万福寺の普茶料理を食べた際、ある中国の方と約束をした。
「今度8月に行きますので、それまでにここの胡麻豆腐のようにおいしいのを作ってください。」と。
しかしその方は来られず、もうツアーはないと思っていいた矢先、9月にいらっしゃると連絡があり心待ちにしていた。
胡麻豆腐は何度か作ったことがある。
しかしまだ納得が行く出来にはなっていない。
そこからまた私の試みが始まった。

胡麻豆腐のほとんどは白ごまを使う。しかもペーストの市販もの。
しかし私は自家栽培の黒ごまを使い擂り鉢で擂る。その為に胡麻栽培をしてきた。
そこで5回ほどやり方を変えて試みた。
炒り方、擂り時間、葛の量、練り時間等を替えてやってみた。
ところがどうしても肝心の胡麻の味が薄い、胡麻の量を増やしてもうまくならない。
ふと、気付いた、もしかして漉す時のガーゼの布巾が問題なのではないかと。
そこで金網のざるに換えたところほとんど金網に残らず漉せる。
ようやく胡麻の風味が活かされた味になった。
しかしまだ改良の余地は残っている。
葛を延ばすのに水か出汁か、私はあくまでも水のみでやりたい。
その固さも固過ぎず、軟らか過ぎずちょうどいい固さに仕上げる。
シンプル故に返ってちょっとした加減が難しい。

私なりの仕上がりになっていなかったが、みんなで胡麻豆腐を作る予定だった。
ところが夕飯時間が2時間も早くなり、その計画は頓挫した。
返ってよかったのかどうなのか、やはり寂しさが残る。
またこれからもお客様はいらしてくださる。
それまでに、これぞ私の胡麻豆腐、と言えるものを作りたい。
今年も胡麻の種が弾け出した。
「開け、ごま!」













