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よろみ村くらし暦

奥能登の禅寺での山暮らし。野菜作りと藍染め,柿渋染め,墨染めのくらし暦。来山者への野菜中心のお料理が何よりのおもてなし。

ギターと三線とドラム

2019-07-28 21:08:03 | 日記

朝4時15分、蜩の声で目が覚める。と言うより,起こされる。
声はだんだんと膨らみ、空気が揺さぶられるほどの大きさになる。
それが30分ほどすると、ぴたりと止まる。
すると,私またうとうとと眠りに就く。



三男がニュージーランドから戻り、大分に嫁いだ娘夫婦が来て,蜩に劣らぬ大合奏が響き始めた。
ギターの三男、三線の娘はズブの素人、娘の夫のドラムはセミプロ。
まだ3人で合奏をしている訳ではないが,それぞれがとても楽しそうなのだ。
ここに来てからドラムの音が聞こえない時間帯がないくらい1日の練習量は半端ではない。



久し振りの生音が境内に響く。
時々それに混じってアキの鳴き声も聞こえる。
蝦夷蝉もアカショウビン、燕の生音も入って夏の生き物満載の日々。

もうしばらくはこの賑やかさの中で汗を流したい。












尼僧さん

2019-07-24 21:28:26 | 日記

愛知の専門尼僧堂から縁あってここに来られた尼僧さんが3日ほど泊って行かれた。
岩手から1年を掛けて托鉢をしているという。
まだ二十代の方で,しかもハイエースで寝泊まりして行脚していた。
言葉も声も軟らかく,何よりもその姿勢が美しかった。
素足の足は日焼けで真っ黒、手は托鉢の形に納まり、喜捨を受けたその時のお辞儀がまた真っ直ぐだった。



蛍袋、清楚な雰囲気が似ている。

共に生かされている,有り難い,と言う言葉が,極自然に備わっていて,こちらにもすとんと入ってきた。
よく笑い、よく気が利いて自らよく動き、息子らもつい長話をしていた。

彼女、とも書けない,やはり尼僧さんと言うのが最もふさわしい人柄で,仏法に生きる人だと確信した。
人それぞれ、人の真似は出来ないし、その人にふさわしい生き方をするしかない。

私に出来ることは,僧衣の繕い用の布を探し,畑から野菜を獲り,蓮の実を渡した。
いつかきっと、この尼僧さんだったら,美しい蓮の花を咲かせるだろう。
そして托鉢では、きっと、誰しもが蓮の香りを尼僧さんから戴くだろう。



そうだ、このユキも白黒の衣を纏っている。











夏の風物詩−蜩 燕 小鷺 翡翠 ー

2019-07-21 06:47:06 | 自然の不思議

雨に蜩の鳴き声が濡れていた。
いつもの鋭さが削がれ寝ている部屋にやさしく届いた。
去年より2日遅い13日だった。



今、二回目の子育てで燕が忙しく飛びかわっている。
ふと見上げると電線にずらーっと並んでいる。
数えてみると9羽、庫裡のほうにも、1、2、、、10羽、何年振りの数だろうか。
こんなにいたんだ。急にうれしくなる。



この数年前より,時々田んぼに白い鳥が見られるようになった。
小鷺だ。蒼鷺より小さく真っ白。その飛んだ軌道はそこだけ清められた動線が出来る。

そして翡翠、ここ数年見られなかった翡翠が蓮田にいた。
もっと大きかったと思っていた,それほど久し振りのご対面だった。
それが飛翔すると、青いきらきらの粉が撒かれる。
まだいた。まだいてくれた。
私まできらきらと舞い上がってしまう。

私の同点観察で季節の移り変わりが読み取れる。
福岡伸一さんによると,その私も中味は日々変っているとか。



蓮も咲き始めた。
去年より紅色の蓮が増えた気がする。
白の中に紅がちょっと入るくらいが好きなのに。
なんて、自分の好みを言っては自然界に申し訳ないかな。










月夜の蛍

2019-07-15 22:43:32 | 自然の不思議

今年は蛍を見逃したかと思っていたのが,横浜にいる義理の兄が1週間いて,明日帰ると言うことでみんなで下の田んぼまで見に行った。
いつもなら6月の終わりから7月の初め頃までの蛍がまだいくつか田んぼに光っていた。
ニュージーランドに1年いた三男が帰山していて、隣の家から蛍袋を採ってきて,それに蛍を入れてみた。
最初1匹だと仄かに点滅していたが,流石に光が小さく,結局5匹を入れて月夜の下で見た。

梅雨寒の夜は寒かった。ちょうど月は十三夜、月の光が強く,蛍の光は妖しいまでに息をしている光に見えた。
蛍袋から滲む光は人工の光と違い、アトランダムに上、下、大きく,小さく、そう,生きていた。

そのまま家に帰り、部屋の電気を消してみると、また情緒もあり袋が軟らかい電気の笠だった。
今まで蛍をそんな風に見て来なかったが,子供の頃に還ったみたいでおもしろい。
これも来客と三男のお陰だ。
袋の中を覗くと、小さな蛍が袋の底に見えた。
急に現実の戻された。

義兄は腰を痛め,兄弟の鍼灸の治療に来たのだ。久し振りの3兄弟は昔話に花が咲いていた。
もう兄弟がいない私はちょっぴり羨ましかった。
元ANAのパイロットをしていたので,三男とも外国の話も楽しげだった。

肝心の身体は完全には治らないようだ。
でも、ここに来ておいしいものを食べ,楽しい会話も弾み,きっといい時間を過ごせたと思っている。
梅雨空に今晩は十三夜、すっきりと照り、アキは吠え続けて,まるで月夜の狼だ。



半開きの時計草

蛍は月夜の元に帰って行った。
ほんの一時、蛍がくれた贈り物は光は小さかったけれど、それぞれの心に何かが灯った夜だった。









紫の庭

2019-07-09 21:56:00 | 自然の不思議

初夏の庭は紫になる。
紫と言うか,青紫、青になる。

本堂と宿坊の回りは紫陽花が開き出した。
知る人ぞ知る,いえ、ここに縁があった人のみが知る紫陽花寺になる。
その紫陽花、だんだんと面積を広め境内にのして来た。
その間から白い丘虎の尾がシッポを出している。



この居間の前庭には紫色の鉄線が次々に咲いている。
そしてこの居間には,甘茶が咲いている。
私が1番好きな色は,この青紫の甘茶である。
縁は紫で中は青、その移行する色調がまた何とも言えない美を醸し出している。
小さな花がいくつも集まり一つの花を形どっている。
それは花でなくガクらしいが,見た目からも花と言える。



紫と言う色は,私の入る余地がないくらい完結して近寄り難い。
でもそこに,青があることで身近に感じられる。



晴れた空は青く,そこに入道雲が現れた。
夏がそこまで来ている。
真夏は何色が咲くのだろう。