本日のクライエント・30歳前半、国内では最も偏差値の高い東京にある私立大出身者。先月で某テレビ局を退社した。退社理由を聞くと、低俗な番組作りに加わる自分が情けない、一方でテレビ局は、批判ばかりをする番組が多いので嫌気がさした……、今後の自分の人生を作り変えたいので建築系統の職業訓練を受けたい、と言って手続きをして帰った。ほとんどの人が、なんで~モッタイナイヨナァ、入るのが難しいTV局を辞めるなんて、と考えるだろうが、私は傾聴に努めた。何も感じることなく。今の若い人たちにこの手の話に遭遇することがちょくちょくある。かつてJR西日本の尼崎脱線事故現場の会社、日本スピンドル工業がその事故現場に対する社長の下した決断に、若い人がもろ手を上げ支持したように、高度成長を担ってきた大人の価値観を見下すように優秀な若い人が静かに動いている。そのような気持ちになった本日、朝の雨が上がり空は灰色の厚い雲に覆われていた。
作家・半藤一利の話を聞く。国家目標としての「富国強兵策」をベースに日露戦争を通して天皇を中心としたアジアの盟主たろうとした。そのような一時の成功体験が太平洋戦争(海軍の呼称)=大東亜戦争(陸軍の呼)の敗戦へつながっていくが、時のリーダーは一世代前の人たちがやった経験により成功体験をさらに膨らませようとした。要は自分たちの成功体験に基づき次の時代を作ろうとしたことではなく過去の人たちの経験をトレースしてふたたびの成功を企てたものである。もっと強くなりたいというつっぱり欲望が誤った選択肢を選んだ。つまり、苦労した経験のない人が欲の皮を突っ張ろうと考えたことであろう。成功体験からプラスのことは何もない。今の日本はバブル時期を経て一見成功したかのように見えるが、成功から得られるものはない。現代は設計図がない。選択を誤らないようにしなくてはいけない・・・といった内容。
昨夜からホテルに泊り込んで県大会新人戦に出場の下の子供、1年生でメンバーには選ばれなかったようだけど、試合のあった宇和島のサッカー場まで2時間かけて見に行った。子供の高校は予選を勝ち抜き来週は準決勝と決勝がある予定。
大川栄作が歌った「山茶花の宿」は密かに人妻を恋う歌詞だったように記憶があるけれど、この花は地味で、いまどきのお花屋さんに並べている花の鮮やかさとは少し趣が違うと思う。しかし、花の少ない冬のこの季節、精一杯咲いて見せてくれる姿勢が、すこし哀しくもある。と感じるのは私だけであろうか。
樹木に氷がくっついた世界に身を置くとなんだか気持ちも軽やかになってきて歩くことが楽しくなってくる。それよりも、むのたけじさんの詞集「たいまつ」に出てくる言葉にあるように小枝に絡まる氷の下に春の芽吹きが既に始まっている、そんな自然界の生命力に感動すら覚えます。
頂上まで行けなかった悔しさが引きずっておりましたので再度行くことにしました。今度は元ジョブカフェセンター長のIさんを誘いゆっくり頂上まで登ることが出来ました。Iさんは物静かな教養あふれた方で一緒に歩いていても静かな時間を共有できる数少ないうちのお一人です。二人で自然が織り成す景観に感動でした。