暘州通信

日本の山車

◆01013 山ノ神の火祭

2012年05月13日 | 日本の山車
◆01013 山ノ神の火祭
□齋事 山ノ神の火祭 民俗行事 
□所在地 愛媛県喜多郡内子町寺村地区
□祭は八月中旬。
□山車
山車の形態(呼称)は、火祭。
□汎論
 内子町寺村地区で八月中旬に行われる山ノ神の火祭。
 京都東山の【送り火・大文字焼き】はよく知られる成果の風物詩で、ちょうどお盆の時期に行われることもあって、現在はお盆の精霊送りの【送り火】となっている。
 このお盆の時期に京都と同じように。火祭がおこなわれる地方はたくさんある。
 八幡浜市、五反田柱祭をはじめ、山口県岩国市の【柱松】、広島県の【たのもさん】、大阪市西成区の【臺額】、京都府雲ケ畑、美山、日吉町などの【柱松】、若狭名田庄の【柱松】は、能登半島では【きりこ】、富山県礪波地方では【夜高】、魚津市の【たてもん】、越後、弥彦神社の【あんどん】、秋田市の【竿灯】などといろいろかたちを変えながら行われているが、その主意は【火】にあり、【無形の火柱】に神意が考えられ、ひとことで【お盆の送り火】とは言えなくなってくる。
 祭礼の前夜に【夜祭】といい、山車は昼の曳行とは趣旨を変え、【堤燈山】などとして惹かれる例はたくさんあり、その幻想的な美しさは多くの人たちを惹きつけている。この火の神事は【火】あるいは【火柱】は、山車の【柱】に包括されるもので、修験の【護摩】とよばれる【火の神事】、伝統ある古刹などで燈し続けられる火の信仰は、イランからインドにいたる【拝火教】にまで通じているオリエントの思想が息づいていることを認識して考慮する必要がある。
 当地の【山ノ神の火祭】は、江戸時代中期の文政六年に始まると伝えられる歴史と伝統ある神事で、六角山の麓に【山ノ神】の火文字と五千ともいわれる燈籠に【おひかり】が燈され、秋の豊作が祈願される。この夜は寺村商店街には、多くの夜店がならび、花火大会や喜鼓里太鼓の演奏も奉納される。
 その趣旨から言えば、【山ノ神の火祭】は、火の柱・山車起源の、【広義の山車祭】とも言うべき齋事である。
□問い合わせ
内子町役場 小田支所
〒791-3592 愛媛県喜多郡内子町小田81番地
電話 0892-52-3111

◆06637 大元神社祭

2012年05月13日 | 日本の山車
◆06637 大元神社祭
□社名 大元神社
□所在地 大洲市(旧長浜町)下須戒
□祭神
□祭は一〇月上旬。
□山車
山車の形態(呼称)は、牛鬼。
□汎論
 大元神社は多くはないが、各地に鎮座がある。豊前(大分県)の宇佐神宮の奥宮である御許山頂に大元神社(おおもとじんじゃ)があり、三柱の比賣大神が降臨された山と伝わり、足を踏み入れてはならない、禁足地となっている。神南備山である。
 宇佐神宮の比賣大神とは? と謎の神とされるが、神社成立の前後を考慮すれば、三柱の比賣大神とは、宗像三女神、のちの一女神は、オキナガタラシヒメ(神功皇后)ということになろうか。
 【大元樂】
 出雲、石見(島根県各地)に【大元樂・おおもとかぐら】が行われるが、その淵源を索めれば、宇佐神宮、古代のアラバハギに行き着く。安芸の宮島には摂社客神社にアラバハギが祀られ、大元神社がある。
 おそらく、出雲神は全国に客神・アラバハギノカミとして祀られ、その初期のすがたが大元神社だったと考えられるが、時代が下がるに従がって存在が曖昧になってきたように感じられる。
□外部リンク
「日本の山車」を執筆している一人閑(ひとりしずか)と申します。早速ですが、貴方のブログ記事を「外部リンク」として紹介させていただきましたのでお知らせします。もしご迷惑でしたらお申し出ください。削除いたします。
◇日本の山車 ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/ypjcd447/
◇日本の山車 ホームページ
http://hiyou.easy-magic.com/

◇吉田神社大元宮の幽斎桜
2012/4/21(土) 午前 1:43
4月15日、京都の桜巡り、吉田神社にやってきました。 本殿前のさくらです。 吉田山を南に進むと、斎場所大元宮があります。 この境内には、天照皇大神を始め、全国八百万の神が祀られています。 その前に、幽斎桜があります。 ...
 http://blogs.yahoo.co.jp/masato5827/36286805.html

◇三千院の裏、勝手神社:京都
2009/5/27(水) 午後 10:57
勝手神社といえば、『勝利の神様』を祀る神社で、その大元は奈良の吉野にあります。 かつて、源義経と静御前が頼朝から追われ、吉野に逃げ込み ... 神道は、天照大神を最高神とし、この国の創造主としては、イザナギノミコト ...
 http://blogs.yahoo.co.jp/moai33jp/59514719.html

◇大元神社〔宇佐神宮奥宮〕
2008/11/24(月) 午前 10:43
宇佐神宮の奥宮「大元神社(おおもとじんじゃ)です。 宇佐市の御許山(おもとさん)にあります。 御許山は、宇佐神宮御祭神の比売大神が降臨されたと伝えられる神の山で、 山頂には御神体である三体の巨石があるそうです。 ...
 http://blogs.yahoo.co.jp/michio_ichii2002/57463084.html

◇建勲神社その1
2008/4/30(水) 午後 4:26
... さて、建勲神社のある船岡山については前に書いていますが、神社に関係するために少しだけ触れてみます。 ... 祭神は、宇迦御霊大神(衣食の神、商工業繁栄の守護神)、国床立大神(住居安泰、病魔退散の神) ... 玄武の大元は国常立尊なり。水の神にし ...
 http://blogs.yahoo.co.jp/hiropi1600/55028251.html

◇№0030 東伏見稲荷神社(西東京市)
2007/3/13(火) 午前 0:07
... 10分ほど歩くと東伏見稲荷神社。比較的歴史は新しく、昭和4年に 京都の伏見稲荷神社の分祀として創建され、大元の京都伏見から見て東の 地 ... その他、・愛法稲荷大神の碑・愛徳稲荷大神の碑・八幡大神の碑・開照大神 (天鈿女命)の碑、道祖神の碑 ...
 http://blogs.yahoo.co.jp/soh_m1975/47254456.html

◆38225 アラハバキ 三

2012年05月13日 | 日本の山車
◆38225 アラハバキ 三
 これは仮説である。
 根も葉もない仮説だが、アラハバキという語彙には、【アラ! という感嘆符】、ハバキには【憚る・はばかる という動詞】から合成された語彙ではないか? などと勝手に想像している。 
 古代、本来の祭神とは別に、人々に【稲・イネという食料】、また、これを財物として富を形成する【福】。福分の蓄積から生じる【平安】これらを齎す神は積極的に招き入れられる。付随して、豊作を齎す、水神、稲荷神も押しかけではなく、氏子は積極的に招いた。豊作を祈願し、収穫を感謝する。漁業者は航海安全と豊漁感謝。これが春祭、あるいは秋祭りであろう。
 時代が下がるにしたがって、来訪神・アラバハギが主祭神として祀られるようになった。その神社のひとつが、武蔵國の【氷川神社】ではなかろうか。
 皇室神とされる八幡神も、伊勢神も、もとは来訪神・アラバハギだったといえる。

◆38225 アラハバキ 二

2012年05月13日 | 日本の山車
◆38225 アラハバキ 二

【アラハバキの漢字表記】
 これは仮説である。
 アラハバキには、荒覇吐、荒脛巾、荒吐、荒波々幾神
などの漢字表記があり、これに神社名をつける例が見られる。大阪市天王寺区の四天王寺の古地名は【荒墓邑・あらはかむら】といわれ、アラハバキとのかかわりが指摘されている。阿羅婆鬼の表記は佛教起源だとされる。麁脛バキ明神と呼ばれるものもある。
 土地に結びついた神を【産土神・うぶすな】とよび、鎮守の神といい、一般称、ときに固有称として祀られる【地主神・とこぬしのかみ】の名称がある。これに対し訪問神、来訪神とよび、他所から訪れる神がある。秋田県の【ナマハゲ】は、南方起源の来訪神として知られる。
 沖縄には【ニライカナイ】とよぶ、西からの神が招かれる。このように、来訪する神を【客神・客神、まろうどしん、きゃくじん】とよぶ。招かれる神には福を招く神が多く、神社に祖神を祀る氏子らも、祭には積極的に来訪神を迎える。この祭は予祝の祀であり、福を齎す福神であることが多い。
 広島県の厳島神社には【客殿】に【客神・まろうどしん】が鎮座するが、本社ではなく、摂社として扱われている。伊豫國(愛媛県)には客神社(きゃくじんじゃ)が知られる。客神を祀る神社はいずれも古社であり祭神もさまざまであるが、イザナミノミコト(伊弉冉命)、イザナギノミコト(伊弉諾命)、オオナムチノミコト(大己貴命)、スクナヒコナノミコト(少彦名
命)などが多く見られ、いまは主祭神となっている例も多い。これら出雲系の神は稲作を伝え、東から北へと出雲文化・弥生文化を広げていった、つまり、古代祭祀の杜に後祀として祀られた【客神】だったのではないかと考えられる。
□外部リンク
「日本の山車」を執筆している一人閑(ひとりしずか)と申します。早速ですが、貴方のブログ記事を「外部リンク」として紹介させていただきましたのでお知らせします。もしご迷惑でしたらお申し出ください。削除いたします。
◇日本の山車 ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/ypjcd447/
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◇日本の先住民の考察(4) アラハバキとは?
2010/10/26(火) 午後 0:33
... 東三河(穂国造)には、アバハラキを社名とする神社が5カ所あるし、出雲の流れを汲む氷川神社では、アラハバキを客人神(まろうどかみ ) として祀っている。 客人神とは一般的に、他の地域から来訪し、その土地で信仰されるようになった神(後来神)と言わ ...
 http://blogs.yahoo.co.jp/momonana_40s/27070382.html

◇大宮氷川神社(旧大宮市高鼻氷川神社4-2新編武蔵風土記稿)
2010/9/30(木) 午後 2:43
... 注)荒脛巾(アラハバキ);古代より崇敬された神     注)門客神;神社の門に置かれた「客人神(まろうど      がみ)」     注)客人神;他の地域から来訪し、その土地で信仰      されるようになった神。   門客人社(荒脛巾社)祭神 ...
 http://blogs.yahoo.co.jp/sakado_iwasaki/51088039.html

◆38225 アラハバキ 一

2012年05月13日 | 日本の山車
◆38225 アラハバキ 一
 アラハバキとは?
 各地の神社を巡っていると、神代譜にそぐわない神々にしばしば出会う。
 オシャグジデンダという着生羊歯(シダ)があるが、これには【御社宮寺のデンダ】だといわれるが御社宮寺について解説したものに出会わない。
 ヤマノカミ(山ノ神)とよばれる女神があるが、これはオオヤマツミノカミ(大山祗神)。あるいはオオヤマクイノカミとは異神である。
 アマテラスオオミカミはよく知られる皇室神で女性神というのが一般的であるが、男神説があり、さらに古いアマテルカミが長崎県の対馬から大阪府、奈良県に存在する。
 アメノミナカヌシノカミ(天御中主神)は、皇室神よりはるかに古く成立した神と考えられる。セオリツヒメ(瀬織津姫命)もおなじ範疇に含められるべき神であろう。
 オシラサマ信仰
 東北地方に知られる【オシラサマ】は、青森県、岩手県、しだいに数は減るものの福島県、茨城県あたりまで分布するが、【屋敷神】だろうと考えられている民間信仰といえるだろう。埼玉県から、神奈川県、群馬県、長野県などにも【屋敷神】とよぶ自然石が信仰の対象になっている例が見られる。
 日本の原始の時代から古代に続く【祭祀】には、いまなお連綿と続く信仰があるが、学説上解明されていないものが多い。これは、文献史学の限界を象徴していて史料を伴わない学説が排除され、【民俗】という分野に封じ込める傾向があることも考えられる。史家の数だけあるなどともいわれる【邪馬台国論争】などはその最たるものといえよう。
 問題意識を整理し、【思考する思想の学問】を考えてみるべき時期かもしれない。
 脇にそれたが、 
 【アラハバキ】とよばれる神も謎の神である。