年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

昨日迎え今日送り

2015-07-31 00:00:00 | Weblog
 
 送迎係は疲れている。4男を港まで送っての帰り道、連続で座ったままではチトしんどい。で、途中の長浜港にて小休止。目の前にあおしま丸が係留されていた。

 青島は、猫の島として今観光客が増えているのだそうだ。私も何年か前に行ったが、下船すると同時に近寄ってくる数えきれないほどの猫にびっくりしたことがあった。
 帰りに“あかり”ちゃんの顔見て帰ろうと実家に立ち寄る。家々に七夕飾りが出されている。顔見知りの人にワケを聞くと日曜日にトライアスロンが行われるんだとか、それに合わせて笹飾りを出しているんだとか。
 やっぱりここは夕陽の町、陽が落ちようとする頃、カメラを構えている人が数人いた。





 そして水平線の下に隠れると、次は静寂。



 4男に今後の予定を聞くと、7日にフェリーで神戸港に上がり堺市に入る。9日に試合があり。予定として14日の決勝まで残る予定、それから奈良のおバァちゃんちに車で行く。それで少しばかり遊んでから大学に帰る予定・・などと4男がおカァさんと喋っていたが ・、母親が、じゃ決勝まで残ることはないよ、早く負ければ私は12日まで奈良にいるからおいでよ・・などと早めに負けることを期待しておった。しかし4男は、今回は、昨年の悔しさを挽回しようと気合いが入っている・・みたい。

いっときの帰宅

2015-07-30 21:39:12 | Weblog

 4男がこちらにいた何年か前に矯正歯科に通っていたことがあった。あごの骨が突き出て下側の歯が上側の歯の前に出る不具合がありそれを矯正するために、歯並びを整えるために市内の歯科医に通っていた。ところが、つい先日そこが調子悪くなったのか、いつも行っていたこちらの矯正歯科医に行きたいという。それでとりあえず夏休みで予約一杯ではあるが無理を言って明日の一日の比較的空いてる時間に予約を入れてもらった。
 大学も夏休みで暇だと思うのは私たち夫婦のような文系出身の特徴らしいが、4男の在籍する医学部は夏休みでもゆっくりのんびりできる時間が取れないらしい。朝から医学の本を開いたりPCに何か打ち込んだりして時間が足りない生活を送っているらしい。しかも空いた時間にはサッカーの部活がありさらに、どっかの塾の講師のバイトをやったりと忙しそうである。
 それらの全部をキャンセルして二日間だけ帰省することになった。で、いつものように2時間ばかし車を走らせてフェリー港までお出迎えをすることになった。


 で、帰りの車中の話題1;
 そうかそうかぁそうだったのか、写真見せてよ~・・と見せてもらったのは、つい先日阿蘇の大観望に遊びに行った相手のお友達のこと、ウンお友達とはGirl friend のことだったのか、スマホをめくっていると、ナヌ・・台湾に行ったお友達も彼女と一緒だったのか・・オ~ットトトト。お友達とは沖縄・首里城出身で4男と同じ4人兄妹の4番目だとか、兄妹で活躍するプロゴルファと同じ名前だとか。可愛い顔をしていた。どちらかといえば次男3男のお嫁さんより長男のお嫁さん系かなぁ。同じ医学科の友人らしい。
 話題2;
 お~、普通に標準的な悩みを持ってるなぁ、と思ったのは、部活の仲間のこと。人間関係についてである。関東出身と関西出身の同級生が4人いるらしい。次のキャプテンは関東出身で元清水エスパルスのU-18出身、このキャプテン候補に女性マネージャーがくっついていて、反対に奈良県高校サッカー選抜でもあった関西出身の同級生や高校サッカー県大会を制した地元の仲間と4男本人の関東系2と関西系3人がうまくいってないらしい。関西のノリが関東系には通じないらしい、しかもこの8月にはサッカー部を運営する役が回ってくるためにクラブの雰囲気が確実に変わって来るらしく、サッカーそれ自身はパスサッカーとなって今までのような蹴るだけのサッカーから変わるのはうれしいが、雰囲気が固くなるだろうと。関西系はみんなで飲み会ヤロウ中心で冗談やふざけ合うのが大好き・・にもかかわらず関東系が誘いに乗ってこない…つまり雰囲気がぎくしゃくしている。人間関係がうまくいってないんだとか。そのような悩み・・。
 
 今日の車中は、4男の悩み相談室と化した。このことは昔、同じように3男が千葉で学んでいた時にもたびたび聞かされていたこととおんなじ。そこで、やおら日頃の相談に携わる私も傾聴スタンスから、問題点をあぶりだしてお答え。

 そもそもお江戸には幕府があり、時のお殿様がいて政を司り、今は地方から出て行った政治家が集結し物事を決めるなど、お武家さんの発想が色濃く残り、官僚の棲家となり庶民を束ねる。世の安定を図るための発想がもともと下地にあった。一方の浪花系は商売の町であり、相手の懐に手もみしながら飛び込んで人間関係を作りながら生活をしていた下地がもともとある。だから相手の中に飛び込んでいくことは必須のこと。一方は組織を形造りトップダウンでの風通しよろしく全国からの富を組織的に吸い上げる構造、経済的には搾取構造に着手することがうまかった。他方関西は日本を牛耳る組織はないが、お武家さんに対してそれが持つ組織を使って利権を得、さらに潤う構造にする。ここのところに東京のエスカレーターと大阪のエスカレーターでの立つ位置が違うのを考えれば、自分が中心となるか相手を中心とするのかの違いが昔からの下地を通してあるのかもしれない。
 ・・・そのような関西関東の話で盛り上がる。そのような時間あり。途中で3男から家によって・・の連絡あり。4男と“あかり”ちゃんと初のご対面。そしてケンちゃんとおじいちゃんのいるお墓参りをして帰ることに。でも珍しく帰省した4男は、もう一つおばぁちゃんにも会いたいとか。何のことはない・・・行けば集金ができると踏んだのだろう・・。
 次月の西日本医科大学体育大会でのサッカーは、堺市のナショナルトレセンで開かれるとか。昨年は能登で開催され、まさかの1回戦負けを喫しておったが今回は気合いが入っているらしい。股関節の治療の結果ずいぶんとよくなったので、調子上向きで点を取れるようになった・・などと喋っておる。学生時代は懐かしいんだろう。札幌の次男も学生時代には7帝戦でアイスホッケーの試合があり各地に出向いていたようだが、今もってアイスホッケーをしている。先日も電話があり、今から月寒のアイスホッケーのリンクに行ってくるなどと、子育てを放棄して遊んでおった・。

連ちゃん

2015-07-29 21:03:38 | Weblog

 この二日ほど朝の連ドラを見逃している。はたして「まれ」はロールケーキをうまく作れたのか、能登の方はどうなってるのか、とか。筋書きがワカラナイ。毎日欠かさずNHKの朝ドラは見ていたのに見ることができなかったわけは、昨日は、始まる前の8時に珍しく出勤したため、そして今日見ることができなかったのは、実は保健センターに二人で9時予約の健康診断を受けるためであった。バリュームも飲んだ、心電図も取った、胸も撮った、大腸がんを調べるための検便も取った、血液も取られたのが私、妻の方はそれ以外に乳がんやら何やらかやら取ったので9時から始まったのに終わったのが11時半。私の方は10時半には終了したので待たされることになる。朝食なしにつき腹が減った。

 午後は「こころ塾」へ。今日は3人の予約があリますから、早く来てくれ,などと、スタッフからメールあり。
 一人目は、リスカの傷跡が生々しい腕を隠すことなく半袖の白いブラウスから両腕をのぞかせ、緊張した顔つきでの相談。傾聴傾聴などとこちらサイドの都合でスタートする。次にどのような場面で行き詰ったのかのエピソードとその時の自分の認知の仕方など、感情の移り変わりや気分とその後の生活態度などの質問を繰り返し、どうして自分は詰まってしまうのか・・を気づいてもらう作業。相談時間を持ちながら、私の予定調和の向かう先は、32歳の彼女の「笑顔」を作ること。継続相談となる。

 記録表を書く時間もなく、入れ替わりに入ってきた人は、継続的に相談をしている50歳代の男性。先週会った際、話に出た内館牧子さんの「必要のない人」の感想を聞こうと・・・。すると彼は、あまりにも自分ぴったりで、怖くて最後まで読むことができませんでした・・と云う。気付きを促すための材料になるやもしれん・・と考えていたので提案をさせてもらったけれど・・・。
 自分たちの心の中には常に二人の自分が同居する。強い自分と弱い自分、誘惑に負ける自分と誘惑に勝つ自分、やる気がある自分とへこむ自分、恥ずかしがり屋の自分と誇らしく得意気の自分、闘う自分と遁走する自分、勇ましい自分と意気地の乏しい自分、疲れ顔の自分と生き生き表情顔の自分・などなど、常にポジティブな気持ちとネガティブな気持ちが起きてる時間帯には繰り返し行ったり来たりする。打ち寄せる波のように。この振幅が少ない状態が穏やかな状態と云うのかもしれない。今日の彼は、自宅に帰った時の明るい表情を奥様に見せたいが、どうすればよいのか?と質問が来たので、二人で考えた。サテサテ。
 最後の3人目は5時の予約。以前に気分障害で狭い空間で頑張っていた人である。その女性が訪ねてきた。オ~久しぶり~のあいさつ。実は彼女は「こころ塾」開設後間もなく相談にやって来た一人である。今度責任のある地位での仕事を任されるようになり、新設の事業所に異動することになりました。の報告を受ける。広島の十日市町にある私と同じ姓の菓子処でのお土産を持参して報告を受けることに。

 良いこともあればうまくいかないことも多いのもこの世。みんな・もうちょっと…の~ンびりすればいいのにナァ・・などと思う。しっかり、早く、もう少し努力して、ぐずぐずしないで、勉強して・・などの言葉は高度成長時代の会社側が従業員に採用時もとめられていた最低条件だったのかもしれないが、今それがストレッサ―になっていないか・・。

7月も終わりに近づく

2015-07-28 17:54:41 | Weblog
 女子刑務所が今日の訪問先である。若い女性の就労支援が目的。今日の受刑者も、以前テレビニュースでの報道に出あった覚えがある。そのような自分のメガネをはずして、これからのまっとうな社会人として就労生活が継続できるように情報提供など含めて釈放後の道順を案内することに。男子刑務所が「冥い」に対し女子刑務所も「昏い」。今日の対象者は、久しぶりのシャバである。まぶしいだろうと想像する。6年以上も刑務所にいたために今まで培った仕事の技術レベルが落ちていることを心配している。それよりも自己開示した上で仕事をしたいという。でも現実は事件の開示をすれば、拒否されることの方が圧倒的に多い。罪名の種類にも因るかもしれないが、確実に今日の対象者は社会から拒絶されるだろう。社会は人をよき人となるように指導する環境に満ちているわけではない。その内のわずかな事業主さんは、協力を申し出てくれている。
 社会を引っ張るリーダーとしてそのような方にお願いをしたいと思うが・・。

 刑務所内の相談室の数室すべてに入り口の赤ランプがついていた。栃木や和歌山、岩国や麓から移送されて入室する受刑者が多いためであろうか・・。それで面接室は共同房を通って別棟へ行くことになる。
 このような面接を通していつも思うことがある。自分の「言の葉」に果たして言霊が宿っているだろうか、の疑問あり。男子受刑者が釈放前に私に示す不安な顔が女子受刑者にはそれが強く表れないように映るのは私のうがった見方であろうか・・。
 遅いお昼ごはん弁当はいつもの公園へ二人で。今日のご飯はトマト弁当。ベンチの前をトンボがたくさん飛んでいた。

 長男宅のお嫁さんから写メが来た。つい先日6歳になったばかりの上の子と3歳の下の子。「だいぶ二人で遊べるようになってきました!公園の水遊びで、最後まで帰らないのはうちだけです・・・」などと。

薬が切れる

2015-07-27 22:00:44 | Weblog

 年々病院から与えられる薬の量が増えている。血糖値を下げる薬、血圧を下げる薬、前立腺の薬、腰痛の痛みどめの薬など合わせて毎日飲むお薬は8錠。それと痛みにより夜中に飛び起きないよう、また何度もトイレに起きないように時々眠剤も飲んでいる。別に薬品メーカーを潤すために飲んでるわけではないが・・。

 中学校同級会の新しい名簿を作っていた先週、ユタカちゃんから連絡があった。ヨ~イ・・山本のカツが糖尿病で死んだよ~・・、と。それで名簿の中の住所と郵便番号を削除して、(ご逝去)と入れる。昨年から名簿を更新するのに、事故死、病死、自死と聞かされる同級生が立て続けにあり書き換えることが続いている。
 
 今日の病院は生協病院。昨日は泌尿器科クリニックでDrとおしゃべりをした。どう?近頃は?、おしっこの出ぐあいは・・?ソウデスネ・・ジャ~ッと勢いよく出ますけど回数が多いですね。そりゃいいヨ、夏は膀胱が柔らかくなるので膨らみようがエエんやろ、(顕微鏡を覗きながら)おしっこもきれいよ~、いつものお薬出しとくけんね、でおわり。診察室はジャスト1分で退室。ここのDrは上から目線でないのがいい、質問に対して的確に手短に応えてくれるからエエ。さらにお坊ちゃま顔だから憎めない顔していつもニコニコ顔してるのがエエ。に反して生協病院のDrは・・・
 前回診察室に入った際の女医に頭にきた。その結果、女医に計ってもらった血圧が上が190をマークしたほど。ものの言い方や態度に頭にきたのが原因だろう。所詮医師は医療技術を持った接客業サービス員だと自分は思っておる。サービス係はお客を満足させて病気が治り、家路についてもらうことが高い医療費に見合う仕事である。治すのは患者本人の仕事、そのお手伝い係が付添いの医師だと自分は考えておる。だから患者側は医師の能力を見極める力も必要だと思う、但し、医療のことは当然医師に任せねばならない。反面に接客態度だけはきちんと見なければならないと思っている。

 で、本日のDrは、口数の極端に少ない人。出された紙の数値を見れば素人の私でも大体わかる。だって、それくらいの説明しか20数年間してもらったことがないゆえに。今日の血圧上が122下が88、エーワンシーが6.3。まぁ上々の数値ではないかと、医師に聞くと、そうですね・・と答えてくれた。そうだった、患者は医師から自分の気に入るような答えを引っ張り出さなければならないのだ・・。

無念

2015-07-26 19:59:20 | Weblog

 孫カメがとうとう負けた。勝つのではないか・・と期待していたが。ジイ亀さんは、孫の手が可哀そうでならぬとぼやいていたけれど・・・。先々月には左手が骨折して十分な練習ができないうえ、今大会では右手指の皮が破れて思いきり変化球が投げられる状態ではない、などと私に一昨日話してくれた。しかし今日の準決勝のために自分よりも孫達にウナギを食べさせないといけない・・などと云って近くの魚屋さんに孫カメのためにごつい蒲焼を注文したほど。孫カメさんは3人いる。孫カメ2は高校生でテニスの選手、孫カメ3は中3で野球をやっており、ついこの間の○○大会ではホームランを打ったよ、と報告してくれたが、孫カメ1もこの前の準々決勝の試合では同点ホームランを打っておった。でもここにきてとうとう負けたか、の感想。相当に残念であったろうと思う。然し東高の生徒さんはみなさん頭がいいから、これでお勉強方面に時間を多く取ることができるので、それはそれでよかったのではないか、などと不遜に思う。

 久万高原町へ車を走らせていると4男から電話が入った。どこからかけてるノンかと聞くと、大観峰からだと云う。

 ナント、阿蘇に遊びに行ってるのか・・。で、聞くことは一つ。誰と行ってるのか?という興味。
 阿蘇5岳の寝観音の姿は、大観峰からの景色の方が一般的であるけれど、自分は牧ノ戸峠から見る方が好きである。左の頭部分の根子岳の脆い岩山に登ったことがある。岩がボロボロ崩れて途中で止めた。ハーケンにカラビナ、ハンマーに20メートルザイルを持ち上がって行った覚えがある。しかし残置ハーケンも見つけることはできたが、すぐ抜けるほどでボロボロ。滑落怖さにさっさと根子岳南側の鍋の平にテントを張ってキャンプしたことがあった。私もなかなか元気な時期があった。私が20台の頃。その右が最も高い高岳が胸にあたり、中岳に続き杵島岳に烏帽子岳がある。手前の高原は国内でも2番目か3番目の広さだとか。

悪夢

2015-07-25 00:00:00 | Weblog
 私の周りの何人かの友人に寝室について尋ねることがある。つまり夫婦一緒に寝るのかどうか、布団は一緒か、部屋は同室か・・などである。10数人の内一人だけが布団は二組ではあるが同室である、と仲の良い老夫婦?の寝方を聞いたことがあるが、他すべて別室で別の布団であることをなぜか誇らしく私に言い放つ友人だけである。
 かくいう私の方も別室別布団生活が子どもが生まれた時以来続いている。
 で、今朝がたなかなか部屋から起きてこない妻である。いつもならラジオ体操の前の時間にはきっちり下に降りて来るのにである。今朝は7時に起きてきた。私に、起こしてくれればよかったのに・・などとなじってくる。どうした?とワケをきいた。そうして笑うてしまったワイ。

 夢で見たこと。今朝4時頃悪魔に追いかけられたのそうだ。恐ろしくなり手で力いっぱい振り切って追い払ったのだそうだ。そうしたはずみにベッドから落ちたのだそうだ。ドスンと。少し高くしているベッドには柵がない、そのベッドから手を振って悪魔を追い払う途中で悪い右足の方から落ちたのだそうだ。外れやすい人工骨とうが心配になり立ってみると問題がない、また二度寝をしてしまい、遅くまで寝入ってしまったとか。どんな悪魔だったのかはもう忘れておる。

 私の方、日除けの藤棚の下でウトウト。横を見やれば
 入道雲。
 妻は夢を見るのが嫌いである。だから浅い眠りになる時間帯の5時~6時前後に起きることが若い時からの癖となっている。反対に私の方は夢を見ることを好み、自分が出演している映画を見るようで、途中トイレに行くために目が覚めても、引き続いて映画の続きを見るようにする癖がある。ちなみに途中で目が覚める画面では野外であれ部屋の中であれところかまわずトイレと化しているのがちと恥ずかしいが・・・。

梅雨が明けた

2015-07-24 00:00:00 | Weblog
韓国映画に「ハーモニー」がある。
 
 いつ見たのか忘れたがこの映画に感動した。実話だという。
 チョンジュ女子刑務所に収容されている女性が、檻の中で出産をし、規則上18ヶ月間だけ赤ちゃんと過ごすことを許された。やがて赤ちゃんが養子に出され親子が離れ離れになる。その時刑務所内で情操教育のための合唱団が結成される。その合唱団が刑務所外で公演をすることとなって、女性が産んだ赤ちゃんが成長した姿で養子先の両親に連れられ公演会場で再会を果たす。そのような涙が出る筋書きの物語であった。

 今日の私の相談場所は県内にある女子刑務所である。今まで男性刑余者の相談が中心であり、受刑中女性の相談は初めてのこと。もちろん釈放後にはハローワークにおいて女性刑余者の相談は、少しばかり経験があるが矯正施設内での刑期中の女性は初めての経験。そこで知恵を借りようと就労支援に深い見識を持つジョブカフェのYさんに相談をする。
 釈放前施設内での相談と釈放後の市中での相談では、同一人物において心が変わる男子刑余者を数多く見てきた。しかし女性刑余者は塀の内側と外側ではどうなんだろう。それでYさんに通常の一般若年女性の就職に向かう考え方などをお聞きすることにした。若年女性一般求職者の標準レベルの就活での心理について。返ってきたメールに「女性は正しい正しくないという判断ではなく、私を分かって欲しい欲求が強い・・・」とあった。なるほど。であればなおさら受刑中の身、法律により裁判官から言い渡された刑期中の気持ちについて、釈放前・後の変化を「解って欲しい」系に的を絞って相談に入ることにしようかと。いろんな質問を繰り返しながら、傾聴技法にある、うなずきや繰り返し、まとめて返しての相手の確認など自分らしくない対応が続く。キーワードは仕事のこと。その周りの不安感など聴いたり、訊いたり・・・。Yさんのアドバイスによると、「明るい雰囲気の中でやりましょう」とある。つまり、笑顔を取りながらである。

 今日の面接室に入室してきたのは36歳の女性。中学卒。両親はいないが姉がいるも音信不通が続いている。よって身内での身柄引受人なし。実家での一人暮らしをしていた。罪名窃盗。スーパーでお菓子一袋、お総菜一つで計324円。再度の窃盗は雑誌1冊とジュース1缶で計626円。2度の窃盗による金額は950円。すでに弁償済み。IQ指数が71。室内では私の後ろに刑務官に法務官のお二人がいる中で淡々と相談をすること55分で終了。

 韓国映画「ハーモニー」の主人公の女性は、義父による性的暴行に対する殺人が罪名。今日の女性は、金額レベルから見れば、な・なんとという窃盗。
 いずれの罪名刑名刑期に違いこそあれ一方は義憤があり、一方では生活苦がある。共通する哀しい現実にどのように立ち向かうのか・・・。

 梅雨明け宣言があったようだ。
 午後1時までは東予地区で刑余者の相談があり、2時からは自分らしくもない人権教育協議会委員会が市役所であり、運営等についての話合い。帰り道ちょっと久しぶりにハローワークプラザに立ち寄り仕事中のRさんと雑談。また久しぶりに愛っくるしい顔のSさんにも。Uちゃんともバカ話をして帰途につく。バカ話をする自分が最も自分らしい時間でもある。
 今夜は梅雨明け記念日として二分刈バリカンで丸坊主の散髪をする。丸坊主にしたのは中学生以来。
 背を丸め頭を丸めて歩いておる・・・

今日も梯子

2015-07-23 00:00:00 | Weblog
 二人で朝ご飯を食べながら本日の行動予定を確認し合う毎日である。朝ご飯も最近はパンよりご飯の方が多い。理由は解らないが炭水化物の摂取量がパン1.5枚とお米のご飯お茶碗に軽く1杯を食べるのを比較するとカロリーはどうなのか・・を計算しているのかもしれない。

 で、本日の計画。朝1で8時45分予約の大学病院脳神経外科診察のためのMRI検査あり。眼科では瞼を閉じることができないことや涙が出ないことなど、眼科医の診察領域ではないらしい。それで脳神経外科受診とする。
 Drの診断では視神経に大きな損傷はないこと、涙が出ないことなどは末梢神経に問題があるのだろう・・の診立てであった。事故当日の緊急医療センター医師が即死してもおかしくないレベルであると夜中に説明を受けたことを考えると妻の命の奇跡を思わずにはおれない。次・・・、

 リハビリ病院の予約時間は11時。アッチャ~間に合いそうもないナァ・・などとぶつぶつ言いながらも10分遅刻で松リハへ到着。終わったのが12時。それからいつもの公園へお弁当持参で。この頃の長雨で散歩をしていないために足のくるぶしや膝に痛みが出るらしい。雨も上がっており妻はご機嫌で足に病院から出してもらったシップを貼っていつものように450mのグランド外周をクルクルっと5回まわり、その間私はベンチで寝ておった。トーさん帰るよ~、の声で気がつく。1時半までには自宅に帰りたい。次・・・。

 「こころ塾」に私への相談が予約されている。3時までには塾に着かねば・・と、左足ふくらはぎに猛烈に痛みが走る足を引きづって左右両手にmonbell登山用トレッキングステッキを持ち、強引に足を引っ張りながら予定の時間に5分遅刻して到着。ノルディックウォーキングなぞとんでもない歩き方。ヤレヤレ。有料相談時間をこれまた少しオーバーして終了。またまた痛む足を強引に二本のステッキで左足を引っ張りながら、10分ほど歩いた所にある駐車場の車に乗り込むことに。乗れば安心ヨ、右足だけを使うからOK。

花より花火

2015-07-22 20:43:48 | Weblog
 山藤章二のブラックアングルの似顔絵にしばしばデフォルメされて描かれている一人に脚本家の内館牧子さんがいる。顔の特徴が何とも言えない雰囲気を持つ内館さんは、大の相撲好きである。昔水戸泉関を心の夫などと公言していたほどで横綱審議委員の一人であった。横綱の朝青龍に対しても横綱の品位についてかみついていたのが面白かった。また今も東北大相撲部では総監督の役職を得て相撲の隆盛に一役担っている。週刊誌にも連載記事を持っていて切れ味のある文章も、そして幅広い交友関係も面白く描かれているのでよく目を通している。
 内館牧子さんの「必要のない人」を大活字本で読む。
 主人公は60を前に大手新聞社の印刷部に所属していたが関連会社に出向した。でもうまくいかず退社をする。高卒後活版印刷、オフセット印刷とインクのにおいが染み込んだ空間で生きてきた。この匂いから遠ざかることで自分を見失っていく。趣味もなくやりたいことも何もない毎日、朝っぱらから酒を飲みグダグダと一日を過ごす。そんな旦那さんを見て奥さんは離婚しようか・・などと迷っていく。そのような筋書きの本である。
 (やっぱり花火でしょう。)
 この筋書きに沿っての話は、私が今現実に相談を受けている。ただし奥さんではなくご主人さんの方から相談されておる。何も興味も持てないし目標もない。自分はつまらない人間だ・・などと愚痴っている。奥さんにも毎日愚痴っているようで夫婦仲も怪しくなってきた。その途中に「こころ塾」を訪ねてきた。この手の相談内容は塾長も私にパスを出してくる。本人にとっての必要な愚痴は、周囲を不幸に引きずり込むが、本人だけは癒される、ってのはなし。

 はじけることができない定年前の男の人。夢も希望も何もない。あるのは過去の思い出ばかり。その昔の決して戻ってはこないことを美酒として飲んでいる。これが幻想だと思うこともない。そのような生真面目に働いてきた側面が哀れな感傷を引きづる。

 人生一度パッと咲いてサッと散る花火のようにはゆかないようだ。いつまでも咲き続けたい欲望が過ちを誘導する。脆弱な欲望なぞ暗闇に熔かせばいいものを、きれいに闇の中に葬ればいいものを、黙して枯れればいいものの・・。