今日は一日雨が降っていた。そして、誰も近くにいる気配がない。
ピアノが置いてある廊下をいつも通り抜けるのに、なぜかピアノの前で足が止まった。
子供の頃、家には大きな蓄音機があった。
父が音楽好きで、レコードがよくかかっていた。
その父が私のためにピアノ大のオルガンを買ってくれた。流石にピアノを買うほどの余裕はなかったのだと思う。
ところがそのオルガンの調子が悪く、私はへそを曲げて弾かなくなった。
そして私が勤めるようになり、自分でピアノを買い、30を過ぎてから習い始めた。
ここに来てからも弾く機会はほとんどなかった。
忙しさと、下手なピアノを他の人に聞かれるのが恥ずかしかったこともある。
そして、今日が30年振りくらいになるだろうか。

庭の侘助。
おそるおそるピアノを叩くと雨音に消されることなく「ポーン」と鳴った。
その音が妙に懐かしく、うれしく、今度は両手でドレミを弾いた。
まったく曲にはなっていない。
譜面を見ても、左手の五線符が読めない。
元々たどたどしいものが、時を経て、すっかり手も忘れてた。
ちょっと、自分でも衝撃だった。
五十肩になり、リハビリの方から筋肉を付けるように言われている。
そのことも頭にあったので、楽しく、長く続けるのに、ピアノはどうかと勝手に思ってしまった。
もうこうなったら、下手とか恥とかそんなことは言っていられない。
でも、ちょっと弾いてみて分った。
これは、ヘルシーエイジングになる。
右手と左手を違えて弾くことと、しかも目で上と下の譜面を追いながら進める、このマルチタスク的な行為が効果的だと確信した。
先ずは、基本のドレミから始めてみるかな。童心に帰って!
いつか、人に聞かせれるようなメロディーになるのだろうか。

メロディーのような春の生菓子。
先日金沢からハナの子供を連れて来てくれた人からのおみやげ。












