時々街に出たとき覗く本屋さん、前から気になっている本がある。平台にて山積みされている長ったらしい名前の本、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」ダイヤモンド社、である。昨年から目についている。私の場合、本を購入するパターンとして、希少価値ある良い作品は古本屋で探す、あるいはamazonで探すことが多いために書店で買う機会は少ない。特にベストセラー本は、そのうち大量に古本市場に流れてくるので待てば必ず安く手に入る。だから書店で買うのは、好きな作家が最近出しているもの、と新しい面白い作家が出している本の発見に努めるくらいか。本屋さんの探索でもう一つ楽しみに私が見ていることに、傾向として、どのような題名が本につけられているか、がある。時代の流れを読むカギが隠されていると感じるからである。読者=マーケットが要求するものは何かという風に考えると、供給する側の版元がつけるタイトルは、この数十年、ノウハウもの、難しいものを簡単に理解できる?手っ取り早い本の題名が多い。このことは私達が経験したかつてのバブル経済の異常行動に似ていることである。本質探求より効率探求を優先する。それに版元の傾向がある。それぞれ得意とする分野が出版社にあり、学術的なものであれ、ミーハ―的なものであれ、文学的なものであれ、写真集であれそれぞれ社によって得意なジャンルがある。しかし、この数年前からペーパー本が売れなくなってきた。特に本質方向へ向かう小難しいものは読者が付いていかなくなってきた。その代わりになるもの、電子本とか、また本を映像化したものとか、の簡単お手軽が目につくようになった。それらでなんとなく作者作品の意図を理解しているつもりであろう。
で、ダイヤモンド社は私にとってのイメージは経済経営関係をセンセーショナルに斬っていく本であり、図書館で大人しく読むというイメージはない。寝転んで読むイメージである。それとダイヤモンドの本は分厚くて高い。だから買うことが少ないのだ。それで「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の値段を見ると1600円+税とある。書店に行けば必ず気になる本ではあるが、高価なために手に持ってレジカウンターに行く決断をすることはなかった。しかし、大量に積まれている本は必ず古本市場に流れるの鉄則通り、きょうブックオフで時間待ちをしていると、立て架けた1冊が目についた。裏を見ると800円と表示されている。半値になった、即レジへ運ぶ。
珍しく9時半に帰ってきた4男が、笑いながら、食卓机に置いてあった本を見て、アレ~オト-サンも「もしドラ」を読んでるんやなぁ・・・などと素っ頓狂に言う。この長ったらしい題名の本を、若い人たちは「もしドラ」と読んでいることがわかった。
作者は今をときめくAKB48のプロデューサー、いわば仕掛け人である。書き方は上手い。軽くて漫画的で私に合っておる。たぶん一気読みの部類だろう。しかもダイヤモンド社の商売上手さが目についた感じもする内容である。ドラッカーの理論を教えているとは到底思えぬが、ドラッカーの名前を売った功績が残る。若い人たちにマネジメント経営について考える切り口を導いた感じはする。