よろみ村くらし暦

奥能登の禅寺での山暮らし。野菜作りと藍染め,柿渋染め,墨染めのくらし暦。来山者への野菜中心のお料理が何よりのおもてなし。

つばめとツグミ

2020-04-29 20:56:29 | 自然の不思議

早いのか遅いのか、それとも今年だけなのか、時間が経たないと分からない。
それは鳥だけのことでなく、山菜も同じと言える。

昨日、息子たちが筍を採りに行ったところ、既に取られた後で、何も収穫できなかった。
先に取ったのはイノシシで、いつもより早く筍が出たとも考えられる。
そして今日、いつものところに蕨を探したが、早かったのか、まだその緑の巻き毛は見られなかった。
そしてまた今日、知人の郵便屋さんがウド、コシアブラ、タラノメ、を持ってきてくださった。
畑とハウスにはようやく芽が出た野菜しかないので、とても助かる。
ウドは生で梅干し和え、コシアブラは胡麻和え、タラの芽は酢味噌和えにして、春の自然の味を満喫。

昨日の朝の散歩で2羽の翡翠に出逢った。
最近、いろいろな鳥の鳴き声を聞くが、まだ何の鳥なのか分からない。
そして昨日はまたツバメが我が家に入ってきた。
今、庫裏のほうで巣作りの場所を探している。
そして、先日は境内に15羽の鶫を確認。
これほどの数を一堂に見たのは初めてだった。

コロナ騒ぎで人間の活動が鎮まっているため、今まで見えなかったエベレストが現れたりしているとか。
ここはほとんど変化を感じていないが、自然界は影響をうけているのだろう。
影響を受けるのなら、いいことになって欲しい、が、そんな人間の都合のいいことばかりにはならないのが、やはり自然なのだろう。












路上の食卓

2020-04-26 23:01:54 | グルメ

「花見の会」をしましょう!
娘婿が提案をして、ようやくそれが実現した。

場所は娘たちの家の前の路上。
それだと交通違反になるところだが、そこは過疎地、3時間ほどいたが2台の車が通っただけ。
そこからは満開を少し過ぎた2本の桜が見え、今納屋を棲家として改修している娘の家の前だ。
ちょうど畳を干していたため、そこに座って持ち寄ったおにぎりとサンドイッチのお花見の宴。

かぶっていた麦わら帽子が飛ぶほど風が吹いていたがうららかな春の日差しだった。
「どうして外で食べるとこんなに美味しいんかね。」「おにぎりって外で食べると最高だね。」
「このいわしフライのサンドイッチ、うまいなあ。」
おにぎりは鮭とじゃこと梅干し、サンドは菜の花と白菜と卵、特別なものがなくても、こうして家族が揃い外で食べると特別なものになる。
アキも同じ目線の高さにいる家族に囲まれ嬉しそうだった。

食べて、食べて、お腹が膨れると、干してあった畳の上に寝転んでお昼寝。
空は青く、その空から桜の花びらが舞い落ちてくる。

ここはコロナ騒ぎが届かぬ隠れ里、なんと平和なひと時か。
こんなんで十分なんだと思った。
こんなことすらできぬ世の中なのか、特別とは、特に変わってこととか、凄いこととかを言うのでなく、つくづく、これだけで十分特別なことだと思ってしまった。










止まらない。

2020-04-23 14:22:56 | 日記

庫裡の2階の図書室の整理を皮切りに、整理が止まらない。

お寺の離れと呼ぶ我が家に麹を作る箱を利用して本棚を長男が作った。
そこに料理本と美術、理科を中心にしたものを整理した。
すると2階の私の部屋の本棚が片付き空きが出た。
それを契機に1階の通称仕事部屋、主に書道に使っていた部屋の整理を始めた。

整理して気づいた。あるわ、あるわ、書道道具、忘れていた文房四宝が山のように出てきた。
筆は数十本、硯、墨、文鎮、水滴、それに関する本類、いろいろなサイズの紙類、それ以上に練習に書いた物、書き損じのものなどそのまま残っていた。
また、出るわ、でるわ、それらに挟まれ、隠れていた亀虫は数えきれないほどに達していた。

これから先、これらを使い切ることができるだろうか。
腰を落ち着け、心静かに墨を摺り筆を持つだろうか。
今、生活のほとんどを畑仕事に費やし、藍染、家事、それらをすると時間は限られる。
その上、少し時間の余裕ができると、旅立つ性癖の私に墨の香りを身につける時が来るのだろうか。

書道関係のものだけではない、染物する事から布類も押し入れを占領している。
本も西洋から日本の美術書、山関係、古典文学、現代西洋、日本文学本、植物、動物関連の本などで溢れている。
これらは腐ることもないので、次世代に引き継がれる、だろう。

整理して見て気がついた。
人の一生の何と物の多くなることか、そして、何とそれら一つ一つに接する時間の短いことか。
これは私に限ったことかもしれない。

これらの中で捨てるものを選んで行った。
一つ一つに思いが通っていたもの、ある意味自分の今までの時間を切り捨てる行為でもある。
特に肉筆のものはまだ血が通っているようで辛かった。
それでも、すっきりした室内になると、そこに新しい風が吹き出し、また新たな出発の気運が蘇った気がした。
残り香の中に、カメムシの臭いが漂っていたので、窓を開放して、春の花の香りを取り込みました。

止まらない、まだこれからもすることは残っている。
次は、藍小屋、それと今まで書き留めたものの整理が残っている。

コロナも止まらない?
これは、止まってほしい。できるだけ早く、できるだけ少なめで。
勉強会がなくなり、時間が取れた分、今までしてこなかったことをしている。
それでも、春は進んでいく。
山はタムシバ、ムシカリの白い花、その下には雪柳、白い春です。















大丈夫?

2020-04-20 21:18:47 | 日記

元気なのは、親猫のユキと子猫達と犬のアキと、招かざるカメムシ。
カメムシに至ってはこのパソコン上にもう2匹も落ちてきた。
1日に何匹捕獲するだろうか。もう条件反射のようにペットポトルで落とし込む。

この状況下、持病のある友人や海外にいる友人に近況を確認している。
持病のある友人はやはりそれなりに気を付け防御方法を実践している。
カナダにいる友人は、警告されたことに違反すると罰金10万円が課せられるという。
日本の対応が甘いと言われているが、やはり罰則がないと人間というのは言われたことを厳守できないものらしい。

コロナ騒ぎの中で、地球から騒音と汚染がなくなり、今まで見えなかった山や風景が現れ、水もきれいになったこともニュースになった。
もしかしてこれまで騒ぎを起こしていたのは、この私たちで、それに気づいていなかったと言える。

友人達に連絡を取って言われたのは、自給自足の生活って、最強だね、と羨ましがられた。
実際そうだと思う。
これから先どうなるのか予測ができない今、先立つ物、食べ物と水があるのは安心できる。

これを契機に少しでも自給できる手立てを考え実行してほしいと願っている。
日本の自給率を考えると、即実行あるのみ!
犠牲を払って学ぶことは、これしかない。

ここではシイタケの原木栽培で椎茸を美味しく食べている。
ところが、今日切った椎茸から小さい虫をたくさん発見し、食べられなくなってしまった。
長男が調べた結果、原木栽培には付き物で、害にはならないと言う。
本当に、大丈夫?
後は、覚悟だけかな。











産まれる

2020-04-17 21:11:26 | 自然の不思議

今朝の事だった。
いつ生まれるのか、今日か明日か、と毎日膨らんだお腹を見ながら家族で予測をしていた。
今までにない今朝の様子、私たち家族の顔を見ながら鳴き続けた。
その鳴き声は「産まれるから、一緒にいて!」と訴えている。
前に飼っていた猫は人がくるのを避けていた風だったが、今度の猫は、人が大好き、誰の膝でもぴょんと乗り、リラックスして懐いてしまう。

そんなユキはまだ1歳、体も細くしなやか、とてもお母さん風ではない。
そんなユキが日毎にお墓が膨らみ、いよいよ出産を迎えた。
そのユキがお産に選んだ場所は2階の住職のコタツの中だった。
一緒にいると落ち着くが、しばらくしてそこを離れるとユキも降りてきてしまう。
しかも今まで自分では開けられなかった戸を開けてしまうほどの威力、人だけでなく、火事場のバカ力ではないが、猫も必死になると思わぬ力を発揮する。

結局しばらくは住職が手紙を書く時間の間にどうにか落ち着いた。
それから30分後、そっと覗くと、子猫の頭が見えた。
それからまた30分後、ユキは子猫をかいがいしく舐めていた。
その姿はもう立派なおかあさんに見えた。
それからお昼過ぎ、結局4匹の子猫をユキは産んでいた。

3月生まれのユキはまだ1歳、のお母さん。
誰に教わる訳でもなく、胎盤とへその緒も食べ、濡れている赤ちゃんを舐めまくっていた。
そして今は4匹におっぱいをあげている。
新米のお母さんは、自分が食べることも飲むこともできず、夜までそこを離れることなく授乳し続けている。
そこで住職にご飯と水を持って行ってもらった。
するとユキは授乳しながら食べて飲んでいたという。

自然界の動物の逞しさ、一途さ、その知恵、本能に驚きと賞賛を覚えた。
自分のお産の時を思うと、なんと人間の頼りのないことか。
猫から学ぶことは、これからもたくさんありそうだ。
何処かで人間こそが生物の進化した最前線と勘違いしていたのが恥ずかしくなった。
さて、これからの子育てで、何を見せてもらえるか、楽しみだ。
ユキの人好きから、貰い手はもう3匹は決まっている。
幸せなユキだ。

人類にとって、今が試練の時、やはり奢りが高じて今の事態になったのか。
動かないことで見えてくるものがある筈だ。

桜が満開、木瓜も石楠花、山吹、苧環も桃も咲いて、今よろみは花盛りです。
夕日が指すと、空もうっすらと薄紅色に染まります。