甲府にいた頃、月に1度は東京に展覧会を観に行っていた。個展から現代、分野は多岐にわたっていた。今回の志村ふくみ展も以前から観に行っていた。今回は生誕100周年と言うお祝いの展覧会になる。染めを始めた頃、いつかは織もしたいと思っていたがそれは叶わぬ夢となったが、今の柿渋と藍染で十分満足している。家事と育児をしながらの半農半染、農業をしながら染めの仕事はもう手一杯だった。
「一生一色」彼女の書いた文章を読んだが、仕事にかけるその情熱は簡単ではない。さりとて妙な気負いもない。研究心、持続力、努力だけでなく他のものにはわからなう苦労もあっただろうが、それを文章の表すことで成り立ったのだろうと勝手に推測している。
草木から抽出する天然の色、その草木に宿す色の数々、改めてその秘められた力に敬服せざるを得ない。私も最初草木染めに手を染めたことがあったが、その中で気付かされたのは、その多くが生薬だったこと。草木は動けず他の助けも受けられないものの知恵として自らその色によって守っていたと思わざるを得ない。
色が本来持っているその力に驚きと共に感謝でしかない。やはり自然界の色には底知れない神秘さと美しさがある。
これから、藍の色を極めよう。