よろみ村くらし暦

奥能登の禅寺での山暮らし。野菜作りと藍染め,柿渋染め,墨染めのくらし暦。来山者への野菜中心のお料理が何よりのおもてなし。

雨が降って

2023-05-29 11:10:19 | 日記

雨が降って、畑仕事はようやくお休み。ここから見える畑には誰もいない。しかし、雨が降っても田んぼは休まない。チェーンでの草取りと田植えが始まり休まずにやっている。

この田んぼ仕事に横浜から、奈良からそして地元の人が手伝いに来ている。手伝いには違いないが、ほぼ手仕事による田んぼ仕事とはどういうものなのか、興味というより自然とのふれあいをしたいとやって来た。横浜からの彼はもう数年通って来ていて、これによって体と心のリセットになると言う。初めての人は泥沼の感触に驚く。

雨が降って夏野菜を定植した畑が喜んでいるに違いない。人の手で水やりするのとは大違い、畑全体が潤う。

これはハウスの中の野菜の苗、トマト51本、茄子、パプリカなど。

雨が降って、アキも猫たちものんびりと自分の居場所で寝ている。雨が降って山法師の白が際立っている。野薔薇も咲き始め、その香りは一時の夢心地にさせてくれる。もうすぐ母が持って来てくれたアマリリスが開き、時計草も花時間を告げてくれるだろう。


春から初夏へ

2023-05-24 21:14:44 | 日記

連休の勉強会の最後の5日、珠洲で震度6強の地震があり、余震が何日も続いた。幸いにもここは揺れが小さく災害に至らなかった。しかし、今でも錯覚なのか揺れている感覚が取れない。

5月はとにかく忙しい。田んぼと畑が始まり雨が降ってようやくほっとできる。そんな中三男の結婚式がこの龍昌寺で行われた。彼も「いいいじゅう」に出させていただいたこともあり、開店したばかりで直前まで準備に追われていた。お料理は本人たち自ら作り、式師は長男、遠くは長崎から、またnhkの「いいいじゅう」のプロデューサーもいらしてくださり、手作りのでも温もりのある式になった。相手の方は元ここに住んでいて人で、結局縁が結んだことになった。

時間が経ったのに、時間が戻ってきたような、不思議な感じだった。畑にはハウスで種を蒔いた野菜の苗が畑に定植できるまでになり、田んぼは耕運され、水で満たされ、青い空がたんぼに映し出された。参道には大手毬、山法師が咲き、待っていたアカショウビンも飛来し祝うように笛を奏でてくれる。

こうして時は春から夏へと移ろい、夜には月の舟が金星のライトに先導されて山極に入っていった。

どういうわけか、写真が取り込めません。


緑の中の勉強会

2023-05-09 20:49:39 | 日記

現成公案の勉強会とは言え、何もないこんな所に毎年よく来てくださると思ってしまう。それに応えるべく私の役割はご飯作り、禅宗では典座という。しかしこの時期の野菜はビニールハウスでまだ畑に定植できる大きさになっていない。

そこで食材は山菜になる。蕨、屈、独活、筍、葉山葵、限られた材料で何ができるか。四日間の朝昼晩のメニューを考え、足りないお肉や魚は買い出しに行く。日によって人数が違うが、20人から30人分となるとその量はスーパーのカート6台分になってしまった。

準備は一人ではできない。その日その時によって必ず助っ人がいて、予定時間に出来上がった。今回は筍がたくさん手に入ったので必ずメニューに登場した。煮物、揚げ物、炒め物、おこわ、何にでも使え、重宝した。

みんなの参加理由は道元の教えなのだが、中には半分はご飯が楽しみできています、とか、料亭の料理より美味しいと言う言葉もいただいた。お米は無農薬自家製肥料、お味噌、漬物、佃煮類も自家製、水は山水、空気は澄んで美味しい条件が揃っている。

今年はいつもより緑が濃く広くこのよろみを装っていた。常連の人、初めての人、でももう帰りには仲間となり、みんなの笑い声が響いていた。但し、5日の午後、能登半島に地震が襲った。ここは震度5強、でも揺れは大きかったものの、幸いにも被害はなく収まった。皆様からご心配いただき、ありがとうございました。

山笑うよろみ。来年もお待ちしております。