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Y男の日誌

映画を見た、本を読んだ、どこに行った、何か考えたなどなどのY男の行動記録。政治の話題も。暇な時にしかアップロードしない。

『ノー・カントリー』 (2007年) 再び

2012-06-11 19:55:15 | 映画,DVD,ビデオ


原題は『No Country For Old Men』。
舞台は1980年頃のテキサスとメキシコ。
ベトナム出兵経験のあるルウェリンはインパラのような動物の狩りしていた砂漠で、ヘロイン取引のいざこざで撃ち合いのあった現場にたどりつく。そこには多数の死体があったのだが、まだ生きているメキシコ人の男が一人いて水を欲しがっていた。ルウェリンはその近くで200万ドルの入ったカバンを見つけてトレーラーハウスの自宅に戻る。

夜、ルウェリンが水を持って再度その現場に行くとそのメキシコ人は死んでいた。そこに麻薬取引の一味が現れルウェリンは追われる事に。

ルウェリンは金を持って逃走、妻カーラジーンにも母親と一緒に移動するよう促す。

シガーはこのヘロイン取引に絡んでいて砂漠の現場でルウェリンの車の登録証をはがし、ルウェリンを追いかけ始める。金のカバンには発信機が仕込まれていてルウェリンの泊るモーテルやホテルをシガーは特定する。ルウェリンはシガーに撃たれながらも間一髪のところでシガーを逃れシガーを負傷させる。しかし、エルパソのホテルでルウェリンはシガーに殺されてしまう(シガーがルウェリンを殺す場面は無いので想像)。その後、ルウェリンの妻カーラジーンもシガーに殺される。

かなり端折ったが、その過程で保安官補、一般市民、金を追うメキシコ人やベトナム帰りの男など非常にたくさんの人々がシガーに無残に殺される。結局保安官はシガーを捕まえられない。

主役は実は老保安官。あまりの残虐な連続殺人事件に戸惑い続ける。自分の経験の中では全く歯が立たない事を嘆く。自分達老人にとって理解出来ないような行動をとる人々が現れ、それはまるで国が存在しないような時代になってしまったというのがタイトルになっている。

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コーエン兄弟の映画をいくつか見てたら、しばらくぶりに『ノー・カントリー』を見たくなった。見始めると何度も見てしまう。不気味なんだが面白い。引き込まれる。
引きつけられるのはシガーによる暴力的な殺人シーンだ。犯罪に関わっている者、いない者皆シガーの餌食になる。サイレンサー付きの散弾銃や圧縮空気使用した特殊なガン(に使うものか?)で簡単に人々は殺されていく。絶対に逃れられない。
シガーに撃たれる前に、ある者は『俺を殺す必要は無い』、『私を殺す理由は無いはず』と訴えるのだが、シガー同意するも無慈悲に容赦なく殺す。手を煩わせたという理由なのだろうか?

なぜ俺はこれらの残忍なシーンに引き込まれるのか?そういう事をしたいという欲望があるのだろうか?

amazonと映画のHPでレビューを見ていたら、シガーは誰にでもやがて訪れる『死』の象徴だと書いている人がいた。確かに善人にも悪人にも死は訪れる。容赦なく突然訪れる。シガーが最後のあたりで交通事故に遭うのは、これだけ強いシガーでも勝ち続ける事ができないという事を表現しているという見方があった。


ルウェリンが血まみれの状態で国境を超える時、少年3人に対して500ドルで上着を売ってくれと言う場面があった。同じようにシガーが骨折して少年にシャツをもらって100ドル札をあげるという場面があった。同じ様な場面が2回あるのはなぜかを指摘している人もいた。


金の入ったカバンは結局どうなったのか?どこにあるのか?
シガーによって非常にたくさんの人々が殺されているのに、捜査に動いているのは保安官二人くらいなのはなぜなのか?
保安官がホテルの部屋に入った時、そこにシガーがいたようだが鉢合わせしなかった。どこに隠れたのか?
ルウェリンは結局殺されたがどのようにシガーに殺されたのか?
主演はトミー・リー・ジョーンズなのだろうか?

コーエン兄弟の映画の特徴か?放置されている問題がいつものようにいくつかある。
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