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よろみ村くらし暦

奥能登の禅寺での山暮らし。野菜作りと藍染め,柿渋染め,墨染めのくらし暦。来山者への野菜中心のお料理が何よりのおもてなし。

志村ふくみ展

2024-11-26 13:25:35 | 展覧会

甲府にいた頃、月に1度は東京に展覧会を観に行っていた。個展から現代、分野は多岐にわたっていた。今回の志村ふくみ展も以前から観に行っていた。今回は生誕100周年と言うお祝いの展覧会になる。染めを始めた頃、いつかは織もしたいと思っていたがそれは叶わぬ夢となったが、今の柿渋と藍染で十分満足している。家事と育児をしながらの半農半染、農業をしながら染めの仕事はもう手一杯だった。

「一生一色」彼女の書いた文章を読んだが、仕事にかけるその情熱は簡単ではない。さりとて妙な気負いもない。研究心、持続力、努力だけでなく他のものにはわからなう苦労もあっただろうが、それを文章の表すことで成り立ったのだろうと勝手に推測している。

草木から抽出する天然の色、その草木に宿す色の数々、改めてその秘められた力に敬服せざるを得ない。私も最初草木染めに手を染めたことがあったが、その中で気付かされたのは、その多くが生薬だったこと。草木は動けず他の助けも受けられないものの知恵として自らその色によって守っていたと思わざるを得ない。

色が本来持っているその力に驚きと共に感謝でしかない。やはり自然界の色には底知れない神秘さと美しさがある。

これから、藍の色を極めよう。


展覧会を終えて

2023-10-09 09:37:25 | 展覧会

今回は以前と違って外国人の多さに驚いた。場所が清滝で愛宕山の入り口ということもあったのだろう。ところが気に入ったtシャツや洋服のサイズが合わない、またカード決済ができないこともあり残念、しかし作品のいくつかはオランダ、カナダ、アメリカなどの海を渡った。あの富士山のtシャツ、見た人はびっくりするだろうか。

今回は厨 鹿と私の昼食を4日間提供した。プロは羽釜から鮎を焼く珪素のコンロまで運び、尚且つ焼く直前まで泳がせ、1時間かけて焼くというこだわり様、その反面、あるもので作るのが私流、事前に用意したものと手に入ったもので6品作った。またその方達に「稲」の話をした。知っている様で知らない馴染みのお米、奥深いです。

来客数が少なかったせいか、じっくり身の上話を聞くことができた。分かったのはそれぞれがそれなりの辛さを抱えて生きているということ。人生の教訓を聞くことができた。その中で以前私の染めたものを縫ってくださった87歳の人が東京から来てくれて、また縫いますと宣言した。その迫力に学ぶものがあった。終盤、どうにか売れ行きも伸び、また次回は、、という話になった。ありがたい、すると急に次回のアイデアが浮かんできた。まだ大丈夫かな?

帰山するとすっかり秋に変わっていた。涼しさを超えて寒く、衣替え、お布団も毛布を出した。ところが種まきをして双葉が出ていたのに、消えていた。播き直しをしたがどうなるのだろう。


墨染の風呂敷

2022-07-04 20:42:25 | 展覧会

注文は藍染だったのが、今年初めて藍が建たず急きょ墨染になった。
これを染めというのか、墨描きというのか、気に入ってもらえるのか。



三十枚を全て違う模様にしてみた。
主に私のスケッチブックから拾ったが、参考にしたのは目に止まった風景や物、それらも描くことで一つの模様に見えてきた。
後は、書、かな書きをしてきたので余白が私にとってはポイントになっている。
しかし、ほとんどの風呂敷は地の色がある、それを草木染めにしようとしたが材料の物がない。
でも書いているうちにその白が返って黒を際立たせる役割になっていることに気づいた。
墨も油煙墨と松煙墨を擦って濃淡を付けた。



展覧会と注文の違いは、自分中心か、注文主か、そこが一番の問題になる。
さて、どうなのか、、。



書いて、洗って、アイロンかけをして、ようやく仕上げて送って終わった。
今までとは違う疲れを感じた。

その期間、畑仕事が待っている。
トマトにネットをして鳥からトマトを守り、ようやく出てきた生姜、草取りと追肥と土寄せなどなど、畑に出ると次から次へと仕事が見えてくる。
雨が少ない畑の野菜たち、大丈夫だろうか。











背守り

2021-09-22 10:25:17 | 展覧会

久しぶりの京都のテラさんでの展覧会がこの25日から始まる。
このコロナでどれだけの人が来てくださるのか、、。
でも、準備はいつも通りに。
今回は時期もあって綿入の半纏も用意した。

私は染めて、縫っていただく、でもその背中に背守りを作るのが何よりの楽しみになっている。
染めのほとんどは季節柄柿渋、青柿を搾り、2週間ほど日に当ててようやく柿渋の赤茶の色がでる。

さて、何にしようか。
もともと背守りは、子供の健やかな成長を願って背中の縫い目から魔物が入らないように魔除けの印になる。
私は、季節と布の風合いや自然から持ってきてデザインを考える。

今回は藍の半纏はオリオン座を、柿渋はトンボ、烏瓜、吊るし柿にした。



星に願いを。コロナ退散を。



魔除け



よき便り、誠実



豊穣

いっぱいお願いをしてしまった。
聞き届けてくれるだろうか。