今日も朝の散歩がてら蕗の薹を摘んできた。
ようやく雪が解け、茶色の枯れ葉の下から柔らかい緑の蕗の薹が顔を覗かせる。
春の山菜の初めが蕗の薹になる。
私はこれを蕗味噌と佃煮にし、少し大きめのものや花が咲き出したのは天ぷらになる。
これからが実は一番自家製の食べ物が乏しくなる季節。
冬は大根、白菜、芋類など収穫したものがあるが、この時期になると食べきってなくなる。
雪が消えた畑には食べるものはなく、これから野菜の種蒔きになる。
野菜が食べられるまで山菜に頼るしかない。
5月の連休に勉強会が開かれ、それに来られる20人ほどの人たちの胃袋を満たすのに山菜中心の献立になる。
そこで山菜を集め調理して冷凍する。
多くの山菜は苦味が伴う。体を冬から目覚めさせるためと言われている。
その苦味を損なわずに生かすのがコツになる。
私の蕗のとうの佃煮は二回茹でこぼし、その後塩と醤油と鰹を入れ、ふわっと煮立てて冷まし、それを二回ほど繰り返す。
これは佃煮とは言えないが、このほのかな苦味と緑が気に入っている。
そもそも私は煮物に砂糖や味醂を使わない、そのものの味を味わう。
左がイワシ、右は切り干し大根
この時季、能登のお店に艶々のイワシが並ぶ。しかも20匹で二百円もしない。
大きいものはフライや塩焼きに、金沢では茹でて酢と生姜とお醤油で食べたと聞く。
あまり小さいと漁獲量に影響が出ないかと心配になり、またあまりの安さに申し訳ない気がしてしまう。
これでいいのかなと思いながらも、噛むほどに油が口に広がり、そんな疑問も美味しさに流されてしまう。