お祭りは神事である。豊穣に対する祈りであり感謝である。仏事とは相容れないために忌み事があったところは素通りする。
この地区で獅子舞保存会をやっているハラちゃんが、お神輿が新築したお家の玄関前に据え付けてお祓いごとを行ったあと、その前の空き地で獅子舞を舞うのに、この一年内に忌み事の有りや無に気をつけながら廻らないといけない・・などと云っていた。昨年の喪が明けた近所のバレエスタジオでは昨年の喪が明けたことでさっそく今年は駐車場で獅子舞を舞ったそうだ。
遠くで太鼓の音や大人神輿のワッショイワッショイの声が流れる間をすり抜けて、きょうも刑余者相談室に向かう。今日会った青年は、元甲子園球児であった。強豪と云われる高校を卒業していた。なぜか最近今日のような甲子園球児だとかサッカーで全国大会に出場したことがあるとかの元選手がいるのことが気にかかる。性犯である。しかも7年ほど前にも一度捕まっているが、出所してまたも犯罪を犯している。2度目の刑務所である。野球部に3年間在籍しその体験上だろうか、物事をハキハキてきぱきと対応できる。私の質問にもよどみなくストレートに答えてくれる。一見誰でも好印象を与えるだろう・・の印象。しかも体力は人よりありそうで・・・。青年の信条や今までの自分が勝ち得た価値観の類について聞くと、人間、どんなことがあろうとも勝つことが何においても最も重要である・・とぬかしおった。帰る家には実の母一人がいると言う。
午後の「こころ塾」では一人娘が、薬によりめちゃくちゃにされた、医師を訴えたいと話す母親が相談室にやって来た。幻視幻聴があり、その医師が出した治療薬で娘が余計に悪くなった、などと。
それよりも本日最後に相談を持ちかけてきたこころ塾塾長の相談が最もきつかった。労務管理的なことである。
それが終わる頃、大街道3丁目のロープウェー街にも宮入前のお神輿がワッショイワッショイの声を大きく叫びながらうねっておった。