を重ねていくと、自分に関心を持ってくれる人がいない事が寂しく感じられる時がある。一昨年に入院した時は自分一人で準備して電車に乗って病院に行った。退院の時も一人で帰ってきた。

おじ様おば様も亡くなったりボケてしまったりして、自分が小さい時の事を覚えていてくれている人達がいなくなってきている。やがて親の葬式を出す事にもなるだろう。田舎に帰らなくてはならなくなる日が来るかもしれない。
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